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中国の出稼ぎ労災被害者に対する死刑判決を撤回させるウェブ署名
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稲垣です。

ウェブ署名のご案内です。
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2009年11月3日、広東省東カン市中級人民法院(地裁)は、台湾人経営者など3名
を死傷させ逮捕・起訴された出稼ぎ労働者の劉漢黄さん(26歳)に対して、執
行猶予2年の死刑判決、被害者遺族に対する120万元の損害賠償責任の判決を下
しました。

劉さんは、これまでの裁判で何度も「自分を死刑にしてほしい」と裁判官に訴え
てきましたが、判決を聞いて「不公平だ」「裁かれたのは僕一人ではなく、社会
的弱者全体が裁かれた」と語り、控訴する意向のようです。

事件の経緯は以前にこのMLでも紹介しています。

◎台湾の労働団体の嘆願署名アピール(レイバーネット)より
http://www.labornetjp.org/labornet/news/2009/1246608903397staff01

6月の事件発生直後から、中国国内で、劉くんの減刑を求める呼びかけが行われ
ていました。被害に遭った台湾人経営者の遺族に対する損害賠償を行うことで減
刑の可能性があるかもしれないということで、劉くんの家族の銀行口座にカンパ
を呼びかけるアピールが出されたり、おなじく広東省に出稼ぎに来て労災被害に
遭った労働者たちによる連名の減刑嘆願が発せられたり、台湾でも労働団体など
が情状酌量を求めるウェブ署名を呼びかけてきました。

今回、劉くんに執行猶予付きとはいえ死刑判決が下されたことで、これまで劉く
んの事件に関心を持ち続けてきた中国国内の労働者や学生などが、劉くんの控訴
を受けて、「劉漢黄くんを無罪釈放し、労災労働者の権利の保障を実現しよう!
」というウェブ署名のアピールを発表しました。

◎劉漢黄くんを無罪釈放し、労災労働者の権利の保障を実現しよう!ウェブ署名
(中国語)
http://campaign.tw-npo.org/sign.php?id=200911601002900

ウェブ署名の方法は下段にあります。
以下、署名要請アピールの日本語訳です。

+ + + + + + + + + +

劉漢黄くんを無罪釈放し、労災労働者の権利の保障を実現しよう!
発起人:劉漢黄くんを支援する中国国内の労働者とインターネット市民

2009年6月15日、さまざまな迫害を受けてきた労災労働者の劉漢黄くんは
、台湾人経営者から再度暴力を振るわれたことから、残った左手で果物ナイフを
振り上げ自衛のための反撃を行ない、二人を刺殺し、一人に大怪我を負わせまし
た。劉漢黄くんの故郷の村民や広東省の工場で働く多くの労働者らによる嘆願署
名、そしてとりわけ台湾の労働運動の大きな支援、全国各地の労働者やネチズン
(インターネットユーザー)らによる賠償金カンパを通じた減刑要請行動によっ
て、11月2日に広東省東カン市中級人民法院(地裁)は、劉漢黄くんに対して
執行猶予2年のついた死刑判決を下しました。かろうじて劉くんの一命を取り留
めることができました。しかし、依然として14年から無期までの懲役刑になる
可能性があります。劉漢黄くんは上告する意向を示しています。

これまでの同様の事件と異なり、劉漢黄くんに対して予想よりも軽い判決が下さ
れたのは、台湾との関係に対する配慮と社会的対立の恐れがあったことなどが考
えられますが、中国と台湾の労働者民衆のさまざまな救援活動が、かなりの程度
、判決に影響を与えたことは事実でしょう。これは劉漢黄くんや労働者民衆にと
っての小さな勝利の一つです。しかし、私たちは、それだけでは足りないと思っ
ています。劉くんの無罪釈放を勝ち取り、労災に対する正当な補償をふくむ諸要
求を実現する必要があると考えています。

