ポルトアレグレ報告 6 | |
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昨日1月30日は、MST(土地なし農業労働者運動)の占拠地を訪問することができました。 世界社会フォーラム参加中の各国のビア・カンペシーナ(国際的な農民運動体)のメンバーがMSTの占拠地を訪問して激励するというツアーに、ATTAC-JAPANのみなさんの紹介で、うまいぐあいに交ぜてもらうことができたためです。 占拠地は、ポルトアレグレから120キロほど南に下った海岸べりの地域でした。 MSTは、土地を持たない貧しい農業労働者が、地主が放置して利用していない土地を実力占拠して耕作するという戦闘的な運動を展開してきました。基本的に自給自足を達成しており、貨幣収入の必要な分だけ農産物を販売して生活をしているそうです。 ブラジル出身の写真家セバスチャン・サルガドが写真を撮って紹介していたので私も知っていたのですが、サルガドの写真は鎌を持ってデモをしている写真だったので、もっとずっと貧困でさしせまった様子を想像していたのですが、実際には少し様子は違いました。 家も、ブラジルの都市近郊にあるような不法占拠のバラックとは違って、きちんとした建物のように見えましたし、当日に現地でふるまわれた(無料で数百人に!)肉や野菜の豊富さから考えると、少なくともあのMSTは基本的な生活水準は十分に達成していると思えました。 MSTやビア・カンペシーナは、地主制とたたかうだけではなく、多国籍アグリビジネスの種子支配に抵抗するために、有機農業・非遺伝子組み換え農業を推進していることが強調されていました。日本での有機農業などの議論が狭く食料の安全問題で語られることが多いのですが、MSTなどの途上国の小規模農民にとっては、生活上の死活問題であることがよくわかりました。日本の農民運動も本格的にこういった動きと連携が求められていると感じました。 ちょうど、その日にベネズエラのチャベス大統領もポルトアレグレに来ていて、MST占拠地を訪問して演説をしたので私たちも聞くことができました。ブラジルの農地改革大臣、MSTのリーダーなどの話も聞くことができました。ポルトガル語やスペイン語なので一切内容はわからなかったのですが、そこでチャベスとブラジル政府との間で、非遺伝子組み換えダイズの研究のための大学をベネズエラに建設するということが合意されたようです。 ルラにしてもチャベスにしても、いろいろと問題はあるのでしょうが、このような戦闘的な農民運動に配慮しながら政権運営をしているのは確かで、ある種の「革命」が進行しつつあるのは確かなように感じました。 MST占拠地を訪問した同じ日にポルトアレグレであったチャベス大統領の演説会にも行ってきました。ルラ大統領の演説会と同じスタジアムであったのですが、ルラの時と打って変わって、チャベス批判の参加者は皆無でした。チャベス礼賛のコールが何度もなされていました。ルラ政権関係者が発言すると、「ルラ・ノー!チャベス・イエス!」などの野次が激しく飛び交っていました。 左翼政党が政権についたときに政権運営上、さまざまな妥協を必要とすることは想像ができるので、その場合にどのような批判を政権に対してするのかは古今東西を問わず難しい問題であるように思いました。 ルラの演説会の時に近くに座っていたルラ批判派の大学生によると、学生などにはルラは人気がないと言っていました。 本当に難しい問題です。 Created bystaff0 and Staff. Created on 2005-02-01 10:23:25 / Last modified on 2005-09-05 02:55:29 Copyright: Default |