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反リストラ産経労:ついにネット上で初公開! 09年フジHD株主総会で「八百長・やらせ」の内部告発! | ||||||
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ついにネット上で初公開! 09年フジHD(フジテレビ親会社)株主総会で「八百長・やらせ」の内部告発! 2010年5月23日 反リストラ産経労 09年6月26日の株主総会集中日に開催されたフジ・メディア・ホールディングス (以下、フジHD。フジテレビの親会社)の総会は、例年にも増して、会社法違反の違 法・無効総会ぶりがあらわになった。総会の前には、フジ社員らから反リストラ産経 労あてに「やらせ・八百長総会の実態を示す内部告発メールが寄せられた。そこに記 載された社員株主への発言指定や4回にもおよぶリハーサルについて、株主の松沢弘 ・反リストラ産経労委員長が、日枝久・総会議長(フジHD会長。在任21年、71歳、当 時)に質したところ、日枝議長に指名された太田英昭専務は「適法の範囲内でリハー サルを行っている」と事実を認め、開き直ったのである。日枝議長は、松沢委員長が 挙手・発声で提起した修正動議も黙殺し、20人以上の一般株主が挙手して発言を求め ているにもかかわらずに質疑を一方的に打切り、予定通り、2時間2分で総会を切り上 げて、会場から逃亡した。社員株主の質問によって、一般株主の質問権を阻害し、修 正動議を無視して株主の議案提案権を奪うという、まさに暴力的な総会運営は、会社 法に定める総会の決議取消・無効に該当する。 弾圧監視弁護団が暴力弾圧を防止 当日、株主や、反リストラ産経労、報道被害者、支援労組員、視聴者、市民たち約20 人が、新交通「ゆりかもめ」の台場駅に集合。昨年のような暴力弾圧を許さないた め、反リストラ産経労の行政訴訟弁護団から、萩尾健太主任弁護士、三澤麻衣子事務 局長が弾圧監視弁護団として、現場で目を光らせた。フジ側の要請を受けてか、「ゆ りかもめ」は、今年も職員ら20人余を動員して、ビラの配布を妨害する体制をとっ た。しかし、弾圧監視弁護団の厳しいチェックに恐れをなしたか、直接的な暴力を振 るって情宣活動を不可能にすることはできなかった。東京湾岸警察署も、5、6名の公 安を差し向け、スキあらば「民事介入」して弾圧しようとの構えをみせていたもの の、これまた、弁護団の存在にひるんで、反対側の通路にたむろして、脅しをかける だけにとどまった。フジの社員、ガードマンは、あいかわらずの黒服に身を固めて、 労組、株主としての正当な宣伝行動を威圧。会場の「ホテル・グランパシフィック・ ル・ダイバ」(「京浜急行」系列)の職員もフジ側と一体となって、脅すようなそぶ りで、情宣活動を監視していたが、昨年のように、横断幕を奪おうとするような直接 的な暴力を加えることはできなかった。 社員株主200人が一般株主の質問を妨害 総会では、内部告発メールの予告通りに200人の社員株主が要所を固め、松沢委員長 らに対して大声で恫喝を加えたり、松沢委員長の体に手を伸ばして、行動を掣肘する など、日枝会長への忠誠ぶりを競い合う有様だった。日枝議長は、例年通り、「議案 の一括上程、一括質疑、一括採決」という、違法な運営法を、株主の反対を無視して 採用。この強引な議事運営により、総会出席者1437人のうち、質問できたのは僅か12 人にとどまった。しかも、その多くが、社員株主かフジ側の関係者と推認された。事 前に松沢委員長をはじめとする3人の株主から寄せられた3通の質問状については、フ ジ側が勝手に自分たちに都合のよい形で何項目かにまとめてしまい、太田専務、嘉納 修治常務が、おざなりで、不誠実な答弁に終始した。