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A.H/出版労働者です。

今回のフェスタは十分な宣伝もできないままで当日を迎えましたが、盛況でよかったです。

「地の塩」も50年も前の作品とは思えない程、今の運動と通じるものがあり、思っていた以上によかったです。また、寿のライブもナヴィさんの力強い歌声やヨシミツさんのギターもすばらしかったと思いました。音楽構成劇もおもしろかったし、胸に響くものがありました。3分ビデオもみなさんがおっしゃる通り、年々レベルもあがってきており、おもしろかったと思います。

さて、私がどうしても気になり、書かずにはいられないことがあります。ディスカッションの最後に木下武男さんが話された事についてです。

木下さんが話される前に東海林さんが「自分は正社員ではあるが、非正規の労働者の立場も思いやっていきたい」という内容の話をされました。その後、木下さんは「自分は大学の講師で1コマ25000円でしかないが、教授などになると年収1千万円をこす。私はそういう人たちと1つのパイを奪い合って生きていかなければならず、それも現実である」という内容の発言をされました。

正社員労働者と非正規労働者は1つのパイを奪い合う立場であり、そこからどうやって問題をのりこえていくかが問題であるという意見だったかと思います。

私は出版社の下請の編集プロダクションで働いていた時に組合潰しのための偽装倒産と組合員全員解雇にあい、5年半争議をやり、版元労働者や地域の仲間の支援により、経営者から謝罪と解雇撤回と解決金をとり、全面解決を勝ち取った経験があります。私たちは下請労働者でしたが、本工の版元労働者の支援がなければ勝てなかったと思います。

私の労働運動の経験は10数年しかありませんが、この争議の中で多くのことを学びました。まさに、ディスカッションの中で話されていたように「仁義を通す」ということと、そして、何よりも重要なことは「敵を見誤ってはいけない」ということでした。

木下武男さんのおっしゃった話は組合の中ではよく論議されることです。私が争議を終え、出版ネッツに入った時も同じことを主張する人がいて、議論となりました。しかし、やはり、労働者の敵は、本工労働者や正社員労働者、公務員労働者ではありません。真の敵は資本家であり、政府権力にあります。

「地の塩」がなぜ、今も私たちに共感を感じさせるのか、それはやはりいつの時代も資本主義の世の中では労働者は同じ敵と闘っているからだと思います。パイの大きさを決めているのは、資本家です。それが小さくて足りなければ、私たち労働者は資本家が私たちの労働から搾取しているものからよこせというべきです。

少ないもので我慢しなければいけないというのは、はなから“あいつら”のワナにはまっているといえます。足を踏んでいるのは隣にいる同じ労働者である正社員ではありません。労働者同士が奪い合うことこそ、彼等の仕組んだワナであることに気付かなければ、私たち労働者の未来はないと、私は考えます。敵が誰であるかは、ノレの会のみなさんが歌ったコッタジの「反撃」という歌にも歌われていますし、ジョリ・モームも歌っています。

今回のディスカッションは労働運動の原点に関わる問題に言及されてきたと思いました。この「パイの話」は組合の中では古くて新しい話だと聞きます。私は今のフリーランスの組合でこの議論になった時、孤立し、組合を続けるかどうかも迷った時がありました。しかし、コッタジの歌に励まされ、レイバーネットの仲間に出会い、組合もやめずに活動しています。

時間をかけてていねいに議論をしていく必要がある問題だと思いますので、このディスカッションの内容の継続した討論をお願いしたいと思います。議論をする中で分かりあえることができるのが労働者であり、団結の第一歩であると思います。

Created by staff01. Last modified on 2007-12-18 23:27:03 Copyright: Default

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