私たちが劉くんの無罪釈放を要求する理由は、まず今回の事件において会社側の
過失があったからです。会社側は、劉くんに対して就業時研修を行いませんでし
た。これが劉くんが労災に遭った原因です。また事故後に適切な治療をさせなか
ったことから症状が悪化し、結局右手首から先を切断せざるを得なくなったので
す。また、事故の後の生活保障の義務を怠っただけでなく、暴力を使って劉くん
やその弟を寮から追い出そうとし、劉兄弟の人身の安全と生命権を甚だしく侵害
しました。(労災補償をめぐる裁判で)裁判所は会社側に対して17万元の損害
賠償を命じましたが、会社はその半分の支払にしか応じようとせず、労災補償額
をまるで市場の野菜か何かのように値切ろうとしてきました。これは労働者を人
間として見ていない証拠です。

貧しい劉くんの家庭は、正当な補償が支払われずに苦しんでいました。このよう
な会社側の過失は、劉くんの生存権を甚だしく侵害し、劉くんに食うや食わずの
生活を強制し、さらには度重なる暴力を以って劉くんに対応したのです。劉くん
が経営者を殺害してしまったのは、最後の生存権を守るという自衛的行動だった
のです。劉くんの殺人行為は、自衛のための過剰防衛ですが、決して殺意があっ
たわけではありません。彼の性格はきわめて真面目でおとなしいのです。それは
彼を小さいときから知っている故郷の村民たちが明らかにしています。労災を巡
る争議の過程で、関係する政府の労働部門は法律を曲解したり無視をしたりして
、強力な資本の圧力の前に劉くん一人を孤立無援の状態で置き去りにし、彼を袋
小路へと追いやったのです。

私たちが劉くんの無罪釈放を要求する理由は、「殺人有理」を支持するというこ
とではなく、極めて典型的な労災労働者を現実的に救援することを通じて、私た
ちの社会が、労災被害者の置かれている厳しい状況を真剣に反省して改善し、私
たち一人一人の労働者の生存権と生きることの尊厳を維持するためなのです。東
カン市の中級人民法院が民意の一部を受け止め、死刑判決に執行猶予をつけた現
在、ますます多くの労働者の仲間たちが劉くんの命運に関心を注ぎ、劉くんを可
能な限り救出したいと考えています。

劉くんの事件は、現代の中国労働者階級にとって一つのメルクマール的な事件に
なっています。まさにある仲間が書いているように「劉漢黄くんがこの事件の結
果として負わなければならない責任は、労働者階級に対する権力者の真の立場を
計る指標でもある」のです。メディアでも「劉漢黄は判決を聞き終わった後に大
声で『裁かれたのは僕一人ではなく、社会的弱者全体なのだ』と叫んだ」(20
09年11月4日紅網報道)

劉漢黄くんは、私たち労働者階級の兄弟であり、劉くんが遭遇した事件も私たち
労働者階級が昨日、今日、そして明日直面する現実なのです。劉くんの権利を防
衛することは、当然にも労働者階級の権利を防衛することなのです。劉くんの無
罪釈放を要求するだけでなく、現有する法律に依拠して、私たちはさらに以下を
要求します。

1.展明工場は2009年5月末に東カン第二人民法院による劉漢黄の労災事件
に対する一審判決の実行(6月18日には同人民法院第二審でも一審判決を支持
=確定)、すなわち劉くんに対して16.9万元の義手装着費の賠償を行うこと
。あるいは安全健標準にのっとり、義手装着を行うこと。

2.政府部門は「労働法」「労働契約法」「労災保険条例」などの法律法規にの
っとり、展明工場の労働環境を徹底して調査し、必要な労働安全措置をとり、就
業前安全研修を実施し、労働安全衛生を保障すること。

3.国家による労災保険および職業安全検査の大規模な推進にもかかわらず、職
業病・労災問題は依然として実質的な改善が見られないことから、珠江デルタ地
区ないし全国の工場の労働環境に対する安全検査を実施するだけでなく、広範な
労働者の友人達による関連法規の実施状況の監督が必要であり、違法な状態に対
しては調査処罰を行うこと。そしてさらに進んで全国の各産業における労働安全
保障を推進すること。