質問状に記載された、フジ全額 出資子会社・扶桑社の歴史教科書をめぐる疑惑などの重要項目のほとんどが、答弁漏 れとなった。 質疑の中で、「ライブドアの株による345億円の損失は、310億円の和解金を受け取る ことで決着したが、ライブドア系列の通販会社・セシールの買収金額80億円を差引け ば、230億円しか返還されなかったことになる」、「ライブドア問題が解決したら、 日枝会長は辞任するのではなかったか」など、ライブドア事件に関する質問がだされ た。これに対して、日枝議長は直接答弁せず、飯島一暢常務に「ライブドア問題は全 面勝利だった」、豊田皓社長に「日枝会長は多大な貢献をしている」などと答えさ せ、会場から「豊田は社長にしてもらったしなあ!」との非難が浴びせられたほど だった。 労働争議解決の要求も このほか、一般株主から「反リストラ産経労委員長の松沢さんの解雇問題をめぐるフ ジサンケイグループの長期労使紛争が注目されている。当社の事業は憲法21条の『集 会・結社・表現の自由』の規定に基いて成立している。松沢さんたちは、「結社の自 由」に依拠して労組を立ち上げただけで、懲戒解雇された。会社側の弁護士は、中央 労働委員会の場で『この事件は日枝会長が陣頭指揮している。日枝会長から、妥協せ ずに闘えと言われている』として和解を拒否した。私が、昨秋、株主を購入してから 株価は2万円も下がった。マスメディアとして不当労働行為に関する問題をキチンと 解決することで信頼回復につながり、それが株主の利益ともなるはずだ。労働争議 が、様々な他のメディアで報道されて、当社のイメージダウンとなっている」、「当 社の35歳の社員の年収が1800万円と聞いて驚いている。非正規労働者と正社員との年 収格差を是正すべきだ」との質問がだされた。これに対して、日枝議長は「労使紛争 は総会で回答するものではない」と切って捨てたが、一応、太田専務に答えさせた。 太田専務は「労使紛争を日枝が陣頭指揮しているという事実はない。紛争が株価に影 響しているとは思わない」、「社員年収については、貰いすぎだ、との批判があるこ とは承知しているが、労働密度が高い点も考慮すべきだ」などと開き直った。 松沢委員長が内部告発もとに「八百長・やらせ」の実態を暴露 松沢委員長が、ようやく指されて質問に立った。その中で、松沢委員長は、今総会に 関するフジ社員の内部告発の内容を紹介して、事実かどうかの確認を迫った。それに よると「4月21日に総務部から『会場下見のため、5月7日に会場のホテルの会議室に 集合し、全体を案内。その後、分科会に分かれて各所を確認する』との『キックオフ ・メール』が幹部の社員株主39人に送信され、これが200人以上の社員株主に転送さ れた」、「5月18日、6月15日、6月19日、6月25日に総会のリハーサルが行われた。6 月15日には総務部から社員株主に質問が指定された。一般株主の質問を邪魔するため だ。6月19日には、当社のオフィスタワー22階の大会議場で全社員株主が参加して全 体リハーサルが行われた」、「社員株主は、休暇届も出さずに、下見会を含め5回も のリハーサルに強制参加させられた」、「組織ぐるみの説明義務違反だ。100%決議取 消に該当する。資本主義国家において許されるものではない」、「株主の皆さんは、 周到に練り上げられた八百長を見るために、電車賃を払い、台場まで来ているんだ」 ―と、「やらせ・八百長総会」の実態を生々しく暴露。松沢委員長は、『月刊現代』 (講談社発行)や『世界』(岩波書店発行)で明らかにされた、過去の総会の八百長 振りとあわせて、日枝議長直々の答弁を求めた。 この松沢委員長の質問に、会場はシーンと静まり返り、日枝議長らヒナ壇に居並ぶ役 員らの顔は一様に蒼ざめた。衝撃を受けた日枝議長はしばらく間を置いてから、よう やく「総会は適正、公正に行っているものと自信を持っている。