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LNJ Logo 大谷さん安らかに(大分・赤峰正俊)
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大谷英貴さんへ

 2000年の秋だったと記憶しています。「四党合意」で混乱している国鉄闘争を何とかしようと、鹿児島闘争団にあなたと二人でオルグに出向いたのは…。お互い自分の想いを鹿児島の闘争団や共闘の仲間に精一杯訴えましたね。

 あなたは、解雇されてから闘い続ける人生のなかで、両親や親戚との葛藤…奥さんの友枝さんとの葛藤…を、淡々と語りました。押しつけがましくもなく、悲壮感にまみれているわけでもなく、自分の想いを自分の言葉で語るあなたの話を同じ当事者でありながら、私は感銘せざるを得ませんでした。

 「人らしく生きようパート1」では、全国で最初に大分地方上映会を開催しました。当然、あなたにも来県いただき、上映会後にあなたの話を皆さんに聞いていただきましたね。私は、上映会に当たって「人らしく生きようパート1」のビデオテープを200本ほど購入して組織や支援者の皆さんに販売させていただきました。

 あなたの屈託のない闘争人生と、友枝さんが苦悩に満ちた生活実態を語る姿…このコントラストが私の心を強く打ちました。どうしてもこのビデオを「一人でも多くの人たちに見てもらいたい」との思いから、毎日、毎日上映会の準備に明け暮れました。

 理屈の多い、私たちの組織や闘いの中にあって、あなたの実直さは天性のものだったのでしょうか…? 鹿児島の時も、大分に来たときも、東京であなたの宿に泊めていただいた時も、あなたの話の中に必ず出てくる言葉がありました。それは、「俺たちは世間からずれているのかな」…? 「正直言うと俺は時々、何をしているのか分からなくなり眠れなくなる」… 「赤峰氏はそんなことを思わないか」…?

 「赤峰氏」とあなたは私を呼びましたね。そして、「田舎でウジウジしてないで東京に出てこいよ」と、顔を合わせるたびに呼びかけてくれました。

 闘争団の仲間が集まると、どうしても強い言葉や生活優先論が先行し、実直な想いが語れなくなる雰囲気が多々あります。しかし、あなたには何を話しても許される雰囲気がありました。それは、あなた自身が誰に対しても胸襟を開いている証でもありました。

 あなたが病魔に犯されて北海道に帰ったと聞いたとき、何度も足を運ぼうと思いながらも、私の足は大分の地から離れることはありませんでした。あなたの病状については、佐久間忠夫さんからそれなりに聞かされていました。正月にいただいたあなたの年賀の言葉が私には辛くてなりませんでした。今更の不義理をお許しください。

 大谷さん安らかにお眠りください。

大分県 赤峰正俊 (3月5日)

Created by staff01. Last modified on 2007-03-06 09:50:43 Copyright: Default

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