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LNJ Logo 写真速報 : 反貧困世直し大集会に700人、新政権に対策を迫る
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誕生したばかりの鳩山新政権に対し、「ちゃんとやるよね?」と、貧困対策を厳しく問いかける「反貧困世直し大集会」が10月17日、都内で開かれた。主催は「反貧困ネットワーク」。「国際反貧困デー」に合わせたこの日、会場の港区・芝公園4号地に約700人が集まった。

雨宮処凛さんらの司会で開会。

宇都宮健児弁護士(同ネット代表)があいさつ。「昨年の反貧困キャラバンは、全国各地に運動の種をまき、少しずつ芽が出始めている」。「湯浅誠さんが国家戦略室の政策参与に選ばれた。私たちが送り出した。年越し派遣村は、政権交代のきっかけを作ったが、炊き出しに並ぶ人の数は昨年の倍以上だ。政府は緊急の年末年始対策を取るべきだ」。

激しいセネガルドラムのリズムに乗って、「タンガナジェル」が舞台に登場。情熱的なダンスパフォーマンスを披露した。

貧困の当事者が次々と発言した。

仮名の女性は、生活保護を受給するシングルマザー。

「食費を浮かせるために親が食べない。すると子供も気を遣って食事を減らし、日に日に痩せていく。こうなるともはや個人の責任ではない。経済大国の日本では貧困が見えなくなっている」と切実な現実を告白。 支援してきた赤石千衣子さんとともに、一日も早い生保の母子加算、老齢加算の復活を求めた。

政府は「障害者自立支援法」の廃止を打ち出しているが、制度の「谷間」で救済されずに苦しむ人々も少なくない。肝臓に水が溜まる「多発性肝のう胞」で、入院・手術を繰り返してきた46歳の女性。血小板が増加する難病で、生理の大量出血に毎回数日間寝込み、家事や外出すらままならないという33歳の女性がそれぞれマイクを握り、「そぐわない適用基準で入口規制をしないでほしい。生きる救いの手を早急に差し伸べてください」と訴えた。

新旧の国会議員も発言した。

同ネットでは一貫して政府に「貧困率の測定」および「貧困削減目標の定立」を迫ってきた。民主党の山井和則衆議院議員(厚労政務官)は、「長妻厚労大臣は、貧困率測定の指示をしたと明言した。政権交代とは、まさにこういうことだと思った」と胸を張り、「湯浅さんにお手伝いいただくことになった。この問題に真正面から取り組んでいくために、NPOや現場の人たちは、ぜひ私たちに情報を伝えて欲しい。今年の年末年始には、派遣村が必要なくなるような対策を打っていく」と強調した。

保坂のぶと社民党前衆議院議員は、「政府のなかに雇用対策本部を設けることが、連立政権の協議事項」と指摘し、「なんとしても派遣法改正を実現させる」と力を込めた。日本共産党・笠井亮衆議院議員は、「派遣法抜本改正、有期雇用の規制強化、失業給付の臨時延長」を掲げ、超党派でルール作りをしていくと結んだ。

歌手の加藤登紀子さんも駆けつけた。加藤さんは「百万本のバラ」を熱唱。「豊かな国の世の中のシステムは、お金がかかるようにできている」と語り、「お金をかけない、シンプルな生きかたをする。自分の力で素晴らしいものを獲得していく。そんな生きかた、ライフスタイルを、みなさんもどうですか」と問いかけた。

広場には、物品販売ブースのほか、十分なテーブルとイスが用意され、無料で食事を提供するテントも設けられていた。湯浅誠さんや山井和則さんは、メディアの取材や市民からの相談への対応に追われていた。

参加者は、反貧困運動のシンボルマーク「ヒンキー」をかたどる人文字づくりに取りかかった。地面に書かれた白線に集まり、数回のリハーサルのあと、司会者の合図で一斉に、手にした黒紙を頭上にかざした。この様子は、隣接する高層ビルや上空を旋回するヘリから撮影された。

湯浅誠さん(同ネット事務局長)が、貧困問題を新政権の中心課題に据えるよう求める「集会宣言(案)」を朗読した。

半世紀に及ぶ無関心から抜け出して、私たちが日本と世界の貧困問題のスタートラインに立とうとしている。私たちの歩みが、社会の、国の、世界の「形」を決めていく。誰もが人間らしく暮らせる「形」をつくろう、と呼びかける宣言を、参加者は満場の拍手で確認した。(報道部・Y)

↓無料で食べ物が提供された

↓民主党・山井和則衆議院議員(厚労政務官)=右

↓加藤登紀子さんの歌で盛り上がる

↓各地からの報告

↓人文字をつくる

↓集会宣言を読み上げる湯浅誠さん


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