劉くんはまもなく上告すると思うので、二審(最終審)の判決まであまり時間が
ありません。法的には、上告は一ヵ月半程度で結審し、高級人民法院の執行猶予
付き死刑判決の再調査(法定期限はない)を加えても、時間は非常に限られてい
るといえるでしょう。私たちと皆さんによる緊急動員、一致団結によって短期間
のうちに多くの署名を集めることができるでしょう。セキュリティおよび技術面
での配慮から、準備や集約などは香港の労働運動活動家が責任を負い、台湾のサ
ーバーで独立したインターネット署名サイトを立ち上げ、随時署名リストを更新
します。
署名サイト http://campaign.tw-npo.org/sign.php?id=200911601002900

この「要求書」は、全国の労働者の仲間たちや各界の友人たち、海外の友人たち
に対して開かれています。個人か団体か、本名かハンドルネームかなど、形式に
はこだわりません(名前、在住都市、職場、身分あるいは職業などを明記して、
全国各地の社会各層、とりわけ労働者階級の支持があることを示すことを提案し
ます。コメントをお書きいただくと、世論形成にさらに効果的です)。署名を集
め、以下のアドレスまで送ってください。Saveliu2009@gmail.com

劉漢黄くん、私たちは君とともにある!

労働者のみなさん、劉漢黄くんの解放は、私たち自身の労働の権利を守りぬくこ
とでもあるのです!

学友諸君、劉漢黄くんの解放は、私たちの将来の労働における権利保障をかちと
るということなのです!

劉漢黄くんの解放は、一人一人の労働者の生存権を擁護することなのです!

劉漢黄くんを無罪釈放し、労災労働者の権利の保障を実現しよう!

全国の労働者よ、劉漢黄くんに注目を、劉漢黄くんを支援しよう!

2009年11月8日
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ウェブ署名の方法です

(1)以下のアドレスにアクセスしてください。
http://campaign.tw-npo.org/sign.php?id=200911601002900

(2)個人の方は「加入個人連署」をクリックして、以下の箇所を入力して下さ
い。日本語でOKのようですよ。

姓名:(ひらがな、カタカナOKみたいです)
英文姓名:(英語表記)
所屬單位:(所属)※
所在地區:(「日本」はないので、「海外(其他)」を選択)
Email:
行動電話:(携帯電話)
其它聯絡電話:(その他の電話)
留言:(コメント:ここに「日本」とか「日本・東京」とか記入すると日本から
の署名ということが分かる)
驗證碼:(左側の四桁の数字を半角で入力)

※電話番号とかメアドとか、記入しなくてもいいですが、できれば「留言」(コ
メント)のところに、日本、とか、工場労働者、とか、記者、とか、フリーター
など、どういった人が署名しているのか分かるように記入してもらえると、嬉し
い、というのが署名呼びかけ主体の意向のようです。

(3)上記を入力したら「送出我的連署」をクリックして終了。「謝謝◎的連署
!」(署名ありがとうございます)が出てくるので、OKをクリックすると、自分
の名前の入った署名リストページに自動的に行きます。


(4)団体署名の方は、「加盟團體連署」をクリックして、以下を記入

團體名:(ひらがな、カタカナOKのようです)
團體英文名稱:
團體公用Email:(団体のEメールアドレス)
聯署負責人:(署名責任者:団体の代表などでいいとおもいます)
所在地區:(日本の団体の場合、「海外地區(其它) 」を選択
團體負責人電話:
其它聯絡電話:
留言:(コメント:ここに「日本」とか「日本・東京」とか記入すると日本から
の署名ということが分かる)
組織首頁:団体ウェブサイトアドレス
驗證碼:(左側の四桁の数字を半角で入力)

(5)上記を入力したら「送出我的連署」をクリックして終了。「謝謝◎的連署
!」(署名ありがとうございます)が出てくるので、OKをクリックすると、自分
の団体名前の入った署名リストページに自動的に行きます。


(以上です)

Created by staff01. Last modified on 2009-11-16 18:02:28 Copyright: Default

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