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LNJ Logo 反戦イラク帰還兵士の会:イラクの労働者の権利を求める請願書提出
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イラク市民レジスタンス連帯委員会からの情報を転送
します。「草の実アカデミー」でのドキュメンタリ上映会でIVAWはもうだめ
、みたいな根拠不明の発言があったそうですが、このように頑張っています。ぜ
ひこの事実をその方にも知っていただきたいです。どうかこれをお読みいただけ
ますように。 自衛隊員が1000人規模の組織をつくって反戦・反占領運動を展
開することを想像すれば、その意義の大きさは深く納得されることと思います。 
ましてや成員の思想上の相違で組織を割ったりしないで、具体的な一致点での結
集を維持している点など、見習うべきことでもあります。向井
**************************

※USLAW(アメリカ反戦労働者の会)がIVAW(反戦イラク帰還兵士の会
)とハッサン・ジュマ・イラク石油労組連合議長が昨年12月8日に米国国務省
に対してイラクの労働者の権利擁護を求める請願行動を行いました。世界の反戦
運動とイラクの労働運動、IFC(イラク自由会議)が連帯・共同行動を強めて
います。

(日本語訳:イラク市民レジスタンス連帯委員会)

USLAWとIVAWが米国国務省幹部にイラクの労働者の権利を求める請願書
を手渡す

アメリカ反戦労働者の会 2009年12月21日

アメリカ反戦労働者の会(USLAW)と反戦イラク帰還兵士の会(IVAW)
の代表とイラク石油労働組合連合議長で構成する代表団が、2009年12月8
日の火曜日に米国国務省の幹部と前例のない会合を行い、米国政府がイラク労働
者の権利を支持すると強力に意見を述べるように要求する全米の何千もの労働運
動、反戦運動その他の社会正義を求める活動家が署名した請願書を手渡した。



代表団の参加者は次の通りである:

 ボブ・ミューレンカンプ USLAW共同呼びかけ人

 デニス・ロンバード  USLAW国際連帯調整担当

 ジョフ・ミラード IVAW[イラク反戦帰還兵士の会]

 ハッサン・ジュマー・アワド イラク石油労組連合議長



国務省の代表は次の通りである:

 デラ・キャベー 、民主主義・人権・労働局、国際労働機関[ILO]部長

 M.カレン・ウォーカー 、近東・中南部アジア局、対外部長

 アニュー・プラッティパティ  経済問題局、多国間貿易部、経済課長、

 マイク・ベントン 肩書き不明

 ジョン・S.ベラ  中東局、対イラク経済援助部、部長



国務省の各幹部は以下の物が入った包みを渡された:

 *リチャード・トラムカAFL−CIO[アメリカ労働総同盟―産別会議]議
長、ジョン・スウィーニーAFL−CIO前議長、国際労働組合連合、連邦議会
下院議員たちからの労働者の権利に関するマリキ・イラク首相に対する書簡

 *2009年3月にイラクのアルビルで開催された第1回国際労働者大会への
USLAWの書簡、構成人数付きのUSLAWの全ての加盟団体のリスト(この
後加盟した米国通信労働者組合が付け加えられた)

 *2003年のUSLAWイラク現地調査団の所見のコピー

 *USLAW主催の2005年イラク労働組合指導者アメリカ連帯ツアーの報
告

ロンバードは、USLAWがイラクの労働運動と密接に活動する関係を築き、そ
の関係がいかに発展したか、アメリカの組合活動家がイラクに行きイラクの組合
指導者がアメリカを訪ねるという多種多様なツアーについて述べた。彼女は「多
くの形態で7年近くも尽力してきたにもかかわらず、アメリカ政府はイラクの労
働者の権利を支持する何の動きもしていない」と言った。

ミューレンカンプはUSLAWについて説明し、USLAWが今や200近い労
働団体を代表し、その中には米国最大の地域組合のいくつかと、2ダース以上の
労働組合評議会と、7つの州の労働組合連合体と、数百万人の組合員を代表する
多数の全国労組組織(推定によれば、全組織労働者の3分の1)が入っているこ
とを強調した。