総会は会社の機関と して存在しているので、担当役員に答えさせる」として、またしても太田専務を指名 した。太田専務は答弁のシナリオにない内部告発に狼狽してか「フジ上場以来、議場 が混乱している。株主共通の利益を審議できないのは我々としても大変問題だ」と泣 き言を並べたうえで、「その意味で、適法の範囲でリハーサルを行っている。『月刊 現代』や『世界』の中味については、アレコレ言及する場ではない」と事実を認めて しまった。これだけで、会社法違反は明白であり、総会決議の取消・無効を求める訴 訟が起こされることは避けられそうにない。 扶桑社の歴史教科書事件も追及 さらに他の株主から、「事前に質問状を出したが、何故、全く答えないのか。営業損 失か続いている子会社・扶桑社の歴史教科書については、『右翼的すぎて採択されな い』と扶桑社自身が著者代表の藤岡信勝・拓大教授(新しい歴史教科書をつくる会代 表)に引導を渡さざるを得なくなり、藤岡教授らとの間で、訴訟合戦、泥仕合の様相 を呈している。月刊誌『自由』の08年2月号では『日枝会長が、当時の安倍首相から 言われて、3億円の出資を決め、扶桑社の子会社として育鵬社を設立して教科書事業 を引き継がせた』とされている。これは事実か。扶桑社自身が『採択されない』と自 認している教科書と同じ内容のものを発行し続けるのは子供たちに対してあまりに無 責任ではないか」との質問が出された。日枝議長は、ここでも自ら答弁せずに、太田 専務に振り向けた。専務は「総会の目的に合致するものだけ回答した。扶桑社の著作 物の内容には立ち入らない。『自由』に書かれたような事実は一切ない」と否認し た。『自由』の記事が事実であるなら、明白な虚偽答弁となる。この後、松沢委員長 は、何度も挙手し続けながら「修正動議」と発声して、議案にたいする修正案の提出 を行おうとしたが、日枝議長はまったく取り上げようとはしなかった。12人目の質問 者に対する豊田社長の答弁が終わった後、例年のように、日枝議長は自ら「審議は十 分に尽された」として質疑を打切り、社員株主の怒声と拍手を頼りに、一気に5本の 議案の採決に移り、賛成者の数を数えることもなく、「原案通り可決された」と叫ん で、会場から逃げ出した。議案には、日枝会長も含めた全役員の再任、3970万円にの ぼる役員賞与支給の件も含まれていた。 総会当日、株主に配布されたビラの要旨を以下に紹介しておきます。 日枝会長(トップ在任21年!)は八百長総会、暴力弾圧、業績悪化、株価低迷の責任 を取れ! 昨年総会で前代未聞の暴力弾圧 昨年のフジテレビ第67回株主総会に向けた株主たちの宣伝行動に対して、前代未聞 の暴力弾圧が加えられ、株主の松沢弘氏(反リストラ産経労委員長)は全治5日間の 打撲傷を負わされた。総会で総務担当の太田英昭専務はこの弾圧事件を、事実上、フ ジテレビが仕掛けたと自白した。この暴力弾圧に対して厳重に抗議する。トップ在任 21年に及ぶ、総会議長・日枝久会長(71歳)は、暴行犯の所属、氏名、当社との関係 を明らかにし、謝罪したうえ、引責辞任せよ。会社法に違反した違法・無効総会であ ることは明白であり、総会のやり直しを求める。 岩波書店の月刊誌「世界」が「八百長・やらせ総会」の実態を暴露! 岩波書店発行の月刊誌「世界」11月号は、「テレビに反省はない」とのタイトル で、この総会の実態を暴露した。質問者14人のうち「実に9人が社員株主だった。率 にして64%もの高率である。一般株主はわずか5人しか質問できなかった」として、質 問した社員株主の肩書きを明記。そのうえで「重大な問題は、社員株主は全員が社員 であることを隠し、一般株主を装っていることである」、「議長の日枝は、まだ質問 を希望する一般株主がいるにもかかわらず、『十分に審議した』とし、認定放送持株 会社への移行、自らを始めとする役員の再任を決議していった」と、無法ぶりを指弾 した。