本文の先頭へ
愛国心 悪党どもの 常套句
Home 検索

大地実です。

首題の件、下記です。転送します。

「愛国心」という題で、せんりゅうをつくってみました。みな さんもつくってみませんか。

「愛国心 悪党どもの 常套句」

「愛国心 狂信主義の 旗印」

「愛国心 排外主義の 生みの親」

「愛国心 人種差別の 製造機」

「愛国心 オレオレ詐欺の 拡大版」

おまけ 「人災は忘れた頃にやってくる」

「赤信号みんなで渡ればもっと怖い」

「どの国でもその国のたましいが国の臭気なり」 上田秋成

「愛国心は、悪党の最後の逃げ場」サミュエル・ジョンソン〔 英国の文学者・辞書編纂家〕

「愛国心は、悪党の最初の手段」アンブローズ・ビアス〔米国 の作家・ジャーナリスト〕 

 ビアスよる愛国心の定義は、「わが名に脚光を浴びせたいと 願う人物にとって、彼らの野望の松明(たいまつ)に、点火す るのに格好の手近な紙屑」

「人類から愛国心を叩き出すまでは、静かな世界は決してやっ て来ないだろう」ジョージ・バーナード・ショー〔アイルラン ド出身の劇作家・批評家〕

 など、愛国心の胡散臭さについて先人が書いていて勉強にな ります。お読みください。

             記 --- hagitani ryo wrote:

> To:TUP-Bulletin@yahoogroups.jp > From:hagitani ryo > Date:Mon, 09 Oct 2006 03:04:42 +0900 > Subject:[TUP-Bulletin] > 速報635号 教育における愛国心---忍び寄る思想統制 06100 >

--------------------------------- どの国でもその国のたましいが国の臭気なり 上田秋成 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 先月21日に、東京地裁は、日の丸・君が代に対する起立・斉唱 の義務化は、憲法19条が保証する思想・良心の自由の侵害であ り、教育基本法が禁じた不当な支配にあたるとし、違憲・違法 であると明確に認めました。しかし、政府は教育基本法改正を 優先課題に掲げており、「愛国心」を法制化しようとしていま す。これに対しては、専門家からも復古主義的であることや法 的拘束が子どもの自立に弊害を与えるとして危険視する声が高 まっていますが、そもそも「愛国心」とはいったい何なのでし ょうか? 著者は先人の言葉を引用しながら「愛国心」がどう いうものなのかを解き明かしていきます。                  (古藤加奈/TUP) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

教育における愛国心ーー忍び寄る思想統制 ヒロアキ・サトウ(佐藤紘彰) 2006年5月29日付 ジャパン・タイムズ

ニューヨーク発ーー政治家はどうしてこういつも退嬰的なのだ ろう。数年前、日本政府は日の丸・君が代を国旗・国歌と法で 定めた〔訳注:ただし、掲揚・斉唱の規定はなく、掲揚・斉唱 の強制はしないとの小渕首相談話が発表されている〕。そして 今、制定後60年になろうとする教育基本法案を改正し、愛国心 を法制化するつもりだ。

「人類愛」のように、「愛国心」にはどこか安易でしかも強制 的なものがある。さらに悪いことに「人類愛」とは違い、「愛 国心」には悪評判がしみついている。

1775年のこと、サミュエル・ジョンソン〔英国の文学者・辞書 編纂家〕が「愛国心は、悪党の最後の逃げ場」という警句を発 したのは有名な話である。彼の友人でその伝記著者でもあった ジェイムズ・ボズウェルは、この句を書き留めながら、ジョン ソンが意図したのは、「真実の惜しみない祖国 愛」のことではなく、「いつの時代にもどこの国でも、多くの 者たちが私利私欲の隠れ蓑に使ってきた偽りの愛国心」に限ら れている、と付け加える必要性を感じた。

アンブローズ・ビアス〔米国の作家・ジャーナリスト〕は、『 悪魔の辞典』でこの警句を取り上げた時、歯に衣着せずにこう 述べた。「ジョンスン博士の有名な辞書では、愛国心は悪党の" 最後"の手段と定義されている。賢明ではあるものの二流の辞 書編纂者に対して敬意を払いつつも、僭越ながら私は、"最後" ではなくて"最初"の手段であると言わせていただきたい」。ビ アスよる愛国心の定義は、「わが名に脚光を浴びせたいと願う 人物にとって、彼らの野望の松明(たいまつ)に、点火するの に格好の手近な紙屑」という書き出しで始まっている。

ビアスが南北戦争で戦っていたころ、まだ少年であったジョー ジ・バーナード・ショー〔アイルランド出身の劇作家・批評家 〕も、後に彼の作品の登場人物に「人類から愛国心を叩き出す までは、静かな世界は決してやって来ないだろう」と言わせて いる。

この劇作家は、このようにも述べている。「愛国心は、この国 に生まれたがゆえに他の国よりも優れているのだと、あなたに 信じさせるものである」。 これは、サミュエル・ジョンソンと同時代の日本の作家が、著 名な国学者に向かって喝破した言葉をぼくに思い起こさせる。 彼はこう言い放った。 「どこの国でもその国のたましいが国の臭気なり」。少し説明 してみよう。

「国学」は江戸時代に興った学問で、日本の文化(特に文学) から中国の影響である不純物を取り除くことにより、日本の心 、大和心、の真髄を引き出そうとするものである。この流れの 提唱者のひとり、賀茂真淵(1697-1769)は「萬(よろず)よこ しまにもならへば、心となるものにて、もとのやまと魂をうし なへり」(いろいろと邪道をまねたので、それが心となってし まい、もとのやまと魂を失ってしまった)と述べている。「国 学」で、大和魂は大和心と同義語である。

