悲惨な食品公害はまだ終わっていない〜きょうTV放送 | |
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坂井貴司です。
1970年代の日本は、高度経済成長のツケである公害問題が噴出した時代で した。水俣病・新潟水俣病・四日市ぜんそく・イタイイタイ病をなどの4大公害 をはじめ、光化学スモッグ、騒音、悪臭、振動、水質汚濁、土壌汚染、景観破壊、 薬害などが大きな問題として取り上げられました。 その公害の中に、有害物質が入った食品が引き起こしたものがあります。発ガ ン物質のチクロ、森永ヒ素ミルク事件などです。その中で最大の規模かつ悲惨な ものがカネミ油症事件です。 これは、福岡県北九州市にあるカネミ倉庫が製造した食用の米ぬか油(商品名 「カネミライスオイル」)に、製造過程(脱臭行程)で熱媒体として使用された PCBが混入し、これを食したために、全身の皮膚に炎症や、黒い色素沈着、倦 怠感、そしてガンが発生する食品公害でした。やがてこの公害の犯人はダイオキ シンであることがわかりました。ベトナム戦争で、アメリカ軍がベトナム南部の 森に散布した枯れ葉剤の主成分です。ガンや奇形を発生させる「人類が作り出し た最悪の化学物質」とされているものです。体がくっついたまま生まれた、あの ベト君ドク君を生み出した物質です。アメリカ軍がダイオキシンを散布していた ほぼ同じ頃、そのダイオキシンが入った米ぬか油を、日本では、多くの人々が 「健康に良い」という宣伝文句を信じて、天ぷら油や炒め物に使いました。 この米ぬか油が販売された西日本を中心に約1万4千人もの被害者が出ました。 水俣病同様、今も被害者はダイオキシンが引き起こす障害に苦しんでいます。さ らに被害者たちは政府と和解したことで、政府から債権管理法を基に、仮払金の 返還を求められるという倒錯した状況に追い込まれています。このカネミ油事件 の前に、ダイオキシンが入った米ぬか油(製造したのはカネミ倉庫)を食べた5 00万場の鶏が死んだ「ダーク油事件」を放置した政府が、被害者に賠償金を返 せ言うのです。 この悲惨な食品公害はまだ終わっていないことを訴えるテレビ番組が今日(4 月15日)放送されます。 NHK教育 ETV特集 「カネミ油症事件は終わっていない〜長崎・ダイオキシン食中毒の実相〜」 http://www.nhk.or.jp/etv21c/index2.html http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=501&date=2007-04-15&ch=31&eid=26720 放送時間 午後10:00〜午後11:00(60分) カネミ油症患者の4割が集中する長崎県五島市に住む患者の宿輪敏子の姿を通 してこの食品公害を追います。 なお、このカネミ油症事件にはある背景がありました。被害者のかなりが長崎 県の五島列島に住むキリスト教徒(カトリック)であるのに対し、カネミ倉庫の 社長(故人)は、東郷平八郎と天皇を崇拝する国家主義者でした。被害者が教会 の早朝ミサで祈りを捧げていたころ、カネミ倉庫の社長は、日本海海戦の日の早 朝、社員に日の丸の旗を持たせて神社へ行進し、「天皇陛下万歳!東郷平八郎元 帥閣下万歳!」と絶叫しました。これを描いたテレビドキュメンタリー番組「日 の丸と十字架」(KBC九州朝日放送制作・1976年)があります。 Created by staff01. Last modified on 2007-04-16 11:25:08 Copyright: Default |