05年の総会に関して「フジテレビの株主総会を極めて違法性が高いと問題視し ていたのは、フジテレビの顧問弁護士であった。会社法に通暁するその弁護士は総会 直後、経営トップに対して決議取消に該当する可能性が高いと異例の注意を喚起して いる」、「日枝は結局、顧問弁護士の警告を聞き入れることはなかった。顧問弁護士 は職責を果たせないとして辞任した」と明らかにしている。「総会には社員株主を含 め200人規模の社員が動員され、違法総会に加担している。最高意思決定の場で不正 を働いて恥じない組織が、日常でどんな番組を作るか、推して知るべしではないの か」と、厳しく糾弾した。 総務大臣に日枝会長の引責辞任等の指導を要請! ライブドア和解35億円の損害!業績悪化で役員賞与はゼロにせよ! 松沢株主らは09年4月1日、フジHDの監督官庁・総務省の大臣室を訪れ鳩山邦夫総務大 臣(当時)あてに八百長・やらせ総会、暴力弾圧事件などに関して、厳しく同社を指 導するよう要する文書を提出した。フジHDの09年3月期連結決算は、対前期比で大幅 な減収・減益となった。当期利益は、LDH(旧ライブドア)から和解金310億円を得たこ とで微増となったが、これがなければ大幅減益は免れなかった。しかし、和解後も35 億円の実質的な損害が残っており、日枝会長をはじめライブドア株取得当時の全取締 役が連帯して損害弁償すべきだ。総額3970万円にのぼる役員賞与は、業績悪化の責任 を取ってゼロとすべきだ。 以上 「週刊金曜日」がフジHD総会での「やらせ」を速報! 「週刊金曜日」09年7月6日号が、フジHDの株主総会の「やらせ・八百長」告発を報 道しました。気鋭のライター・福田慶太氏が、「金曜アンテナ」欄でリポート。「フ ジHD 暴露された株主総会の『ヤラセ』ぶり」とのタイトルを掲げ、「内部告発で 『ヤラセ・八百長』の実態が暴露された。会場下見に関する総務部発のメールの現物 をはじめ、『四回の総会リハーサル、社員株主への質問指定』などの生々しい内容 だ。フジ側は『適法の範囲内でリハーサルをしている』と事実を認めて開き直った」 と報じた。さらに「日枝議長は、20人以上の一般株主が挙手しているにもかかわら ず、質疑を一方的に打ち切り、議案の修正動議も無視した」とし、「暴力弾圧は阻止 できたが、違法・無効の総会だ。原因は二一年間もトップの座につく日枝会長の超長 期独裁体制にある。リハーサルや社員株主のヤラセ質問は、会社法が定める総会決議 無効・取消の対象だ」との松沢弘・反リストラ産経労委員長の談話も紹介している。 この記事は「週刊金曜日」のHPで読める。 「サイゾー」、「SAPIO」、「放送レポート」がフジHD「八百長総会」の内部告発を 報道! フジHD(フジ・メディア・ホールディングス。フジテレビの親会社)の「八百長・や らせ総会」に関する内部告発については、「週刊金曜日」09年7月6日号が速報し たのに続き、月刊誌「サイゾー」09年8月号、「SAPIO」09年11月11日号 (小学館発行。月2回刊)、「放送レポート」09年9月号(メディア総合研究所発 行。隔月刊)が、相次いで報道しました。「サイゾー」は、大崎量平記者の署名入り 記事で、「ヤラセ総会、ジャニーズとの癒着 今年も大荒れフジHD株主総会」のタイ トルを掲げ、内部告発問題を詳しく取上げました。「会場を凍り付かせたのは、フジ HDの八百長・やらせ総会を指摘した発言だ。『実は、今回の株主総会前に、一部の株 主やマスコミ関係者などに対してフジHDの八百長・やらせ総会の実態を明らかにする 告発文が寄せられていたのです。《フジHDでは、毎年株主総会前にリハーサルを行 い、100人を超える社員株主を集め、当日の質問を割り振り一般株主を装わせ発言さ せている。今年は5月上旬から6月下旬にかけて、本社オフィスタワー22階の大会議場 などで、見学会を含む計5回行われた》という内容でした。