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News Item 20050823m1
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佐々木です。

昨日の例会の感想です。

昨年の7月にNHKで放送されたこの番組(「トラック・列島3万キロ」)を観 たとき、ここまで労働者を酷使する今の社会にやり場のない怒りを感じました。 昨日の例会ではその元凶が1990年から始まったトラック業界の規制緩和であるこ とが伊藤彰信さんから指摘され、労働者を地獄に追いやる規制緩和政策の現実を 再認識しました。最近騒がれているタクシー運転手の問題もこれとまったく同じ 構造だと思います。

木下昌明さんが報告のなかでマルクスの『賃金・価格・利潤』から「時間があっ てこそ人間は発達するのである。勝手にできる自由な時間のない人間、睡眠・食 事などによる生理的な中断は別として全生涯を資本家のための労働によって奪わ れる人間は、牛馬よりも燐れなものである。」という文章を引用していましたが、 睡眠・食事の時間もろくにとれないトラック運転手は、マルクスが書いた19世 紀のイギリスの労働者以下の環境に置かれていると言っても過言ではないと思い ます。労働条件に関して言えば歴史は急速に後戻りを始めています。

この番組のなかで、規制緩和とともにトラック運転手を苦しめているのが、「ジャ スト・イン・タイム」のトヨタ方式です。郵政職場でもトヨタ方式が最近導入さ れ、現場は大混乱で過労死まで出ています(これに関しては「技術と人間」7月 号に安田浩一さんが詳しく書いておられます。またビデオプレスの作品『郵政ク ビ切り物語』でもふれています)。聞くところによれば尼崎事故を起こしたJR 西日本とJR東海はトヨタ方式の労務管理を導入しているそうです。大事故の背 景にはトヨタ方式があったわけです。

規制緩和、民営化、トヨタ方式を進めてきた大企業とその代弁者としての国は、 労働組合をつぶして(骨抜きにして)抵抗勢力を無くした上で日本の社会全体を ますます非人間的なものに変えて来ました。だからこそ、これを変えるのはやは り抵抗勢力としての労働運動の再生以外にないというのがわたしの結論です。そ のために今何ができるのか、木下さんが言うようにこのような番組の批評活動を 通してわたしたちの置かれている現実を確認することもひとつだと思いますし、 労働運動再生の道筋を模索すること、そのためにもレイバーネットをもっと大衆 的な開かれた場にする努力も必要でしょう。


Created byStaff. Created on 2005-08-23 10:42:35 / Last modified on 2006-05-16 21:58:19 Copyright: Default

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