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イラク戦争に反対する世界労働記者会見(2003年2月19日)


以下はUSLAW呼びかけた国際電話を通じた世界労働記者会見(2月19日)を要約・翻訳したものです。もしも誤訳等ありましたらスタッフ宛にその旨ご連絡いただけるとありがたいです。(translated by JNK)



■ ラリー・コーヘン :アメリカ通信労働組合(CWA)執行副委員長

ワシントンDCより、私が所属するCWAメンバー60万人とUSLAWを代表して挨拶します。

わずか10日間で5大陸の1億3000万人の労働者を代表する200の労働組合が呼びかけに応え、「反イラク戦争国際労働者宣言」に賛同しました。私たちは5つの大陸の主要な労働団体・労働組合センターから参加しました。

世界中の労働者組織が結束して、国際的危機に対して声を一つにして「戦争を止めろ」とのメッセージを公表するのは、初めてのことです。

1月16日、CWAはイラク戦争に反対する決議を採択しました。それ以降、数十万人を組織する全米のCWAのローカル組合は独自に決議をあげています。

先週の土曜日(2月15日)ニューヨークでは、数十万人の人々が戦争やアメリカの外交政策に反対して集会に参加しました。この政策は私たち労働者のためになるものではありません。USLAWはこうした外交政策に反対するローカル・全国レベルでの労働組合活動家が参加しています。


■ ボブ・マーロンキャンプ :チームスターズ(International Brotherhood of Teamsters)元組織局長・USLAW共同呼びかけ人

 最初に確認しておきたいことは、この電話会見に参加しているのは参加を希望した方々の一部だということです。世界中から圧倒的な反響がありましたが、電話回線に限界があるので、参加者を限定しなければならなかったからです。今日話していただく方々は、国際労働宣言を支持しているがここに参加できない他の労働組合メンバー数千万人の声を代弁することになるのです。宣言を支持する他の数千の労働組合の人たちも、世界中からこの記者会見をUSLAWのWEB(www.uslaboragainstwar.org)にある音声ライブストリーミングを通じて聴いています。

 私とともにワシントンDCにいるUSLAWの共同呼びかけ人ジーン・ブラスキンと、USLAW持続委員会メンバー9人が進行します。それではお名前を呼ばせてもらいます。

イギリスからボブ・クラウン、ミック・リクス(イギリス鉄道運転手組合書記長:Society of Locomotive Engineers and Firemen)

パキスタンからは、ルビーナ・シャミール(全パキスタン労働組合連盟会長:All-Pakistan Trade Union Federation) 〜タイムラグがあり反応がお互い遅い

オーストラリアからは、シャロン・バロース(オーストラリア労働組合評議会会長:Australian Council of Trade Unions)

イタリアからは、エンゾ・ベルナルド(イタリア労働総同盟国際局長:CGIL)。今日とても大きな行動をしましたね。

中東(チュニジア)からは、ジェイモン・ハッセイネ(アラブ労働組合国際連盟書記長:International Confederation of Arab Unions)

ブラジルからは、ジュリオ・トゥラ(ブラジル中央統一労働組合執行委員長:CUT)

カナダからは、ジュディ・ドロシー(カナダ公務員組合会長:CUPE)、デブラ・ブーケ(カナダ郵便労働組合会長:CUPW)、キャロル・フィリップス(カナダ自動車労働組合国際局長:CAW)

フランスからは、ポール・バルビエ(フランス「労働者の力」教育文化局長:FO)

メキシコからは、フランシスコ・エルナンデス(メキシコ全国労働者同盟共同会長:NUT)

メディア関係者(カナダ新聞、カリフォルニアFMラジオ、バークレー・KPFAパシフィックラジオほか)

フランス語・スペイン語・ポルトガル語は、アレン・ベンジャミン(USLAW)が翻訳します。


■ エイミー・ノウェル :カリフォルニア州モンテレーベイ労働評議会会長

 ブッシュ大統領が対イラク戦争を言及し始めた昨年の秋以降の反戦活動の高揚の中で、AFL-CIOのローカル組合・地方組合および地域組織は、戦争に反対するための決議を採択し運動を始めた。私たちはこの国で、とりわけ外交政策上の問題をめぐってこのような事態をかつて経験したことはない。

