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フィリピントヨタ労組からの最新情報
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 フィリピン・トヨタ労組を支援する会から保釈金カンパの緊急のお願いです。  フィリピン・トヨタ社は、昨年3月から4月にかけてのストライキ中に会社関係者が、労組員から「強要」(脅迫行為)をうけたとして、3件(総数25人)の刑事告発をおこないました。検察庁は今年の2月に起訴を決定し、フィリピン・トヨタ労組員は3月11日に起訴を知らせる通知を正式に受け取りました。保釈金(1人3万円)を支払わないと労組員は投獄されてしまいます。フィリピン・トヨタ労組から3月に入って届いた4通のメールを要約した最新情報を送ります。なお、フィリピン・トヨタ争議の内容が不明だという声があるので、概略を記した「彼らの闘いは、私たちの闘いだ!」も送ります。 (重複お許し下さい。このメールは、転載歓迎です) 「フィリピン・トヨタ労組を支援する会」事務局 遠野 はるひ

フィリピン・トヨタ労組からの最新情報

 フィリピン・トヨタ労組は、組合承認選挙の正当性を求めて組合が会社を訴えているケース、違法ストライキをしたとして会社が組合を訴えているケースの民事訴訟をかかえているが、これらに加え、会社がおこした3件の刑事告発が先月(2月)起訴されることがわかり、対応におわれている。昨年(2001年)の3月末から4月にかけてのストライキ中に、スト破りを企て、工場内に立ち入ろうとした会社側人間に、労組員がにらみつけたとか、暴言を吐いたということで、総数25人が訴えられていたのだ。刑事告訴にはあたいしない事件だが、トヨタは何人もの辣腕弁護士を雇い、3件を次々と起訴に持ち込んだ。  2月22日には2つの民事訴訟が係争中の最高裁判所と高等裁判所の前で、公正で迅速な審理をもとめて、解雇された組合員70人で要請行動をおこなった。この日は、昨年、組合員317名でおこなった労働雇用省への要請行動の一周年にあたる。当日、裁判所前で多数の治安警察に取り囲まれたが、ピケの解除を求める最高裁の治安担当者と話しをつけ、20分間のプログラムをおこなった。マスメディアに取材され、リーダーの1人は現地中継をしていたラジオ局にインタビューされた。いくつかの新聞は、小さくだが、写真つきで報道した。  行動のあと集会を行い、現状報告をおこなった。この後、労組役員は裁判の打ち合わせのためにマラビラ弁護士に会いに行き、同時に刑事訴訟の担当弁護士のことを相談した。刑事訴訟を担当している弁護士となかなか連絡がとれず、困っていると相談すると、友人のサーミエント弁護士と連絡し、料金も割り引いてくれるように頼んでくれるとマラビラ弁護士は約束した。  2月24日、刑事告訴をされている労組員と役員の緊急会議をひらいた。刑事弁護士の交替、刑事告訴の現状について説明し、不測の事態に備えることになった。  2月25日、3月1日と違法ストライキに関する書類を提出し、最高裁長官に組合承認選挙の正当性をめぐる審理を迅速に公正にするように請願書も出した。  3月11日、刑事告発が起訴されたという正式な通知が労組員に郵送されてきた。10日以内に控訴しなければならないが、検察庁は控訴しても態度を変えないだろう。1人12000ペソ(3万円)の保釈金が用意されなければ、収監されてしまう。  3月12日、支援する会から刑事弁護士費用の着手金が届いたので、サーミエント弁護士と初めての打ち合わせをおこなった。サーミエント弁護士は刑事弁護士として著名な人である。日本からの支援に深く感謝する。  3月18日、サンタ・ロサ工場の前で、ピケをはり終日抗議行動をおこなった。 私たちは、保釈金を準備しようと富くじを5000枚作って、フィリッピン・トヨタ労働者及びフィリッピン国内の労働組合・支援団体に売っている。役員、工場内の職場委員、積極的な組合員に富くじの販売を割り当てて、皆でお金を集めている。富くじの価格は安いが、販売することで、この問題を知ってもらおうとしている。4月15日まで、お金は毎週集め、27日に組合事務所で抽選会をおこなう。1等はガスコンロ、2等は電器ポット、3等は卓上扇風機である。 保釈金を集めることは、大変なこととわかっているが、皆あきらめていない。日本の皆さんにも私たちの状況を理解していただき、支援をよろしくお願いしたい。

フィリピン・トヨタ労組(TMPCWA)

 フィリピンの仲間が投獄されないためには、75万円の保釈金がひつようです。皆さんの支援をお願いします。カンパお願いのビラをつくりました。必要な方には、「支援する会」から添付ファイルで送りますので、コピーして配って下さい。

フィリピン・トヨタ労組を支援する会 連絡先:横須賀市追浜東町3−6−901 TEL/FAX:0468−69−1415 E-mail:Protest-Toyota@jca.apc.org カンパ送付先:郵便振替 00230−9−71516 かながわシティユニオンヨコスカ(フィリッピン・トヨタ労組連帯基金と明記)

