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"多様な性”にYES!
各地でシンポや街頭アピール

■5月17日は国際反ホモフォビアの日

毎年5月17日は「国際反ホモフォビアの日」。
世界の約50カ国で、Idaho(アイダホ。International Day Against Homophobiaの頭文字)のアクションが実施されている。
「ホモフォビア」とは、同性愛に対する差別的・嫌悪的な考え方のこと。
5月17日は、WHOの「精神疾患のリスト」から、「同性愛」の文字が消えた日である(1990年5月17日)。

日本では2007年に「やっぱ愛ダホ!Idaho-net」というネットワークが立ち上がり、毎年5月17日にあわせて街頭で「多様な性にYes!」のアピールを行ってきた。
関連イベントとして、シンポジウムや講演会、メッセージ展も企画されている。

今年は全国10数箇所で関連アクションが行われた。
そのうちの2つのアクション(東京都中野区/新宿区)について、以下に報告する。

■シンポジウム「社会の中で、つながるということ

東京都中野区では、「社会の中で、つながるということ 〜IDAHO2009トークin中野〜」 というテーマのシンポジウムが開催された。
パネリストは大江千束さん、砂川秀樹さん、佐藤浩子さん。

大江千束さんは、中野にあるレズビアンとバイセクシュアル女性のためのセンター「LOUD」を運営している。「LOUD」を含めセクシュアリマイノリティのためのサークルやスペースは“コミュニティ”と称されるが、大江さんはコミュニティを運営する中で、コミュニティ内部の問題点を考えてきた。
「正しいレズビアン像」なるものを模索しすぎると、その枠から排除される人々がいる。例えば「既婚者レズビアン」や、「MTFレズビアン(身体的には男性として生まれてきたが、性自認は女性でレズビアン)」などは、コミュニティに出入りしづらくなる。
コミュニティが内に内に向かうと、閉鎖的になってしまう。コミュニティ自身が間口を広げて多様性を実現しなければ、セクシュアルマジョリティとの連帯も、矛盾と捉えられてしまうだろう、と指摘した。
また、最近「LOUD」が事務所を移転したのだが、その際に不動産屋が一生懸命「この方たちはこういう団体で…」と大家に説明する姿を見て、感動したという。コミュニティが地域に支えられているという実感を持った、と語った。

砂川秀樹さんは、東京プライドパレード(旧称・東京レズビアン&ゲイパレード)を主催する団体「東京プライド」の代表。今年はパレードは行なわないが、5月23日に代々木公園野外ステージでフェスティバルを行なう。↓
http://www.tokyo-pride.org/festival/
最近特に感じているのは、セクシュアルマイノリティの問題はセクシュアルマイノリティの問題だけにとどまらないということ。例えば、「不登校」や「貧困」の問題にもつながっている。学校に居づらさを感じるセクシュアルマイノリティの子が不登校になるケースがあるが、「不登校」をテーマとするイベントの中でセクシュアルマイノリティの子どもについて語られることはほとんどないという。今回、フェスティバルのブースに「シューレ大学」というフリースクールが出店するので、今後は相互交流が深めていきたい、とのこと。
また、貧困の問題もつながっている。路上生活者の支援の団体と交流する中で聞いた話によると、ネットカフェや路上で生活したり、お金に困って売春をしているゲイに出会うことが多いという。

異性愛社会の中に入っていけない人は、不安定な就業を選びやすい傾向にある。正社員として働くと結婚のことを聞かれたり、家族と折り合わずに家に居づらくなって飛び出したり・・・と、マイノリティがますますマイノリティ性を帯びやすい構造になっている。なお、フェスティバルには「ビッグイシュー」もブース参加する予定だ。
砂川さんは「セクシュアルマイノリティの運動は、他の人権・社会問題と関わっている人たちとつながることが可能だ」と語った。

佐藤浩子さんは無所属の中野区議会議員。学生時代には「青い芝の会」の活動に参加し、障害者が施設ではなく地域に出て行く運動を進めてきた。議員2期目のときには同性愛者も選挙を支援してくれ、政治的にマイノリティの立場に置かれている人たちと出会えた。
中野の女性会館が冊子を作り、同性愛者のことが初めて記載された。冊子は女性会館など市の施設に置かれたが、佐藤さんは「多様な生き方があるんだということを若い人たちに知らせ、自分に自信を持ってほしい」という思いから、この冊子を学校でも配布してもらえるように教育委員会に働きかけた。しかし教育委員会には拒否されたという。
また、世田谷区議の上川あやさん(性同一性障害)が性別の記載欄を無くす取り組みをしているのを知り、中野でも取り組みを始めた。「男・女」という性別記載欄にとまどい傷つくセクシュアリマイノリティがいる。どうしても必要な書類と必要ではない書類があるはずだから、それを見極めて、点検しなおしたところ、ほとんどの書類から不要な性別記載欄を削除することができた、とのこと。

会場からも質問や意見が活発に提起された。
「他者からだけでなく、自分自身も固定化しがちなセクシュアリティに対するイメージへの葛藤についてどう思うか」
「マイノリティ同士がつながることは大事だと思った」

「パレスチナではレズビアンが殺されていると聞いたが、私たちに何ができるか」
「“共同体”や“家”を作りたい」
「いま女性ユニオンなどさまざまな形態の労働組合があるが、セクシュアルマイノリティの労働環境や労働組合の現状は」
「セクシュアルマイノリティの議員を選出したい」
等々。

“共同体”や“家”に関しては、大江さんは「派遣切りに遭って寮を追い出されたレズビアンがLOUDに来た。こういう人たちやDV被害者などが、緊急避難的に泊まれる場所があるといいと思った」と語った。
砂川さんは「緊急シェルターは必要だと思う。永住的な“住まい”ということで言うと、あえてセクシュアルマイノリティ当事者に限定にする必要はなく、お互い理解し合える人たちが住めればいいと思う」と語った。

議員の選出に関しては、コーディネーターの石坂わたるさんが発言。
いま映画でも話題となっているサンフランシスコの政治家「ハーヴェイ・ミルク」の例を挙げ、セクシュアルマイノリティ当事者が、社会の他の問題にもつながっていくことが大事だ、と語った。

■”多様な性”にYES! 街頭アクション

中野でのシンポジウム終了後は、新宿駅前に移動して街頭アクション。
全国から寄せられたメッセージをマイクで読み上げた↓
http://idahofukuoka.web.fc2.com/message/message.html

フライヤーを配りながら新宿駅前の人たちに「多様な性」の存在をアピール。

通行人と話し込む姿もちらほら。
街頭アクションは、“交流”のきっかけとなっている。

シンポジウムの内容を“屋内”だけにとどめておくのは勿体無い。
外に出てアピールし、交わることによって、開けてくるものがある。

壱花花
http://18787.main.jp/


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