そこで、総会当日、この 告発文を入手した一般株主がその真偽を確認したところ、日枝会長以下、壇上にいた 幹部たちの顔色が変わりましたね』(フジ関係者)という。日枝会長に指名された太 田英昭専務は『適法の範囲でリハーサルを行っている』と、この事実を認めたとい う。『会社側が事前に社員株主に質問を割り振り、あたかも一般株主であるかのよう に発言させるのは明らかな自作自演行為で、一般株主の質問権を阻害しており、会社 法違反。今後の動向次第では、総会議決取消訴訟に発展する可能性もあります』 (同)」と、鋭く問題点を指摘しています。 「SAPIO」は、「ジャーナリズムは変わらなくていいのか」との特集の中で、フジテ レビに1頁を割き、「10月上旬の視聴率ベスト30からフジ番組が消える『異常事 態』」とのタイトルの記事でこの事件を取り上げました。「88年の社長就任以来、 21年間にもわたってトップの座に君臨してきた日枝久会長だが、その日枝体制を揺 るがす出来事が、今年6月26日に開かれた株主総会で起こった。元産経新聞グルー プ記者で、フジサンケイグループの合同労組『反リストラ産経労』委員長の松沢弘氏 の元に、総会の10日ほど前に次のような内部告発が寄せられた。『総会前には従業 員200名以上が参加するリハーサルが5回も行われ、総務部が用意した質問を従業 員株に行わせることで一般株主の質問を邪魔しようとしている』。会社側が事前に従 業員株主に質問を割り振り、あたかも一般株主のように発言させるのは、一般株主の 質問権を阻害することになりかねず、会社法に抵触する可能性もある。『実際、私が 総会に出席し、質疑応答で内部告発の中身を詳らかにした瞬間、場内の空気は一変し ました。私たちに罵声を浴びせていた従業員と思われる株主は一様に押し黙り、議長 を務めた日枝氏ら役員の顔は蒼ざめていました』(松沢氏)。この株主総会問題は局 内の不協和音の象徴のようなものだ」と、ズバリ、本質を突いています。 テレビ局の労組の全国組織・民放労連をバックにした「放送レポート」では、松沢弘 ・反リストラ産経労委員長が自ら筆を執った記事をトップに据え、表紙にも「フジ 『やらせ総会』の内部告発」の大見出しを掲げました。記事は「経営側も認めたリ ハーサルの事実」との袖見出しを付し、口をへの字に曲げた日枝会長の大写しの顔 や、会場正面のヒナ壇の場内写真も載せ、会場の雰囲気が手に取るように分かるよう になっています。記事は、こんな書き出しで始まります。「その瞬間、場内の空気が 一変し、会場を埋め尽くした1400人を超える株主たちは、固唾を呑んで、日枝久・総 会議長が口を開くのを待った。6月26日の集中日に東京・台場で開かれた、フジHDの 株主総会で、私が質問したときのことだ。フジHD内部の告発者からの情報をもとに 『総計5回に及ぶリハーサル、総務部による従業員株主への質問指定の事実』が明ら かにされたからだ。会場にいた週刊誌記者は『会場に緊張が走った。特に、従業員株 主らしき人たちがだまりこくってしまったこと、壇上の経営陣の面々の顔色が変わっ たというか、空気が変わってしまったことが印象的だった。まさに真実の暴露、とい う凄まじい迫力があった』との感想を、私に伝えてきた」。 さらに、記事は内部告発情報のほぼ全容を以下のように伝えました。「松沢さんに賛 同するフジテレビ社員です。今年の株主総会では、『世界』(岩波書店刊。08年11月 号)が取り上げた『やらせ・八百長総会』を徹底して追及しましょう。うちの総会は 確実に違法です。その責任を取るのは総会議長であり、トップの日枝久会長です。番 組と同じ、全てが出来上がった『やらせ・八百長』の総会です。資本主義国家におい て許されるものではありません。全従業員株主に、次のような『やらせ総会』の 『キックオフメール』が送られてきています。これが従業員株主にやらせ総会プロ ジェクトがスタートすることを毎年知らせるメールです。