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シンディ・シーハン『引退表明』について〜一部訂正
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◇先日投稿をさせていただきました(有)マブィ・シネコープの木村です。

各方面から、『読売の低劣な報道等反論が必要』『等身大に見ように同感』『日本の反戦運動の側の反応が少し鈍いのでは、』『アメリカ議会をめぐる攻防がよくわかった』等のご意見、コメントをいただきました。どうもありがとうございます。さらに今後の情報を見分けながら、今イラク反戦運動がどういう時点に来ていて、何が求めれているのかを考えて行きたいと思っています。

ただ第一報が駆け巡った直後で、和文全訳がまだ出ていない時点で、私の限りある語学力で書いたものだけに、間違いが何箇所かあり、指摘をいただいていますので以下、訂正させていただきます。

◇(1)まず彼女のメッセージ全文は、ブログで公開されたものではなく、議会宛公開書簡であることを訂正したいとおもいます。それはDear Democratic Congress、(民主党多数の議会にあてて、という意味になろうといます)というあて先、そして発信を Cindy Sheehan Founder and President of Gold Star Family for Peace (シンディ・シーハン 平和を求める金星家族の会の設立者・代表)の肩書きで書かれていることからわかります。

(2)そのタイトル Why I am Leaving the Demcratic Partyは『何故私は民主党を離党するか』という訳になります。私は『何故民主党に距離をおくか』と訳していますが、これは彼女の党籍について確信がもてず、英文上で確認する余裕もなかったので、あいまいな訳をしてしまったものです。前記の通りに訂正させていただきます。

◇なお、彼女のメツセージの全文は、6月2日付けで、どすのメッキー氏が下記のブログで仮訳を紹介されて、なお慎重に吟味されておせれますので、より詳しくお読みいただけると思います。ご本人の了解を得て紹介させていただきます。今後とも彼女の進退をめぐる評価について、ひいてはアメリカ反戦運動の現状と課題について、発信の努力をする所存です。皆さんの忌憚のないご意見、ご指摘を引き続きお願いいたします。                                  (6月2日 木村 記)

http://hope.way-nifty.com/a_little_hope/2007/06/post_5da9.html

(有)マブイ・シネコープ (MA)mabui1101@nifty.com

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<参考>以下は5/31付の投稿文です。

【はじめに】

  昨日から『イラク反戦の母シーハンさん、活動停止』(CNN)等のタイトルで、このニュースがインターネット、新聞、各メーリングリストを駆け巡っています。彼女の活躍ぶりは、アメリカ市民の生の声を実に的確・勇敢に体現していただけに、このニュースが与えている衝撃は小さくないと思います。今朝から私のもとにも『どのように考えたらいいのでしょう』『どのように考えられておられますか』というメールが数本寄せられました。もちろん私は、彼女の反戦行動全体を代弁する立場にあるもの者でもなく、またそれだけの素養を持ち合わせる者でもありません。

とはいえこの間彼女に四回お会いし、短時間ながらインタビューをさせていただき、お話も直接に聞かせていただきました。また彼女の肉声を届けることが『日本の平和運動に新鮮な息吹を喚起する』と考えて、三作の短編ドキュメントを発表してきました。そのような経過とスタンスに立つ人間として、『どう私は受け取っているか』を率直にお伝えする努力を回避してはならないと考え、以下その一端をお伝えするものです。(もちろんこの経過を適切にお伝えし、お互いに考え合うには、彼女の周りに静かな時間が回復する、そういう時を待たねばならないことは十分ご理解いただけるものと思っています)

【まずは彼女を等身大に見ることから】

  彼女の05年の8月からの精力的な活動・発言は文字通り『目を見張るほど』の程のものだったことは 衆目の一致するところです。それだけに彼女を大きなステージで見ている時、見る側の期待感は自ずと膨らみ、いつしかいわば『スパーウーマン』の様に彼女のイメージを膨らませて来ていたことは、否定できない実際ではなかったでしょうか。そこからすればこの『引退』という突然の情報を受けた時のギャツプは大きく、勢い『わりきれない無力感のような感情』が一旦湧いて来たとしても不思議ではありません。私自身もその感情から無縁ではありませんでした。しかし、やはり『ジンディさんを等身大のシンデイさん』として見て考え直してみる、それだけの『辛抱と冷静さ』を彼女の頑張りに少し『依存し』すぎて来た、われわれ周囲の側が今度は心がける番ではないかとしばらくして思いました。

