| 韓国のドキュメンタリー映画「牛の鈴音」 | |
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坂井貴司です。 この映画には、ペ・ヨンジュンやパク・ヨンハと言った韓流スターは誰一人登 場しません。登場するのは、農家の老夫婦と年老いた牛です。 人口約5000万人の韓国で、300万人の観客を動員する記録を打ち立てま した。公開37日目ででは、ブラッド・ピット主演『ベンジャミン・バトン』を押 さえ、興行ベスト10の1位を獲得しました。イ・ミョンバク大統領夫妻まで観たと のことです。 この映画が、12月から日本各地で順次上映されます。 ドキュメンタリー映画 「牛の鈴音」 http://www.cine.co.jp/ushinosuzuoto/ イ・チュンニュル監督 プロデューサーは、「ウリハッキョ」のコー・ヨンジェです。 12月からシネマライズ、銀座シネパトス、新宿バルト9などで上映。 強権的なやり方で韓国の工業化を進めたパク・チョンヒ大統領は、農村の近代 化を目指す「セマウル(新しい村)」運動を1971年から進めました。高度経 済成長から取り残され、過疎化が進んだ貧しい農村を国策で改良しようとしまし た。 日本と同様に農村家屋の改善、農産物の品種改良、機械化、化学肥料や農薬の 使用、道路や水路の整備、灌漑、干拓事業などを進めました。これはまた「勤勉」 「自助」「協同」をスローガンに掲げた精神運動でした。北朝鮮の「千里馬(チ ョンリマ)」運動に対抗した政策でもありました。 セマウル運動を説明する宣伝映画の動画サイト(日本語) http://ehistory.korea.kr/pop/movie_pop.jsp?srcgbn=KV&mediaid=12250&mediadtl=28652&gbn=MH&quality=W この政策はある程度効果を上げました。農家の所得はかなり上がり、農業生産 高も向上しました。農村はワラ葺きの屋根から瓦葺きの屋根に変わりました。未 舗装のデコボコ道は、快適なドライブが楽しめる舗装道路になりました。農村の 貧困の最たるものである、4月から5月にかけて食べ物を食い尽くして飢餓に苦 しむ「春窮」はなくなりました。崩れかけた家の軒下で、空腹を抱えて座り込む 光景は姿を消しました。これが今もパク・チョンヒへの高い人気の源になってい ます。 そして農村近代化はまた、牛を使う古い農業を消し去りました。牛に鋤をひか せて田畑を耕し、牛車に荷物を乗せてのんびりと道を歩く光景は、日本と同様に なくなりました。 その中で、足の不自由な79歳の農民チェ・ウオンギュンは、年老いた牛を使 って昔ながらの農業を営んでいます。牛を使って田畑を耕し、牛車に乗って道を 歩くと言った具合です。76歳になる妻イ・サムスンは「農薬をまけば楽ができ るのに」、「機械を使えば楽なのに」と愚痴をこぼします。彼女は16歳でチェ ・ウオンギュンと結婚し、9人の子どもを育てました。長年連れ添った妻が愚痴 を言う理由は充分理解しながらも、「農薬をまいたら牛が食べる草が汚染される」 ・「この牛は家族も同様だ」・「足が不自由だからトラクターの運転なんてでき ないよ」と、昔ながらのやり方を変えません。足を引きずりながら、妻と牛と一 緒に休む間もなく早朝から日没まで田畑で作業をし、草を刈って牛に食べさせる 毎日です。牛の首に付けた鈴が鳴り響きます。しかし、牛は寿命が来ました。も う冬は越せないかもしれない。牛が死ねば私たちは農業を辞めなければならない。 その冬が来ました・・・。 日本と同様に過疎化、農産物価格の下落、所得の減少、輸入農産物との競争に 苦しむ韓国の農村の片隅で、昔ながらの農業のやり方を守ってきた夫婦とパート ナーである牛の記録です。 Created by staff01. Last modified on 2009-12-09 17:45:51 Copyright: Default | |