では、日本の心、魂、とは何なのだろう。真淵の第一の高弟で ある本居宣長(1730-1801)は、それを煌くばかりのなにか純粋 なものとして、短歌で「敷島の大和心を人とはば朝日に匂ふ山 桜花」と詠った。彼はそれだけに留まらなかった。70歳になっ たとき、自分の肖像画にその歌を賛として書き込 み、弟子たちに配ったのである。

国学を学んではいたが文化的排他主義ではなかった上田秋成(1734-1809) は、本居の自画自賛のふるまいに対し鼻であしらった。「やま とだましいと云(ふ)ことをとかくいふよ」(大和魂なんてこ とをいろいろ言うなあ)と疑問を呈し、そのあとに続いて言い 放ったのが「臭気」云々である。

同時期の多くの文士仲間のように上田は漢学に精通しており、 彼の書いた物語のなかには中国の物語を翻案したものが多い。 しかし、上田が国学の権威に牙を剥いたのは中国に熱をあげて いたからではないとぼくは思う。本居とは違い、彼は国家主義 的主張がばかげたものであることを知っていた。どこの国でも 国の精神というものに注目し、それが特別なものであると思う 傾向がある。しかし、その精神は同時に国の弱みでもあるのだ 。

いや、「愛」と「国」という2つの漢字からなる愛国という言 葉を上田は使わなかった。この言葉は、おそらく古典的な中国 語にはなく、明治初期までは存在しなかっただろう。

三島由紀夫は『愛国心』というエッセイで、この言葉には「背 中のゾッとするような感じをおぼえる」と書いたときに、その ことをよく表現した。「この言葉には官製のにほひがする」、 「どことなくおしつけがましい」と書き、愛国心という言葉に は、日本が西洋に対して開国したさいに、国内に注ぎ込まれた キリスト教と大きく関係しているに違いない、と彼は指摘した 。 なぜなら、言葉に含まれている「愛」という概念は、日本の伝 統では見られなかったものだからだ。

言うまでもなく、三島は“Patriotism”〔パトリオティズム: 愛国(心)〕で有名であり、同名の英題では、自ら製作した映 画だけでなく短編小説もある。 しかし、ジェフリー・ボーナスとの共同編集によるアンソロジ ー"New Writing in Japan" (Penguin, 1972)の収録作品として この小説を選んだとき、彼が指摘したように使った日本の言葉 は、「かなりの憂慮を意味する」 “yukoku”(憂国)であった。「国のあり方や行く末を危惧し 悩むこと」という意味の古い中国の言葉“youguo”(憂國)に 由来するものである。 〔訳注:上記三島の短編小説と映画の原題は『憂国』。映画版 は自分の最期を暗示する割腹シーンで知られる〕

なぜ、愛国心は三島に「背中のゾッとするような感じをおぼえ 」させたのか。

彼はこう書いている。「自分がのがれやうもなく国の内部にゐ て、国の一員であるにもかかはらず、その国といふものを向う 側に置いて」、あたかも、国が「狆(ちん)か、それともセー ブル焼の花瓶」であるような対象として「わざわざそれを愛す るといふのが、わざとらしくてきらひである」。国に惚れ込む ことはあるかもしれないが、国を愛するように強制されること はできない、と三島は言っている。死の3年前、ますます秘教 的で硬直した文化論を展開するようになっていった時期に、彼 はこの文章を書いた。しかし、この中で彼は明哲であり、説得 力があった。

ジョンソンが言ったように「最後の逃げ場」であろうと、ビア スが好んだように「最初の手段」であろうとも、愛国心という のは、三島が「普遍的な擬装」と書いたように、なにかよこし まなものである。

またもや米国が開始した戦争がいまだに続く中、パトリオット と名付けられたミサイルのことをぼくは考える。第二次世界大 戦期の日本では、金持ちの民間人から陸軍に寄贈された戦闘機 の、好まれていた名前が「愛国」であったことを思い出すけれ ども、パトリオット・ミサイルは、米国の戦争がどんな名目で 行われるにせよ、それには特に役立ってはいない国々に売却さ れている。

そして、9・11後に性急に作り上げられ、アメリカ国民が大 事にすべしと教えられている自由の多くを、縮小することを主 な目的とする法律も、周知のように愛国法と呼ばれる。まった く皮肉抜きにして。

今のところ自由民主党は、1947年制定の教育基本法改正案にお いて、愛国心という言葉のあからさまな使用は断念せざるをえ なくなったが、もともとの案は全然変わっていない。改正案に 反対して鳥取県弁護士会が発表した声明は、「伝統」と「文化 」を「尊重」し、「我が国」と「郷土」を「愛する」ことを政 府が法律で定めようとするとき、推定できる唯一の目的は「思 想統制」である、と述べている。

筆者:佐藤紘彰氏は、ニューヨーク在住の翻訳家、エッセイス ト。                  原文:Creeping back toward thought control URL: http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/eo20060529hs.html

(翻訳:古藤加奈/TUP)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

TUP速報 配信担当 萩谷 良 電子メール: TUP-Bulletin-owner@yahoogroups.jp TUP速報の申し込みは:  http://groups.yahoo.co.jp/group/TUP-Bulletin/ *問い合わせが膨大な数になっています。ご返事が書けない場 合がありますので、 ご容赦ください。 ■TUPアンソロジー『世界は変えられる』(七つ森書館)  JCJ市民メディア賞受賞!! ■第II集 も好評発売中!!


Created by staff01. Last modified on 2006-10-09 10:57:56 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について