 こうした運動の高揚をうけて昨年12月、この電話会見に参加している組織のいくつかが、いくつものローカル・個人の反戦の声を結集して全国的な一つの声にしうる組織の結成会議召集を決めた。2003年1月11日その会議がシカゴで開催され、全米あらゆる産業セクター・地域において200万人を組織する75労働団体の参加によって、「戦争に反対するアメリカ労働者(USLAW)」を結成する決議を採択した。

 現在までに、少なくとも500万人を代表する、6つの全国組合(産別組合)、200のローカル・地方組合および全国的労働組織が、戦争に反対する公式方針をとっている。労働者の反対の声は、港湾倉庫労働者・ソーシャルワーカー・トラック運転手・看護師・自動車労働者・郵便労働者など広範なセクターの労働組合から起きている。

 アメリカ労働者・労働組合におけるこのような反戦運動の息吹とエネルギーは、現代アメリカ史において前例がない。我々の目標は、USLAWの傘の下で結束した反戦運動を持続的に築いていくことである。

 約10日前、我々は世界中の労働組合の仲間たちに呼びかけ、この記者会見と国際労働者宣言の公表に至った。


■ ミック・リクス :イギリス鉄道運転手組合書記長

 イギリス鉄道運転手組合は平和とインターナショナリズムに向けて闘っている。我々はイギリスの「戦争を止めろ連合(Stop The War Coalition)」の結成メンバーのひとつである。「戦争を止めろ連合」が組織した土曜日のロンドンにおける歴史的な反戦集会には200万人もの人々が参加した。

 イギリス労働組合会議(TUC)の特別会議が開かれ戦時のアクションについて話し合われた。鉄道運転手組合は、我々にとって不当である戦争に対して軍事物資の鉄道輸送を拒否する。

 イギリスの反組合的労働法に対抗するアクションからメッセージをもらっている。「もし戦争が起きたら、広範なアクション・大規模な労働運動を予定している。ブッシュとブレアは多くの人々の反対を無視して、武力による体制変革と石油を求めている。我々の名を使ってこの戦争をするな。」


■ シャロン・バロース :オーストラリア労働組合評議会(ACTU)会長

 オーストラリアの労働者のほとんどは戦争に反対しています。私たちは金曜夜の反戦デモに参加しました。

 ご存じのようにハワード首相はアメリカ大統領とブレア首相に戦争推進を先導しており、私たちは国民としてこれを恥ずかしく思います。罪のない人々が更に耐え難い痛みを被ることになるでしょう。ブッシュとブレアとハワードが国連で戦争を強硬に主張しはじめている中で、私たちはなし得る限りあらゆる方法で戦争への抵抗を続けていくつもりです。


■ ルビーナ・シャミール :全パキスタン労働組合(APTUF)連盟会長

 全パキスタン労働組合連盟(20万人を組織)を代表して報告します。私たちは何百万人もの戦争に反対する人々を統率しています。

 戦争はこの地域の統一性と安定を壊すことで、一般の人々とりわけ貧しい階層に悪影響を与えます。戦争は罪のない人々の、女性子供たちの命を奪い破壊する犯罪行為です。ブッシュ政権によるアフガニスタン攻撃によって何十万人もの人々が殺され、家を失い、また多くの人々が国外に行き、保護もないまま生活しています。

 戦争は私たちの一体性を破壊するとともに、労働者の権利を破壊します。ゆえに私たちは戦争に反対します。

 パキスタンの労働者階級は戦争に反対しています。APTUFもこの国際法違反の戦争に強く反対します。アメリカの戦争政策は石油支配のためのものです。私たちは、平和、自由、民主主義、そして雇用を求めます。

