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「整理解雇」通告1周年に当たっての声明

 本日ついに、社会民主党現執行部が私たちに対する「整理解雇」を通告して丸1年が経過しました。

この間、複数の裁判闘争を通じて、この「整理解雇」の不当性が次々と暴露されています。社民党現執行部は「整理解雇」が財政的に不可避だったという説得力のある証拠を何も提示できないばかりか、「ボーナス」の「貸与」という名の実質支給など、「財政難」とは現執行部の意に沿わない職員を見せしめで首にするための口実に過ぎなかったことを自ら証明してきました。K氏の裁判では地位保全の仮処分命令という恥ずかしい事態を回避する目的で、未払い賃金相当分を、その性格を曖昧にしたまま支払う有様です。その一方で、「解雇に自発的に応じなければ退職金は支払わない」という脅迫をいまも続けています。左翼の世界におけるごく普通の言い方を使えば、これはまさに社会党・社民党・労働組合が批判し続けてきたはずの「反動」と言わざるを得ません。実際に、裁判で社民党現執行部の弁護を担当してくれる良心的な弁護士をついに探すことができず、会社整理を専門にしてきた類の弁護士に主な役割を担ってもらっている始末です。
「整理解雇」対象者は、裁判で法的手段に訴えるという最後の手段を用いざるを得ませんでしたが、その裁判とは別に、他方では社民党の同志としての誠実な話し合いを求め続けてきました。しかし、話し合いを求めての度重なる要請を、社民党現執行部は無視し続けています。松下氏は毎日出勤闘争を続けてきており、その意志さえあればいつでも話し合うことは簡単です。

社民党現執行部は、姑息にもこうした事実を党員・党支持者からひた隠しに隠してきましたが、1年間の不当解雇撤回闘争を通じて支援の輪が広がることにより、日に日に多くの党員・党支持者がこの問題の真実に気づくようになっています。先日の社民党大会では、一部の代議員からこの問題を同志的に解決することを求める発言がありました。社民党現執行部は、党大会という最高機関で民主的に提案された要請に沈黙し、歯牙にもかけませんでしたが、こうした発言が公式に上がること自体、党内の良心派・良識派が「整理解雇」問題を深刻に受け止め、同志的で公正な解決を求めるうねりが生まれつつあることの証左であると言えます。社民党現執行部は、社会「民主主義」の党の指導部として、党員の声を無視するべきではありません。

2月の党大会の冒頭、福島みずほ党首は次のように発言しました。「勝ち組政治の自民党政治では、人々は幸せになれません。ひとりで笑うことは、誰かと泣くことより、不幸です。そのことは、はっきりしています。それでは、社民党がつくろうとしている社会は、具体的にどんな社会でしょうか。私たちがつくりたい社会とは、『勝ちか負けか』を尺度とするのではなく、『幸福かそうでないか』を尺度にします。格差拡大をつくり、『お前は負け組だ』『あなたが努力をしなかったからだ』と、この社会から退場を迫り、高齢者や障害のある人たちを切り捨てていく社会ではありません。インクルーシブ・ソサイティ、すべてのものを包み込んで、すべてを社会の構成員として、ともに生きていく社会です。排除ではなく、全員参加型社会です」。
福島さん、あなたのおっしゃる通りです。いますぐ、社民党現執行部が「ひとりで笑う」のではなく、「整理解雇」対象者と泣いてください。「整理解雇」対象者を含めて、「すべてのものを包み込んで、すべてを社会の構成員として、ともに生きていく」社民党を早く作ってください。「排除ではなく、全員参加型」の社民党に早く戻してください。そうでなければ、「整理解雇」問題の醜悪な実態を知ったときに、誰があなたの言うこと、社民党の言うことを信じるでしょうか。またそうでなければ、社民党が目指す社会とはいったい何なのでしょうか。「ともに生きていく」社会、ただし社民党職員は別。「排除ではなく、全員参加型社会」、ただし社民党職員は別。「労働基本権を含めて人権が守られる社会」、ただし社民党職員は別。「この社会から退場を迫らない」、ただし社民党職員は別。「高齢者や障害のある人たちを切り捨てない」、ただし社民党職員は別。ただし社民党職員は別。ただし社民党職員は別―――。

歴史の教えるところによれば、運動の中にないものは運動の結果にもありませんでした。暴力を内包した反戦運動は、最後は悲惨な内ゲバをもたらしました。暴力で社会を革命しようとした共産主義運動は、革命が達成されたとしても、暴力と抑圧に満ちた権威主義体制を生み出しました。こうした負の歴史的教訓に学びながら、日本の社民党がもし誠心に社会民主的な社会を実現しようとしているなら、人権と民主主義はまず社民党とその運動の内部で打ち立てられなければならないのではありませんか。そのときには、社民党が国会では少数派の地位に甘んじていようとも、信念と誠実の党、言行一致の党として道義的影響力を確保できることは言うまでもありません。

 「整理解雇」通告から1周年を向かえ、私たちは社民党現執行部の不誠実な言動の連続に辟易していますが、すべての「整理解雇」対象者が心から社民党を愛し、この党の道義的・政治的建て直しに日本の未来を託していることに鑑みて、社民党を真に社会民主主義の党として再生させる唯一の道である問題の公正な解決をさらに目指して行くことをここに宣言します。

2006年2月23日

社民党不当解雇撤回闘争支援ネットワーク
        代表世話人・木村健二                      
http://www.shaminto.net/

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