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11月8日〜14日、改憲阻止の会のたたかいを描いた「We 命尽きるまで」が大阪・十三・第七藝術劇場で公開される。監督の藤山顕一郎さんが文章を寄せた。

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大阪公開にあたって  藤山顕一郎(監督)

この映画の時代背景でもある、1963年から溯る事約6年間、 僕は木川東の町2の21、旧海軍官舎に住んでいました。その前に住んでいた、神戸に在る六甲学院に通うのに利用したのは、もちろん阪急十三駅。妹たちは十三中学です。

その頃、新淀川に並行する形で川幅約5メートルほどの、どぶ川が今の区役所前の道路に沿って流れていました。流れているといっても、どす黒く澱み、悪臭を放つ、高度成長に向けて、ひたすら過酷な労働に明け暮れた人々の、血と汗と油にまみれた廃棄物の象徴だったのです。そのどぶ川が似合うといっても過言ではない十三の街。暴力団抗争が頻繁にあり、鶴橋、新世界と並んで、危ない街という印象が漂う所だったのです。しかしなぜか泥臭い、うら悲しい時代精神としての記憶は、僕の中で奇妙な位置を占めています。

その後、大学生となって東京で学生運動に没頭している時も、両親や妹たちが暮らす、あの十三の街を忘れたことはありません。さらに東映京都撮影所に製作進行、助監督として働くようになった1970年以降、大阪は南や北の盛り場で飲んだ後、深夜実家に泊まる事も度々で、京都で嫌な事があると脱出を繰り返したのでした。今も同じ場所に妹家族が住んでいる、そんな十三に帰ってきました。昨年の秋、第七藝術劇場からオファーが在った時、何か運命的なものを感じたと言えば、少し大げさでしょうか。

十三の街が、今の明るい街に変化していったように、そこに住む人、そこにアイデンティティーを抱く人、それぞれに変化の歴史があり、時代もまた、とりわけ日本という国家は大きく変貌を遂げました。しかし経済の発展もピークを越え、世界の情勢はイラク戦争をはじめ、戦争、恐慌の危機すらも現実味を帯びる中で、この国もまたきな臭い動きを始めています。

自衛隊の海外派兵を許したばかりでなく、憲法を変えてまでこれを正当化しようとする勢力の台頭。戦争の出来る国家への変貌のための、さまざまな陰謀。これらの情勢をいち早く察知して、行動を起こした人々がいました。世界を揺るがした1960年代学生運動、日本に在っては、全学連、全共闘、そのOBたちが立ち上がったのです。

2006年6月15日、OB達は、「憲法9条改憲阻止」「子供や孫たちを戦争に行かせるな」と闘いの烽火を挙げました。「We 命尽きるまで」はその行動に加わった老人たちの記録です。

2007年日比谷野外音楽堂には、元全学連、全自連、全共闘、 反戦青年委員会のメンバー、1200名の老人達が結集しました。 そして全国の声なき声に届けとばかり、反戦を高らかに謳い、シュプレヒコールの声を轟かせたのでした。

そして今、このドキュメンタリー映画が、全国へと拡がり始めています。ここ大阪、とりわけ十三、第七藝術劇場を拠点として、 全関西の心ある人々に観ていただきたい、そして共闘の芽を育てていきたい。そんな思いを胸に、我が心のふるさと、十三の地に乗り込みます。

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「We 命尽きるまで」大阪・劇場公開

全学連・全共闘世代の方たちが、今、「憲法9条改憲反対」の一念の下に、過去や党派を乗り越えて一個人として再び結集し、声を上げ、動き始めた姿を、同世代で東映とハリウッドで活躍されてきた藤山 顕一郎監督が、活動の当事者として一年にわたり、元闘士たちに肉迫し、彼らの昔と生き様、今を描いた貴重な記録です。

<日時> 2008年11月8日(土)〜11月14日(金)
連日 11:00〜12:45(上映時間101分)

当日:一般 \1,500 大学生 \1,300 中・高校生・シニア\1,000 前売券 \1,000(劇場、配給にて発売中)

<場所> 第七藝術劇場

阪急:梅田駅より電車で5分/十三駅 下車西口より3分
(大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ6F)
お問い合わせ TEL 03−6302−2073

公式サイト  http://we-inochi.com
劇場サイト  http://www.nanagei.com/


Created by staff01. Last modified on 2008-11-08 11:45:38 Copyright: Default

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