 イラク戦争を止めるために闘っているアメリカの労働者たちに連帯を伝えたいです。アメリカの議員の方たちにも呼びかけたいです。どうか戦争を止めるために動いて下さい。なぜならすでに多くのイラクの女性・子供たちが死んでいます。また多くの人々が傷病で苦しんでいます。

 もしも戦争が起きていつものように当局が動員を始めたら、国中で反対集会を組織し、ハンガーストライキをし、アメリカ大使館とパキスタン政府に対するプロテストを展開します。パキスタン政府はIMFの指令を受けておりブッシュ政権に味方するからです。


■ エンゾ・ベルナルド :イタリア労働総同盟(CGIL)国際局長

 CGILは500万人を組織しています。労働者だけでなく全イタリア人の圧倒的多数が戦争に反対していると確信しています。

 2月15日ローマで、200万人が参加した第二次大戦後最大の反戦集会を行いました。多くの労働組合、若い人たちの団体、カトリック運動団体などが参加し、この戦争は私たちのものではないと訴えました。

 当然、私たち労働運動はすべてテロリズムに反対しています。私たちはテロをよく知っています。というのも私たちの国では70年代からテロと闘ってきました。しかしこの戦争はテロリズムの解決にはなりません。それどころか後に多大な問題を産み出すと確信できます。

 平和への唯一の道は、戦争ではなくてすべての人々・労働者の権利と安全を守ることなのです。この運動に参加している仲間たち、そしてこの電話を聴いている人たちに申し上げたいのは、私たちはみんなで一致すれば状況を改善できるということです。


■ 日本・全労連の声明紹介

 − 日本の全労連から寄せられた声明(メッセージ)を抜粋で読み上げます。全文

「2月15日を頂点として全地球をかけめぐった反戦行動のうねりは、対イラク戦争へのカウントダウンにブレーキをかけ、人類の理性と勇気を取り戻させた。・・・われわれ全労連と140万人組合員は、世界を破局の淵に追いやることになるブッシュ政権のイラクへの一方的な戦争を止めるよう強く要求する。・・・われわれはまたイラク政府にたいしても国連決議の無条件かつ誠実な実行を求めたい。」

 「われわれはまた、広島・長崎の被爆国国民として、大量破壊兵器への反対は選別的ではなく、すべての国に一律に適用されるべきであること、また、その究極の解決が核およびその他の大量破壊兵器の全面廃絶にあると主張する。・・・ われわれは日本政府にたいし、アメリカのイラクへの武力攻撃に反対を表明し、いかなる形であれアメリカの不法な戦争への協力要求を拒否することを求めて、広範な国民諸階層と手をむすび運動をすすめている。」


■ ジェイモン・ハッセイネ :アラブ労働組合国際連盟書記長

 私たちの連盟は中東12ヶ国の労働組合センターに組織されているる3500万人の労働者を代表しています。アメリカの労働運動家たちの呼びかけに賛同します。私たちは明確に戦争反対の立場をとっています。こうした戦争はアラブ地域を不安定にして崩壊させると思います。この戦争計画の目的はアラブの安定・平和・民主主義・公正のためではなくて、米国はじめ諸外国の石油その他の資源への支配のためのためです。

 − 組合はどのような活動をしていますか?

 私たちの労働組合は、各国いたるところで反戦集会・街頭デモなどを組織してきました。私たちは、平和・戦争反対、自決権・自らの指導部を自ら決める権利を求めるという明確な立場をとっています。14日金曜日には私たち連盟はチュニジアの首都で大きな集会を組織しました。


■ ジュリオ・トゥラ :ブラジル中央統一労働組合(CUT)執行委員長

 CUTはブラジルの900万人労働者を代表しています。中央執行委員がUSLAWの声明への賛同を決めています。

 CUTはブラジルすべての地域でのイラク戦争に反対する広範な連合体・コミュニティ作りに関わっています。2月14〜15日には20都市でデモンストレーションを行いました。サンパウロには3万人、リオデジャネイロには1万人が参加しました。

 私たちCUTはブッシュ政権のイラク攻撃を、人民の主権に反してブッシュが世界中を支配しようとしているのだと見ています。ここブラジルで私たちが行っている反イラク戦争の闘争は、FTAA(米州自由貿易圏)に対する闘いとつながっています。

