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LNJ Logo 現地速報 : フランスでゼネスト、200万人がデモ
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ゼネスト・デモの報告です。(報告=飛幡祐規 写真=Christian Voinet パリ発)

 去る1月29日(木)、フランスでは8主要労働組合がよびかけた全国統一スト・デモが行われた。寒さにもかかわらず、全国195か所で繰り広げられたデモ行進には約200万人(CGT組合発表250万人、警察発表108万人)が参加し、2006年のCPE(若者解雇法)反対のデモに匹敵する規模となった。

 CPE闘争の際は高校生・学生など若者が主だったが、今回の特徴は労働者、それも民間企業の従業員が大勢参加したこと。フランスでは20年来、国鉄職員や教師など主に公共部門の組合員がスト・デモの動員力だったが、経済危機の影響に対する不安と政府の対策への不満が、民間企業の人々を路上に繰り出させ、その規模は1968年以来と見られている。しばらく社会運動に不在だった社会党から、まもなく新しい「反資本主義党」を結成する寸前の極左勢力にいたる全左翼政党、そして左派市民、年金生活者も大勢参加した。また、地方では住民の3人に1人がデモに参加した小さな町まであった。

 雇用と労働条件の悪化に対する批判に加え、2007年以来、サルコジ政権が進める教育、医療、司法などさまざまな部門における「改革」に対する関係者と一般市民の反発と不満も、この統一スト・デモに結集された。ネオリベ改革による公共サービス破壊への反対や、治安強化にともなう人権・市民権の後退に対する抗議である。デモ参加者の多くはCPE闘争の際に創作された新語「総夢」というスローガンを身につけて、現政権の政策にノンをつきつけた(「サルコジ辞任せよ!」の声も)。

 サルコジ大統領は「市民の不安は妥当、2月に組合と会って今後の改革を決める」とコメント。8労働組合は2月2日に今後の運動の展開を話し合う予定。「フランスではもはやストが起きても誰も気づかない」と豪語し、市民のストやデモの権利を攻撃するサルコジと政府に対して、市民は路上から最初の大きな反撃を加えたといえる。


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