| 走れロシナンテ〜連帯ロード2006 | |
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『毎日新聞』北九州・京築・筑豊版(9/18付)に「連帯ロード2006」の記事「走れロシナンテ」が載った。筆者の林田英明さんは、JR不採用解雇問題をずっと追いかけている記者だ。多くの人に読んでもらいたいと思い、以下紹介する。なお写真は、東京にゴールした中野勇人さん。 ―――――――――――――――――――――― 走れロシナンテ「ロシナンテ2号」にまたがって、中野勇人さん(43)が2300キロを疾走する。「怒りをひとつに〜連帯ロード2006」と銘打ったサイクルキャラバンが鹿児島を出発したのは8月26日。四国も回って東進し、15日、東京にゴールした。 北海道・国労北見闘争団の中野さんが国鉄を解雇されたのは19年前。清算事業団の後身である鉄建公団(現鉄道建設・運輸施設整備支援機構)を相手にした訴訟は昨年9月15日、東京地裁で判決が出され、公団に不当労働行為があったことを認めたものの、解雇撤回は認められなかった。中野さんは国鉄の分割民営化を「リストラの原点」ととらえ、その後、労働者の首切りが簡単かつ広範になされてきた日本社会を案じ続けている。 「四国へ行こう」。3年前、中野さんは決断した。パートで働く妻と子2人を北見に残し、徳島県池田町(現三好市)に常駐、国鉄闘争の意義を説くオルグとなった。裁判闘争とともに大切なのは市民とのつながり。それを痛感したのは昨年起こった尼崎脱線転覆事故。「安全第一」から利潤追求に変転した民営化が真因と考える中野さんは「公共交通を再生しなければ、また国民が犠牲になる」との思いを強くした。 だから、1審判決から1年を記念したキャラバンに自転車を選んだ理由は、人と触れ合うため。「厳しい労働現場での闘いの話を聞くと、その気持ちも乗せて走らなきゃと思う」と汗をぬぐう中野さんが一番うれしいのは、「頑張って」ではなく「一緒に頑張りましょう」と言われた時。多くの区間で伴走する仲間に出会えた。 随行する宣伝車からは中曽根康弘氏の肉声が流れてくる。昨秋NHKで放映されたインタビューだ。「国労をいずれ崩壊させようと思った。一念で、意識的にやった」と、得意げに不当労働行為を正当化している。分割民営化時の首相の放言を中野さんは2300キロの間、どんな気持ちで聞き続けたのだろう。 座右の銘は、プロボクシング世界チャンピオン、徳山昌守さんの造語「道険笑歩(どうけんしょうほ)」。キャラバンをしたからといって、20年前の職場に戻れるわけではない。しかし、「アタマより行動。解雇された当事者が光を放たないと。黙ってたら、世の中もっと悪くなるからね」と面長の“ドン・キホーテ”は笑った。【林田英明】 《2006年9月18日、毎日新聞北九州・京築・筑豊版掲載》 Created by staff01. Last modified on 2006-09-21 17:16:18 Copyright: Default | |