彼は、「アメリカ政府はイラク政府に対して相当な影響力を持っているのだから
、イラクの労働者の労働基本権を尊重させるようにその影響力を利用するべきだ
」と指摘した。彼は「我々はブッシュ政権には大して期待しなかったが、オバマ
大統領は米国の労働者の権利の改善に取り組み全世界の人権の尊重を呼びかけて
きたと言った」と強調した。そして「我々はオバマ政権がイラクを含めてその水
準を上げることを期待している。イラク労働者の労働権を支援するために米国国
務省はどんな行動を取るつもりなのか?」と質問した。彼は、「良い労働法を獲
得するだけでなく、実際に運用されることが重要なのだ」と付け加えた。

ハッサン・ジュマ議長はイラクの労働運動の関心事を米国政府に直接伝える機会
を得られたことに感謝を表明した。彼は「イラクの全労働者の75%が公有企業
の公的な部門か仕事に従事していて、独裁者が制定したのにいまだに実行されて
いる労働法によって権利を剥奪されている」と強調した。彼はまた、「イラクの
現憲法は労働者の権利を尊重し、労働基本法を公布しなければればならないと要
求している」と語った。イラクは労働組合の代表権と団体交渉権に関する199
8年国際労働機構[ILO]条約加盟国でもある。それにも関わらす現政府はそ
の義務を無視し続けている。

ハッサン・ジュマは、「イラク占領当局を設立するためにブッシュ大統領によっ
て任命されたポール・ブレマーはサダム・フセインの抑圧法の大部分を破棄した
のに、サダム・フセインが1982年に制定して全ての国家公務員と公企業(す
なわち石油産業)の従業員の労働組合結成と団体交渉を禁止した反労働組合法を
押しつけた。その法律は今日に至るまで効力を持っている。イラクにおける民主
主義を支援するとしょっちゅう宣言しているにもかかわらず、米国政府はイラク
労働者に対して国際的に認められた労働基本権を否定する共犯者となってきた。
」と指摘した。

ロンバードは、「だからこういう状態を正していくというはるかに大きな責任が
米国政府にかかっている」と言った。

ジュマは米国務省に対して、ジュネーブの国際労働機構にいる米国務省の代表を
通じてイラクの労働者の権利が否定されているという問題を主張するように要請
した。

彼は「米国が労働者の権利について行動しないのは米国がイラクで民営化を推進
するという政治命題なのである」「イラク国民は、米国がイラク政府に労働法を
制定するように圧力をかけることは全く可能であり、それを願うことは全く当然
であると確信している。米国大使は、米国の利益となる決定に対して影響力を行
使するためにイラク国民議会の議場の中を自由に歩いている、と強調した。大使
は労働法について労働者のために同じことを必ずできる」と言った。

ジュマは、イラクの労働組合指導者に対する脅迫や弾圧について話し、次のよう
にいくつかの例を示した。「たとえば、国有石油会社の経営者は10人の組合活
動家と彼らの家族を何百マイルも遠く離れた設備に配転したが、そこははるかに
危険な場所で、組合員から彼らを孤立させようとしたのである。労働組合が共同
の抗議行動を組織してようやくイラク政府は態度を軟化させ、10ヶ月後に彼ら
を元の職場に戻した。他の組合指導者たちは、待遇改善要求を支持する労働者の
合法的デモの先頭に立ったら報復を受けた。労働経済省は政府機関や公企業の経
営者に労働組合の相手をするなという指示を出した。職に関する労働者の権利が
侵害されてもおとがめなしであるだけでなく、民営化などの問題の政治論議に労
働組合が参加しようとしても、妨害を受けている。労働組合の銀行口座は凍結さ
れてきて、組合費の徴収でさえ妨害されている。」

ジョフ・ミラードは9年間ついた軍務と、イラクでの軍務と、軍務の関係で負っ
た多種多様な負傷のことを語った。彼は、「兵士は民主主義のために闘うのであ
り、人々の基本的な民主的権利を否定するためではないと教えられている」と言
った。彼は米軍がストライキ破りのためにどのように利用されたのかを報告した
。(このことはハッサン・ジュマが立証した。石油労働者がKBR社に反対して
ストライキを闘った時に、スト破りのために米軍が動員されたからである。)

[訳注:KBR(ケロッグ・ブラウン・アンドルート社)は米国の油田サービス
会社でありイラク占領で巨額の利権を獲得したハリバートン社の傘下。ハリバー
トン社はブッシュ政権時代のチェーニー副大統領がCEOをつとめたことがある
。]

