本文の先頭へ
LNJ Logo 嘘を事実と認定した村瀬均裁判長
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1149128268930st...
Status: published
View


佐々木です。

都立板橋高校元教員の藤田勝久さんが03年の卒業式開始前にビラをまき、君が 代不起立を保護者に呼びかけたことに対して、昨日東京地裁は威力業務妨害罪と して20万円の罰金刑(求刑懲役8月)を言い渡しました。このことについては、 新聞・テレビの報道でご存じの方も多いかと思います。言論弾圧に司法が加担す るなんて、日本はもうファシズムに突入していますね。これで共謀罪ができ、教 育基本法や憲法が改悪されたら一体どうなるのでしょうか。

わたしは裁判の報告会に出席しましたが、その中でこの裁判を担当した東京地裁 刑事第9部の村瀬均裁判長についての話が出ました。藤田さんの弁護団の中には この村瀬裁判長から司法研修所時代に教えを受けた弁護士がいて「今回の威力業 務妨害罪の認定は、かつての村瀬氏の教えからは考えられない」と話していまし た。裁判の中で威力業務妨害を証明するうえで一番問題になったのは、藤田さん が教頭の制止にもかかわらずビラを配布し続けたという教頭の証言が事実かどう かでした。これには弁護側が完全に反証していて「よもや裁判長がそれを認定す るとは信じられなかった」「村瀬裁判長はかつて新宿ホームレス強制撤去事件で、 威力業務妨害罪で訴えられた被告に無罪判決を下したことがあり、これから考え ても村瀬氏は変わった」という指摘も弁護団からありました。

これらの話を総合して考えると村瀬均裁判長はいまの裁判所の中ではそうとう誠 実で信頼のおける裁判官だったことがわかります。それがなぜ変わってしまっ たのか。この事件のバックには、当日卒業式に来賓として参加していた土屋たか ゆき都議が君が代斉唱時、卒業生に起立を命じたがほとんど誰も従わなかったと いう事実があります。それを根に持った土屋都議は生徒の不起立の責任を藤田さ んに負わせようとして都議会でこれを問題にし、それを受けて都教委と学校が警 視庁に被害届けを出したのです。

村瀬裁判長は、明々白々の教頭の嘘を事実とし、有罪判決を出しました。東京都 の圧力を恐れてか、あるいは右傾化する社会状況に抗しきれなくなってか、それ は本人でなければわかりませんが、身の安泰のかわりに自分の良心と「言論の自 由」を犠牲にしたことだけはたしかだと思います。

ちなみに、この判決に関する報道をインターネットで検索してみましたが、判決 内容の報道のみで背景をほとんど描いていない記事が多いなか、中国新聞と東京 新聞の記事が出色でした。

中国新聞
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200605300140.html

東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/tokuho/20060601/mng_____tokuho__000.shtml


Created by staff01 and Staff. Last modified on 2006-06-01 15:19:17 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について