  私が接したシンディさんは、『実にストレートで正直な女性』というのが何よりの印象でした。05年の8月3日にブッシュの演説を聴き、矢も立てもいられず3日後にはキャンプークロフォードに向かった、あの彼女のストレートさを今一度思い出します。 そう考えると、今回の彼女の決断がまだ全てがわかったとはとても言えないにせよ、一つの推察が浮かんで来ます。彼女がブログて発表したタイトルは(まだ全文を読みこなしていませんが)”Why I am Leaving the Democrrtic Party”(何故私が民主党に距離をおくか)となっています。またこの5月28日(戦没者追行記念日)が、先日の『撤退期限抜きの追加予算案』を議会が可決したことに対して、全米的に『抗議と憤激』を現す日として呼びかけられていたことからして、彼女の引退表明の直接の動機が、国民の負託に応えない議会、そしてとりわけ反戦を表明してはずの民主党への深い失望をキッカケとしていること自体は事実といって間違いないでしょう。 

 しかし、私たちに求められていることは、そこに大きな一端があるにせよ、そのこと自体を私たちが自分の視点でどう考えるかではないでしょうか。以下は、昨晩から私の脳裏を去来したことを取り急ぎ少し整理したものです。

【拒否権と妥協の狭間で】

  最初に私が思ったことは、上述したことが事実としても『反戦運動のヒロインとしてのシンディさん。それを失望に追い込んだ民主党の妥協』と枠組で(もう大体このような枠組みになっていますが、)今回の事態をとらえることは、問題を短期的タームで見すぎているばかりか、誤った方向に足をとられて行くものだということです。何より、こういう図式で事態を描くこと、また労せずしてこのようなとらえ方が広がることに一番の利益を感ずるのは言うまでもなく、当のブッシュ政権の側であることを忘れてはなりません。

またシンディさん自身『この一年にわたって熟考した』と述べておられるのですから、アメリカの政局が『撤退』という最も難しい課題をめぐって激しい攻防を繰り広げてきた、錯綜した過程全体を視野において見ていくことが絶対に必要でしょう。私は大胆な言い方をさせていただくと『ブツシュ政権の危機』という最も生々しい権力闘争を基本において、彼女の行動をその中で見ていくことが必要だと思っています。

次にこの理由をこの間の議会情勢に触れながら述べましょう。日本のマイコミは、米議会がこの間どれだけ激烈な攻防を繰り広げているのかを知りながら、狡猾なベールをかけ続け息を潜めてきました。しかし米議会は紛れもなく、ここ数十年になかったといっていい激しい攻防の過程にありました。一端を紹介しましょう。3月末の時点で米議会には実に30本のイラク関連の法案・決議案が提出され、各種公聴会の開催数はブッシュ政権第1期の四年間に開かれた公聴会の総数を超えるに至っていました。4月25日、上下院とも07年追加予算案に『08年3月末日を撤退期限』という条件をつけた決議を採択。5月1日ブツシュは拒否権を発動。しかしさらに議会審議はここで妥協せず、戦備支出を当面ニケ月に区切る新しい決議案を5月10日に可決。ブッシュはこれにも拒否権で望むことを明言しました。大統領の拒否権発動に対して決め手を欠く議会が(これを覆すには弾劾裁判同様の3分の2の賛成票が必要)結局自ら妥協の出口を作らなければならないのは(結局撤退期限を削除 5月24日)悔しい限りです。しかし、ここに現下のアメリカの全ての政治的力関係の集約点が出ていると言っていいでしょう。

私は、むしろ一度目の拒否権で軟化することなく、再度二度目の決議に進んだところに現在のアメリカ反戦運動の成長と奮闘ぶりを強く感じますが、この前後で運動サイドと民主党議員団と激しい応酬があったことは容易に想像されます。またこの過程で、あくまで一人の母親の視点で考える彼女が『一切妥協の余地はない』と強く強く主張しただろことも想像に難くありません。彼女のストレートな正直さからすれば、ブッシュ政権を最終的に追い込んで行くという最も複雑な過程のジグザグは余りに『緩慢で我慢しがたい』ものだったのではないでしょうか。

