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LNJ Logo 報告 : 「もうやめよう! 日米安保条約」集会とアピール行動
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News Item 0619hokoku
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1960年の安保闘争から50年を経て、「もうやめよう! 日米安保条約」と訴える集会が6月19日午後、都内で開催された。会場の千代田区・社会文化会館ホールに約350人が集まり、発言者の言葉に熱心に耳を傾けた。

集会では米国と日本、そして沖縄の新しい相互関係を模索した。発言に立った浅井基文さん(広島平和研究所・所長)は、「日米安保体制の問題点とめざすべき日米関係」と題して講演。20頁におよぶ資料を用意し、歴史的な背景と問題点を詳しく解説した。

オバマ米大統領のプラハ演説に言及し、私たちはオバマによる「核廃絶」への「神話」を取り除くべきだと論じた。「こんにち北朝鮮や中国が戦争をしかけてくることなどあり得ない。アメリカが変な行動に出なければ、アジアでは戦争は起こらない」として、流布される「脅威論」のカラクリを暴いた。また、「私たちはこれからの国際社会の進路をさし示す憲法(前文)という素晴らしい手がかりをすでに持っている」と指摘し、「批判されるとヘナヘナになるあいまいな平和観」を戒めた。菅直人新政権にも触れ、「菅の安保・外交観は危険だが、民主党はダメだというのはまだ早い。トップはダメかも知れないが、末端には市民の声を聞く人物も多い」と主張した。

グアムの作家・ビクトリア・レオン・ゲレロさん(写真)が紹介された。グアムの先住民・チャモロの人々が、民族としての存在を宣言するために設立した「チャモロ・ネーション」で活動している。グアムに駐留する米軍は、今後さらに増強されようとしている。空母の一時寄港施設建設によって、人口は約8万人増加し、サンゴ礁や地元の漁業、観光産業にも大きな影響を与える。「島における絶滅危惧種は、私たち自身」−−ゲレロさんは、いっそうマイノリティ化が進むチャモロ族の民族自決権獲得のために闘っている。米兵が大量に流入すれば、犯罪や性病が増え、公共サービスの質の低下も懸念されるという。

「犠牲ばかり押しつけられるのは不公正だ。だが私たちは、自身の未来を決める人物を選挙で選ぶことすらできない。戦争と軍隊はすべての人を傷つける」。ゲレロさんの切実な訴えに会場は静まり返る。「私たちの声を日本政府にも届けてほしい。私たちはみなさんと手をつないで一緒に闘っていきたい」と結んだ。

ヘリ基地反対協の安次富浩さんが登壇。「グアムと沖縄は、マイノリティという意味では一緒だ」と語りだした。「学べば学ぶほど抑止力が必要」などと言って鳩山は私たちを裏切った。沖縄では経営者協会ですら県内移設反対を打ち出している。推進を求めるのはカルト集団(幸福実現党=幸福の科学)くらいだ。沖縄にさらなる犠牲を求めて全国知事会に出席した石原都知事にも言いたい。基地は死んでいる海に作れ。羽田沖へ持っていけ」と怒りを込めた。米軍再編各地からのアピールとして、岩国、神奈川、座間、横田から発言があった。

午後5時。屋内集会を終えた参加者は会館前に集まり、国会議事堂にむけて行進した。正門前で思い思いの意思表示を行なった。その後一行は国会記者会館前の歩道に待機。そこで参加者による発言を続け、代表団が首相官邸前まで進み、全国から届いた日米安保反対のメッセージを担当者に手渡した。(Y)


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