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学校現場を恐怖と混乱に陥れた都教委
七生養護学校「こころとからだの学習」裁判第8回控訴審

12月16日、七生養護学校「こころとからだの学習」裁判(以下「ここから裁判」)第8回弁論が行われ、東京高裁に約80名の支援者が集まった。(東京高裁第2民事部 大橋寛明裁判長)

「ここから裁判」とは、2007年に当時の東京都立七生養護学校の性教育実践に対して行われた都議会議員、産経新聞、東京都教育委員会による弾圧(授業差し止め、教材没収、厳重注意処分18名、校長への1か月停職・校長解任)という前代未聞の事件に対して闘われているものである。

この裁判は2009年3月に都教委に対する賠償命令が東京地裁で出され、今年2月に金崎校長への処分取り消しが最終的に確定し闘いは大きく前進した。しかし東京地裁判決に対し都教委は控訴、またその地裁判決も産経新聞の責任や教材の返還についての言及があいまいなことから、原告も控訴し現在高裁で引き続き闘いが継続している。

都教委は全く反省していないことは、控訴した時点で明らかであった。その意味では、この裁判は最終的に都教委に誤りを認めさせ、都教委の姿勢を根本的に変えていくために非常に重要な意味をもつ のである。その控訴審も今日で8回目、終盤のしめくくりとして当時の七生養護学校教員の2人の意見陳述が行われた。

Aさん(当時小学部担任)

「障がい」を持つ子にとって、「排泄」指導は決定的に重要なこと。しかし、都教委は「低学年に性器の勉強を教えてはならない」と言ってきた。また「暴力」でしか気持ちを表せない子にとって、心に伝わる教育はいかに大事なことか。私は、子どもの真の叫びに応えることが、本当の教育の目的だと考える。都教委は、そのことがわかっていない。

Bさん(当時高等部担任)

性行為を行うことしか他の友達との人間関係を作れなかった生徒に対して、私は悩みながらも校内の仲間に相談し、本当の意味での「安心、気持ちいい、ほっとする」ということがどういうことかを「赤ちゃん」から学びなおすことをやってみた。そのことでその生徒は、自分がやりたいと思うことと行動を分けて考えるようになり、自分の行動を少しずつコントロールできるようになった。しかしこのような教育実践を都教委は否定した。それは学校現場に恐怖と混乱を巻き起こしただけだ。私は、子どもたちに大切なこととは何かを教えることができなくなったことが、本当につらい。

 教師たちの声は、叫びに聞こえた。この声をより大きなものにし、都教委を突き動かさなければならない。裁判は次回、いよいよ結審を迎える。(湯本雅典)

*次回第9回控訴審 2月22日(火)午後1時30分  東京高裁(地下鉄丸ノ内線、日比谷線、千代田線 霞が関 A1出口)

↓裁判所前でのチラシまき

↓裁判後の報告集会


Created by staff01. Last modified on 2010-12-17 00:23:02 Copyright: Default

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