【『ブツシュ政権の危機』という基本視点で注目していきたい】

  しかし私たちは、『妥協に対する失望・憤懣』を再度冷静に見直して、威信を一段と失い、追い込まれているのはは実はブツシュの側だというとらえ方に進む必要があります。何故ならブツシュは、(1)07年度の追加予算を通すのに大方5ケ月を要したのです。(まだ08年度予算審議には入れていないのだ!)(2)しかも事実上二度の拒否権行使でかろうじて戦備支出を取りつないでいる事態は失態でなくてなんでしょうか。(3)さらに戦争遂行中の大統領が、『戦備支出差し止め』で議会にその手を縛られるいうような局面は、ベトナム戦争時はもちろんアメリカの戦争の歴史上今だかってなかった事態といっても過言い゛はありません。(この点は歴史を調る余裕はまだないのですが、おそらくそうでしょう) 私はこの様な政冶状況こそが最大の圧力になっていることを冷静に見据え、その観点から今後の情報の出方を見て行きたいと思っています。

  そして『ブツシュ政権の危機』にはさらに次の動向を付加えておかねばなりません。まず?およそ三万の増派にもかかわらず『バグダッドの秩序回復作戦』がうまくいっていない事実です。米軍兵士の死者は4月・104人、5月・116人を越し、04年11月以来最悪の状態に陥っています。もはやブッシュの責任は免れようがありません。もう一つは?危機に立ったブツシュ政権が実はひそかにイラク政策の転換を開始していることです。それは米・シリア外相会談(5月4日)、米・イラン大使級会談(5月18日)の開始という事実をあげるだけで十分でしょう。ブツシュは『9月には増派の成果を発表』(5月21日 ロイターとの会談)と公言し、『08年には4万人を削減』(5月26日ニユーヨークタイムズ誌)というリークさえ出し始めていたのです。

つまりブッシュが今腐心していることは、どんな手段をこうじてでも、今数ケ月議会の反ブッシュ決議を阻止し、この秋の一定の時期に部分撤退を打ち出し、そして大統領選にむけて世論の転換点をつくることなのです。このストーリーの上でシンディさんと彼女が代弁する世論ほど邪魔なものはないといっていいでしょう。私にはシンデイさんならきっとこう言うのではないかという声が聞こえてきます。そうです。『ジヨージ!冗談じゃないわよ。今それができるというなら何故これまでそれができなかったのよ!それによって何人とアメリカに若者とイラクの無実の市民を殺したというの!』と。彼女の妥協のない活動が世論転換にとってどれだけ目障りな存在か。この点は十分に考慮しておく必要があると思います。

【レスリー・ケーガンさんのコメント】

  最後にUFPJのナショナル・コーディネター・レイリー・ケーガンさんの談話を紹介しておきます。5月31日づけでUFPJの声明が送られて来ました。そのタイトルは『シンディよありがとう』となっています。彼女は『私たちは彼女のメッセージにふれて非常に驚いたが、同時にこの間彼女がどれだけの精力を注いで来ていたかを十二分に知っている。従って私たちは彼女がしばらく自分を休める時間を求めたしても驚くものではない』と切り出しています。そのシンディさんを包むような言葉が目を引きます。

また彼女は昨年の12月ニューヨークでインタビューした時こう語ってくれました。『私たちはもちろん全力を尽くします。しかしこの政府に最終的に戦争の終結を決断させるには世界の力を結合することが必要なのです』と。この言葉が思い出されてなりません。 シンディさんを深い葛藤に追い込んでいたところに世界のイラク反戦運動が本当にこの戦争を終わらせるために挑戦していかなければならない課題が残っていること。そこに深く思いを致すことが今必要なのではないでしょうか。

【どうかご意見・ご指摘を】

  取り急ぎ私の思うところをしたためさせていただきました。もちろん、まだ十分に各方面の情報を入手し、英文のものを読みこなす時間もまだない時点のものです。いろいろ至らない点や疑問に感じられること、事実関係として適切でないよ、という部分もあろうと思います。どうか忌憚なく、ご意見・ご質問等をお寄せください。むしろそれを期待しているものであることをお伝えして、第一信とさせていただきます。                            (5月31日 14時記)   


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