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根津公子の停職出勤日記13〜おれも強制されるのはいやだ
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*根津公子さんは、卒業式に「君が代不起立」したため現在6ヶ月の停職処分を受けている。

●6月25日(月)

立川二中へ。

梅雨空。今日は定期テスト、子どもたちの声さえ聞こえてこない。

午前中は、土曜参観の代休というのでSさんが訪ねてくれた。

昼過ぎ、本を読んでいると、「先生、またかね」と声がする。私もすぐにわかった。「まあ、おじさん、お久しぶりです。お元気のようですね」。昨年も一昨年も通院のためにここを通られ、いつも長い時間私のところで道草を食っていかれた80歳に近いOさんだった。今年は初めての出会い。今日も長い時間あれこれ会話をし、「先生、(話をして)少しは元気になったかね? 応援しているから、がんばるんだよ」と言って、病院に向かわれた。Oさん流の癒しをあり難く受けた。

そうこうしているとすぐに下校時刻になった。「雨降っているのに大変ですね。がんばってください」と3年生の一団が下校する。1年生の集団に「テストお疲れ様でした。がんばれましたか」と声をかけると、「はい、できました」という声が返ってきたり、にっこりしたり・・・。

下校する生徒たちを見送ったところで、私も「退勤」し、会議のために都心に向かった。

●6月27日(水)

A大學の授業に招かれた。

●6月28日(木)

鶴川二中へ。

学校の少し手前で毎朝お会いする女性といつものように挨拶を交わした。いつもそれだけのことだったが、今朝はその女性が、「何かの調査ですか」と訊かれた。私が座っているところもプラカードも見てはいらっしゃらないので、1年間不思議に感じていられたようだ。わけを話すと、「抗議していらっしゃるんですね。立派ですね。がんばってください」と言ってくださった。

今朝は登校するTさん親子とも会うことができた。Tさんはここで知り合ったかわいいお友だちである。4月にTさんがプレゼントしてくれた桜とたんぽぽがきれいにドライフラワーになっていることを手紙かメールで知らせようと思っていた矢先の対面。そのことを告げると彼女もにっこり。素敵な1日の始まりとなった。

校門の前に立ち挨拶の声をかけていると今朝もかなり遠くから、「おー」と声をあげながら登校してくる数人の一団。立ち止まって、「強制は反対だよね。おれも強制されるのはいやだ」「おれたち、ねずみの仲間。がんばれ!」と言って行く。3ヶ月前との違い。何をきっかけに彼らは、このように思い始めたのであろうか…と思いつつ、とにかく、彼らに考えるきっかけを提供できたのだと思った。

9時少し前、牛乳運搬車が止まった。いつものように挨拶を交わす。とっても感じのよい、健康的な初老の男性で、荷降ろしの前後に毎日挨拶を交わしていた。いつもはそれだけだったが、今日は互いのことを少しおしゃべりした。

おじさんは朝3時半には仕事を開始、夜7時まで15時間こうして配送、荷降ろしをされているのだという。働けるうちは働くんだと、とっても前向きの方。やっぱり印象どおりの、人間性豊かな方だった。

Bさんから私のことを聞かれたTさん、Mさんが訪ねてくださった。3人は、学区に住まわれる若いお母さんだ。「Bさんから聞くまでは、『日の丸・君が代』のこと、考えたこともなかった」とおっしゃる。そういう方が、考えたこともなかった分野の扉を開けてくださるのはとってもうれしい。

10時からは鶴川の、若い人たち主催の集まりに。そして午後は聴講に。

●6月29日(金)

都庁第二庁舎前でチラシ撒きとマイクでの情宣をした。今日は映画「君が代不起立」をご覧になって、また、集まりで私の話しを聴かれて、応援しようと参加してくださった方がお二人。TiさんとYさん。

大阪からは、チラシまきのために夜行バスで上京してくださった方がいらした。初対面のFさん。事故による渋滞に2度も巻き込まれ、チラシまきには間に合わず、とっても残念。交通費だけがかさんでしまわれたが、お気持ちがうれしく、励まされた。

停職3ヶ月が過ぎようとしている。河原井さんは、今日も「全国行脚」をしているが、来週から学校に復帰だ。9ヵ月後、都教委に私を解雇させはしない。


Created by staff01. Last modified on 2007-06-30 21:45:07 Copyright: Default

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