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ニューヨーク反戦労働者グループの声明

　ニューヨーク反戦労働者グループ（New York City Labor Against War）には、2001年9月11日テロ事件後の事態について結束して行動するため、ニューヨーク市の100人以上の労組メンバーたちが有志として参加している。以下は、その声明である。

　9月11日の悲劇は、ニューヨークの労働者に多大な苦痛をもたらした。我々は、友人を失い、家族を失い、様々な人種・宗教・国籍の同僚や組合員を失った。10万人のニューヨークの労働者が職を失うことになった。

　我々は、犠牲者を弔い、この人間性への犯罪を非難する。我々は、救命活動に従事し、犠牲者の家族のために支援労働を行ってきたことを誇りに思う。我々は、この殺人が法の下に裁かれ、生活の安全が回復することを望む。

　同時に我々は、ジョージ・ブッシュの戦争が解答ではないと確信している。

　我々が9月11日に経験したことは、他の誰もが経験してはならない。戦争は必然的に、罪のない民衆を傷つけ、凶暴な独裁国家を強化し、世界的な貧困を深刻化させる。イラク、スーダン、イスラエルと占領地域、旧ユーゴスラヴィア、南米諸国の一般民衆はこれまで、戦争の悲惨な影響を被ってきた。

　戦争はまた、我々自身にも深刻な犠牲をもたらす。アラブ系・イスラム教・南アジア系その他の移民たちが迫害を受け、市民的自由も侵害される。また戦争は、教育・医療・年金といった最重要のプログラムからその原資を奪い取り、軍事指導部・大企業経営者にその金を分配するだろう。ニューヨーク市や他の地域でも、戦争を口実に、「国家的結束」の名の下に労働者・貧民は「禁欲」を強いられている。戦争行為は、ビン・ラディンや米国の超保守派ジェリー・フォルウェルといった狂信主義者たちの術中に陥ることを意味するのである。

　ゆえに、我々ニューヨーク市の労働組合活動家は、9月11日の事態に公正かつ有効に対応するには、以下のことが重要だと確信している。

1＞　戦争をしないこと。一部個人たちの犯罪を理由に、その国の人々に制裁を加えることは間違っているからである。

2＞　復讐ではなく正義を。そのためには、テロ攻撃をした人々を、逮捕し公平に審査・裁決できる、独立した国際的裁判所が必要である。

3＞　レイシズムに陥らないこと。有色人種・移民に対するテロ、レイシズム表現、法的差別といったことに反対し、民主的な諸権利を擁護する。

4＞　経済的支援。政府は犠牲者の家族や解雇された労働者に対する援助を行うべきである。雇用・賃金・そして労働者の健康と安全が確保されなければならない。

5＞　「禁欲」を強いない。9月11日のコストを、働くニューヨーカー、貧しいニューヨーカーに押しつけることは許さない。労働者の生活水準やそれを支える公共政策その他の権利は、犠牲にさせない。

　2001年9月27日

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以下は、ニューヨーク反戦労働者グループに参加するメンバーの所属労組の一覧である。教員・自治体職員・その他のサービス労働者・通信関係が多い。

全米郵便配達労組（National Postal Mail Handlers Union）第300支部
専門スタッフ組合（Professional Staff Congress-CUNY/AFT）第2334支部
米国通信労組（Communication Workers of America: CWA）第1180支部
法定代理人補佐官組合（Association of Legal Aid Attorneys）UAW第2325支
全米自動車労組（United Automobile Workers: UAW）第2110支部
全米州郡市職員連盟（American Federation of State, County, and Municipal Employees: AFSCME）第215・1707支部
全米記者組合（National Writers Union）UAW第1981支部
（※以上は、執行委員長が参加している組合。以下は、組合活動家が参加している組合の一部）
アメリカ教員連盟（American Federation of Teachers: AFT）第2334・3882支部
国際サービス労組（Service Employees International Union: SEIU）第693・1109・1199・32BJ支部
（※SEIU第1199支部は医療労働者で構成されベトナム戦争期にも最も早くから反戦運動を担っていた。SEIU第32BJ支部は清掃労働者で構成され、世界貿易センタービル内などで請負清掃業務に従事する労働者が加盟。）
全米自動車労組（UAW）第1981・2320支部
アメリカ大学教員連盟（American Association of University Professors）
全米州郡市職員連盟（AFSCME）第37・371・768・1930・2627支部
組合民主主義連盟（Association for Union Democracy）
輸送労働者組合（Transport Workers' Union: TWU）第100・241支部
米国通信労組（CWA）第1101・1106・1109支部
ニューヨーク教員連盟（United Federation of Teachers: UFT）
映画劇場労組（International Alliance of Theatrical Stage Employees: IATSE）第52支部
大学教員連盟（American Association of University Professors: AAUP）
全米ミュージシャン組合（American Federation of Musicians: AFM）第802支部
ユナイト（UNITE!）第169支部
国際電気工組合（International Brotherhood of Electrical Workers: IBEW）第827支部

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翻訳：JNK（国際部）