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映画「シリアの花嫁」〜境界線と闘う、姉妹の家族愛 | ||||||
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男と、そして境界線と闘う、姉妹の家族愛を描く 甘い恋愛映画ではない。「シリアの花嫁」――イスラエル占領下のゴラン高原・マジュダルシャムス村。イスラム少数派ドゥルーズの一家の、結婚式の一日を描く。 純白のドレスで、人生の最も幸福な瞬間を迎えようとする主人公モナ。新郎は親戚にあたるシリアの人気俳優。だが、一度軍事境界線を越えシリア国籍を取得すると、二度と家族のもとには戻れない。 新婦を祝福する村人たち。モナとの最後の別れのために、離れ離れだった兄弟たちも帰ってきた。 ■さまざまな壁を乗り越えて 長男ハテムは弁護士。ロシア人女性と結婚したため勘当された身だ。父ハメッドは親シリア派の幹部活動家。投獄の経歴があり、警察の保護観察下に置かれている。結婚式当日もデモに参加し、妹思いの姉アマルに激しく非難される。 横軸に家族、親族、姉妹兄弟のそれぞれの立場を並べ、個人、慣習、国家、境界線の縦軸を交差させる。結婚という普遍の舞台装置の上に、厳しい現実の壁をいくつも立てかけている。 花嫁を乗せ、国境へ向かう車列。尾行する警察車両。虎視眈々とハメッド逮捕の機会をうかがう公安刑事。迫真の演技が見どころだ。息づまる展開のなかで、太めのビデオカメラマンや、次兄マルワンのコミカルな振る舞いが笑いを誘う。花嫁モナは、いよいよクライマックスへと歩き出す。 ■姉の絶大な存在感 「長男を迎えたら許さない」と長老に恫喝され、政治活動と家庭の板ばさみになるハメッド。新生活への不安を捨てきれないモナ。ひたすら妹の幸せを願って、家父長的な男たちのプライドや保身と衝突するアマル。 「人間の理解に働きかけて作品を作ることを心がけています」とエラン・リクリス監督は言う。なるほど。物語の展開はどれも自分の生活に重なり、「あなたなら、どうする」と問われているようだ。 ハメッドに同情しつつ、モナの心情も理解する。力強く困難に挑むアマルの信念に、心をうたれる。そうだ。この作品は、不条理に敢然と立ち向かう、女たちの闘いの記録なのだ。 彼女たちの勇気が、やがて鉄の門扉をこじ開け、私たちに未来への希望をさし示すに違いない。(Y) 2月21日(土)岩波ホールでロードショー ※公式サイト Created by staff01. Last modified on 2009-02-06 00:35:23 Copyright: Default |