彼らの闘いは、私たちの闘いだ!                               遠野 はるひ

フィリピン・トヨタ争議とは  フィリピン・トヨタ争議の労働側弁護士として、ボランティア同然で訴訟を一手に引き受けてきたマラビラ弁護士は、フィリピン労働法を「植民地支配の中でつくられた法であり、植民地統治者を擁護するようにできている」と私たちに語った。  フィリピン・トヨタ労組(TMPCWA)も、1998年に労働雇用省に登録をしてから、2000年3月に組合承認選挙に勝利するまで、2年近くの間、苦しい訴訟合戦を強いられた。選挙に勝利したことで、フィリピン・トヨタ労組は、現場労働者を代表する組合として、フィリピン・トヨタ社との交渉権を政府に認められた。 しかしながらこの裁定を不服とした会社は、数人の辣腕弁護士を雇ってなおも訴訟をつづけたため、1年後の2001年2月22日、23日に労働雇用者による会社側証人の公聴会が開かれることになった。この公聴会が闘争の山場と判断した労組は、動員をかけ、317名の労組員が労働雇用省への要請行動を行なった。3月16日、労働雇用省は会社の要求を却下し、労組の主張を認める裁定を出すが、同日、トヨタは要請行動に参加した労組員の多くを「無断欠勤」を理由に解雇した。その後も強硬な態度をくずさない会社に、労組は解雇撤回を求め3月28日からストライキに突入した。労組員500名をふくむ700人の労働者のスト参加で生産は2週間ストップしたが、労働雇用長官の仲裁により、ストは中止されることになった。

トヨタ、フィリピン政府を恫喝  ストライキの後、争議は政治的色合いを深めた。トヨタは、フィリピンに工場をおく他の日系企業と結託して、争議の早期解決がなければ投資の撤退もありうると、大統領、政府高官に次々と圧力をかけた。同時に、違法ストライキで提訴し、刑事告訴を行うなど複数の裁判をおこし、労組を窮地に陥れている。トヨタ及び日系企業の恫喝に屈したフィリピン政府は、この1年間、組合に不利な裁定を次々と出しはじめている。最新情報で報告されている先月、2月22日の最高裁・高裁前での行動は、政治的圧力を排し、公正な裁判を要請するものだった。  労働者への攻撃も激しさを増している。労組役員全員を含む233名の解雇を断行し、退職金受け取り拒否を続ける解雇者には労組脱退を条件に退職金の割り増しを提示し、組合つぶしを企てている。また、今年の1月初めには、職制と現場労働者をメンバーとする労働管理評議会をつくり、従業員全員を対象に承認選挙を実施した。事実上の第2組合が結成されてしまったのだ。労組はビラを撒くなどして選挙をボイコットするようによびかけ、現従業員の3分の1以上の支持を得た。会社は、労組のよびかけに応じた労組員及び反対票を投じた労働者に脅かしをかけている。

争議は国境を超える  フィリピン・トヨタ労組のエド委員長は、昨年4月に来日し日本の支援者150人とともにトヨタ東京本社への抗議行動をした。夏には日本から13人の労働者・市民が訪比し、労組員とともに会社、日本大使館前で抗議。11月にはエド委員長と職場委員が再び来日。250名が参加して、東京本社、続いてトヨタにあるトヨタ本社で50名による抗議行動を展開した。トヨタ本社への解雇での抗議は50年ぶり、トヨタ本社本館に乗り込んでの行動は20年ぶりという、画期的な闘いだったと現地の支援者は語っている。  トヨタ本社では事前に警戒網をひき、本館の周囲を社員・ガードマンで固め、半径200メートル範囲の道路のいたる所に社員を配置した。私たちが門前に到着、ビラまきを始めるとその度ごとに携帯電話で報告していたので、対策チームがつくられていたのだろう。  この他にも、フィリッピンで、日本で、抗議行動が重ねられ、数多くの抗議文をトヨタに送っている。日本でのトヨタとの交渉は4回行われたが、トヨタ本社は「現地のことは現地で解決すべき」と繰り返すだけで、きちんとした回答を全く出していない。しかしながら、フィリピン・トヨタの方針を決めているのはトヨタ本社以外にないことは、誰の目にも明らかだ。2月にフィリピン・トヨタの新社長としてトヨタが送り込んだ田畑延明社長は東京本社のアジア部長だった。

      彼らの闘いは私たちの闘いだ!  昨年度、トヨタは日本企業トップの売上高13兆4000億円、史上最大の利益1兆円をあげ、不況の日本で1人勝ちをしている。しかし、今年の春闘のベアはゼロ。トヨタの奥田碩社長は日経連の会長であり、日本財界を代表していることを考えると、ベアなし回答の裏には、日本の労働者の人権を徹底的にとりあげ、沈黙を強いる日本財界の意向が動いているようにも見える。  フィリピン・トヨタ労組は、人間らしく生きるために団結しようという若い労働者の素朴な願いにより結成された。「競争」、「効率」といった「新自由主義のグローバリゼーション」の先導者=トヨタが、最も恐れているのは、ごく当然の人権を主張するこのような労働者の存在であり、この闘いがフィリピンから、日本へ、そして世界へと波及することだ。争議の経過を追っていくと、日本での連帯行動が広がっていくにつれ、トヨタは多数の日系企業と手を結び、現地政府を従わせて、労組への攻撃を強めていることに気づく。きわめつきが、解雇された労組員25名への今回の刑事告発だ。解雇者の多くは、生活苦の中で労働者・人間としての誇りをもって、退職金の受け取りを拒否している。そんな彼らに支払うことの出来ない保釈金をだすか、投獄するかをせまっているのだ。消費者へ「ドライブ ユア ドリーム」と誘っているトヨタは、労働者へは「夢」ではなく「底辺へ向かって」追い立てている。これが日本でNO1多国籍企業=トヨタの実像だ。  フィリピン・トヨタ労組の闘いは、「新自由主義のグローバリゼーション」に対抗する最前線であり、「世界をとりもどそう」と願っている私たちの闘いでもある。


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