 もし私たちの願いにもかかわらずイラク侵略を止めることができなかった場合、攻撃が行われた日すぐに、労働組合・学生その他の人々に呼びかけてアメリカ大使館周辺での巨大なデモを敢行する決議を採択しました。

 我々のルーラ大統領の平和を守る立場は、大多数のブラジル人民の想いを代表しています。


■ ジュディ・ドロシー(カナダ公務員組合会長:CUPE)

 CUPEは50万人公務員を代表するカナダ最大の労働組合です。カナダ自動車労組とカナダ郵便労組もこの電話会見に参加しています。各組合メンバーは戦争に反対してきました。私たちの組合は平和は労働者と労働組合の問題であると考えており、精力的に運動を組織してきました。

 カナダでは2月15日、77の地域で様々な反イラク攻撃のマーチやイベントが行われました。そのうち最大のものには15万人が参加し、他の都市でも数万人が参加しました。

 カナダの圧倒的世論が戦争に反対している中で、カナダ政府はイラク攻撃に反対する明確な態度をとるべきです。むしろ貧困との戦い、ホームレスやエイズなどの問題に取り組むべきです。そしてカナダの労働者と労働組合運動は、断固として戦争を拒否し、世界の人々とともにこの問題についての平和的解決に向けて運動を続けたいと思います。


■ クレア・ラランデ :ケベック労働組合(CSQ)国際局長

 私たちは完全に違法であるこの戦争に反対します。去年の11月に私たちが最初に組織したマーチには1万人が参加し、二度目の1月のマーチには2万5千人が参加、そして2月15日には15万人を組織しました。首相に面会して彼を明確な反戦の立場に変えることを全国の労組に呼びかけています。


■ 民主労総(KCTU)の声明紹介

 − 韓国の民主労総からリ・チャンギョン国際局長からのメッセージを紹介します。KCTUからの連帯声明

「アメリカは北朝鮮の核問題を持ち出して、朝鮮半島でもう一つの戦争を計画している。アメリカは核の先制攻撃のみならず石油等の供給停止によって北朝鮮を脅している。韓国の人々が平和的な解決を決めているにもかかわらず、アメリカは朝鮮半島への駐留軍を追加して軍事的緊張を増幅している。」

「みなさんアメリカ軍の圧力による朝鮮半島情勢の悪化に関心を寄せて下さい。」


■ ポール・バルビエ :フランス労働者の力(FO)教育文化局長

 私はFO加盟の教員組合の書記長をしています。今日はFOの教育文化労働者全国連盟(教育・文化関連労働者など)を代表して参加しています。FO「フランス労働総同盟“労働者の力”」はフランスの主要労働組合センターのひとつで、AFL-CIOなどとともに戦後直後に国際自由労連(ICFTU)を作りました。

 教員である私たちは学生たちに戦争のことを教える大きな責務を負っています。FOに加盟する数百の組合および他の労働組合センターはこの戦争に反対し、反戦運動の幅を広げ質を深めるためにすべてのことをしています。

 また私たちは、世界中の教職員組合によるこの戦争への世界規模での対応を提案しています。もしもアメリカ政府が世界中の労働者の意志を無視してこの戦争を決定したら、教育労働者を小中学校・高校・大学に集め、組織的アクションを話し合うつもりです。

 世界の労働者が結束してこそ平和が実現できるのです。


■ フランシスコ・エルナンデス :メキシコ全国労働者同盟(NUT)共同会長

 NUTには全産業300の組合が加盟しています。私たちNUTは2月15日の反戦デモに参加し、平和のために闘っています。中央執行委員会でUSLAWを支持してこの国際記者会見に参加することを決めました。

 近日中に私たちは、戦争に対抗する人々を組織する「労働組合大衆戦線」を結成します。そしてスペインのアスナール首相がメキシコを訪問して政府に戦争支持を要請したら、私たちが拒絶したいと思います。


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