送信先は39名、全体では 200名以上が加担する一大違法総会です。また、5月19日の15:00-17:00やらせ八百 長総会の全体リハーサルがあります。場所は、オフィスタワー22階の大会議場です。 100名以上の全従業員株主が休暇届も提出せずに、業務命令として強制参加させられ ます。日枝会長をはじめ全役員も参加します。『やらせ・八百長総会』の動かぬ証拠 の一つです。『2009年4月21日9時56分。件名、総会会場下見の件 株主総会ご担当の 皆様、お疲れ様です。今年も株主総会会場下見のシーズンがやってまいりました。下 記の日付であればほぼ全ての箇所をみることができます。◆日時=5月7日(木)15: 00集合◆場所=ホテルグランパシフィックLE DAIBA B1「シャトレ」◆内容=全 体をご案内したあと、分科会に分かれて各所を確認します。メールは各部門の代表者 の方にお送りしていますので部門内で転送願います。 総務部 S(実名を記 載)』」。 総会前日に寄せられた情報も、以下のとおりに紹介しています。「総会では、自分で 質問している従業員株主は一人もいない。総務部が全員に質問を指定している。そし てその質問によって、普通の株主の質問は封じられる。それがシナリオだ。明らかに 組織ぐるみの説明義務違反であり、100%決議取消しに該当する。休暇届けも出さぬ 業務命令により200名が加担したリハーサルの日程を紹介する。5月7日の見学会、5月 18日、6月15日、6月19日、6月25日の4回に及ぶリハーサル。6月15日のリハーサルで は、社員株主一人一人に総務部が用意した質問を指定している。会社が強制的に行わ せている。質問者の大部分は従業員株主だ。会社から強制的に一般株主の質問を邪魔 するように参加を義務付けられている。明らかに違法行為だ。4月21日のキックオフ メールから2ヶ月余もの間周到に練り上げられた八百長をみるために、一般株主は電 車賃を払って台場まできている。 すべて総務部が作ったシナリオどおりの『八百長 総会』だ」。 そのうえで、「私は、今総会に関する内部告発の内容を詳しく紹介し『この情報が事 実だとすれば、総会決議そのものが無効になる。会社法に違反した違法・無効総会に なるという認識があるのか?』として、日枝議長直々の答弁を求めた。フジの総会に 関しては、これまで、事後的に、その『八百長・やらせ』の実態が月刊誌等で暴露さ れたことはしばしばあったが、事前に、その実情を暴く情報が流されたのは今回が初 めてだ。しかも、眼前で進行中の総会の只中において、明らかにされたのだから、そ の衝撃力は甚大だった。会場全体がシーンと静まり返り、日枝議長らヒナ壇に居並ぶ 役員らの顔は一様に蒼ざめて見えた。日枝はしばらく間を置いてから『総会は適正、 公正に行っているものと自信を持っている』とだけ述べるのがやっとの有様で、太田 専務に回答を振ってしまった。太田は『適法の範囲でリハーサルを行っている』と、 内部告発の情報が事実であることを認めた。会社法違反は明白であり、同法831条に 規定された総会決議の取消に該当する」と指摘ました。記事は「6月30日に行われた 記者会見で、豊田社長は『フジHDとして第一回の総会を法律的にも瑕疵なきよう行な うこと、現状をきちんと株主に説明することを心して臨んだが、株主への説明もきち んと果たすことができたと考えている』と語った。権力そのものと化したメディア は、法の解釈をも恣にできるのだという驕りが、この言から匂ってくる」と締めく くっています。 より詳しい情報は以下のHPを御覧下さい。 http://www006.upp.so-net.ne.jp/fujisankei/ Created by staff01. 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