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グリーンピース・ジャパン2名の不当な勾留に強く抗議します

2008年6月28日

サミット人権監視弁護士ネットワーク(WATCH)

2008年4月16日に、グリーンピース・ジャパンの活動家2名が、調査捕鯨船が捕獲した鯨肉入りダンボール箱を青森市内の運送会社から持ち出し、その鯨肉を東京地方検察庁に提出した件で、青森県警と警視庁公安部は、6月20日、この2名を窃盗及び建造物侵入容疑で逮捕し、グリーンピースの事務所を家宅捜索しました。

今回のグリーンピース・ジャパンの2名の行為は、彼らの説明によると、単なる窃盗及び建造物侵入などではなく、税金でおこなわれている調査捕鯨の肉を船員が持ち帰るという「業務上横領」を告発するためになされたものです。しかも、この2名は、すでに詳細な事実関係を列挙した上申書を作成して東京地検に提出し、いつでも出頭に応じると公けに表明していました。しかも、彼らの行為は、あくまでも「違法行為の告発」のために行われたとのことです。そうであるとすれば、2名には、勾留の要件である「罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由」も「逃亡すると疑うに足りる相当な理由」〈刑事訴訟法第60条1項2号、3号〉がないと考えられるにもかかわらず、青森県警と警視庁公安部は彼らを逮捕し、現在も勾留しています。今回の事件における2名の行為は、あくまで「違法行為の告発」を前提としてなされたものであり、捜査に協力しているにもかかわらず、逮捕・勾留するのは正義に反し、違法、不当なものにほかなりません。

こうした「逮捕劇」が、7月初頭に開催されるG8サミットの直前におこなわれたことには、各所から懸念の声があがっています。マスコミでは「気になるのは、逮捕に関して7月に開かれる主要国首脳会議〈洞爺湖サミット〉と絡める見方があることだ。目的のためには違法行為も辞さない、過激な市民団体への警告的な意味合いではないかというのだ。事実だとすれば強い懸念を禁じ得ない…法律の運用はあくまで厳正になされるべきだ。政治的な意図が込められてはならない」〈新潟日報6月20日夕刊〉。またG8にかかわる取り組みをすすめる活動家からも「サミット前に市民運動全体への萎縮効果を狙っている」という声があがっています〈信濃毎日新聞6月20日夕刊〉。

青森県警及び警視庁公安部が、このG8サミットの直前というタイミングで、あえて、予想される国際的な非難をも省みず過度な取り締まりを強行したことの背景には、G8サミットにかかわるさまざまな運動の取り組みに「萎縮効果」を与えようという強い意図がうかがえます。本事件が「公安警察」によって指揮されていることも、こうした意図を裏付けています。このように今回の事件は、ゆきすぎた逮捕・勾留・捜索による人権侵害であることにとどまらず、日本社会の、ひいてはG8サミットに関心をよせる国際社会の取り組みを萎縮せしめる「表現の自由」への挑戦とも言えます。このような市民団体がおこなった告発行為を、G8サミットの警備と絡めて取り締まることは、国際的にも全く通用しない対応であり、人道的観点からの全世界的非難は免れ得ません。

G8サミット人権監視弁護士ネットワークは、今回の事態が今後のG8における自由な表現活動、抗議行動、告発行為への妨げになることを強く懸念します。また目前に迫ったG8サミットでは日本国憲法で保障された自由な行動、自由な空間が保障されるよう強く要請します。

以上

Created by staff01. Last modified on 2008-06-28 22:07:01 Copyright: Default

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