ミラードは「イラク人と話し合って、中産階級が戦争と占領によってどのように
崩壊したかや、何百万人もの難民がイラクを離れざるを得なくなったことや、失
業や、侵略と占領の他の影響について知った」と言った。彼は「労働組合の団結
権は安定した経済と国家を築く根本的な礎石である」と主張した。

 彼は「SEIUは当初からオバマを支持したのであり、オバマを当選させるた
めに組織労働者が多大な貢献をした」と付け加えた。

[SEIU(国際サービス労働組合):組合員数220万人。医療労働者、清掃
労働者などを組織]

国務省の対応は以下の通りである:

国務省幹部たちは「イラク国民がどんな労働法を適用してもらいたいのかを知り
たい」と言った。ハッサン・ジュマが「ILOとアラブILOと労働産業省とい
う異なる側から提案された3つの草案がある」と教えた。

 彼らは「全く見たことがないのでコピーをほしい」と要請したので、ハッサン
が「提供する」と言った。

 代表団は彼らに「我々は特定の草案を支持しているというのではなくて労働者
の権利(公的部門と民間部門の両方の労働者のための労組の団結権、団体交渉権
)を尊重する国際的に認められた(ILOの)基準を満たす法律が施行されるの
を見たい。もしも米国が石油法(実際に米国が第1次草稿を書いた)について圧
力を行使することができれば、労働者と人権を代表して圧力をかけられるのは確
実であろう。」と知らせた。

ミラードはイラクにおける移民労働者(フィリピン人、タイ人、その他の輸入労
働力)の待遇について、特に米国の契約企業からどんな扱いを受けているかにつ
いて発言した。米国国務省の幹部は「問題があるのは知っているしそれについて
働いている」と言った。ハッサン・ジュマは「問題は特別にイラクのことではな
く、他にたくさんの国が外国人労働者を虐待している」と付け加えた。彼は「そ
れは基本的人権の問題だ」と言った。

ミューレンカンプは「外国企業がイラクに投資をして操業を開始しているから労
働法について行動することは急を要する。」「仕事は民営化されている。労働基
本法がなければ労働者は何の保護も受けられないだろう。」と話した。

ロンバードは、「イラクの労働組合の声がもっと弱められるかも知れない。とい
うのも、イラクの労働組合の組織建設力を支えトレーニングを提供している唯一
の国際NGOであるAFL−CIO連帯センターが、イラク人が訓練を受けたア
ンマンの事務所を閉鎖してイラクの労働組合に対する事業を削減するように要求
している全米民主主義基金の寄付を100万ドル削減されたからである。」と強
調した。

彼女は続けて「抽象的な机上の問題など存在しない。この分野で起こることはイ
ラク全土の何百万人もの労働家族に影響する」と説明した。彼女は「米国政府が
利用できる全ての影響力を使って、ILOの中核となっている基準を満たす労働
法をイラク政府に施行させるべきだ」という要求を繰り返した。彼女は請願書の
要求を読み上げ2385の署名を添えて政府に請願を提出した。政府側はそのや
りとりの写真撮影の要請を拒否した。

民主主義、人権、労働局のデラ・キャベーILO担当部長が自分たちは「皆さん
の側にいる」と代表団に約束しようとしたが、「国務省の官僚組織は動きがのろ
いです。」と強調し、「どうか忍耐をお願いします。」と訴えたあと、この会合
は終了した。

どんなに緩慢な政府の官僚組織であっても6年以上のイラク占領の期間にこのよ
うな基本的人権について動きを作ることはできると考えられる。代表団は、「行
動を監視するし、進展報告を期待する」と言った。

この会合が開かれたという事実は全て、米国政府が米国内の労働運動とイラクの
労働者による組織的な抵抗から受け取った組織的な圧力のおかげである。我々の
現在の課題は、イラクの労働者の要求に応える現場の実際の変化を見るまで圧力
を上げ取り組み続けることである。

我々はまた、イラクの労働者の基本的権利を求める闘いは、利潤の一滴まで可能
な限りことごとく奪い取るために労働者を搾取しようとする多国籍企業の組織力
に対抗する、全世界の勤労民衆によるとぎれのない闘いの一部であることを知っ
ている。イラク労働者の勝利は同じ基本的権利を要求する米国労働者の闘いの勝
利でもある。―それはすなわち、労働組合の団結権、団体交渉権、そして必要と
なれば自らの利益を守り労働条件や家族と地域住民の生活水準を改善するための
ストライキ権である。



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