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朝鮮大学校訪問記

 東京都小平市に朝鮮大学校がある。朝鮮大学校は、今年創立45 周年ということで、創立記念フェスティバルを学外者にも開放して いた。学外者への開放は、5年ぶりだという。比較的近くに住んで いる私は、いい機会なので興味もあり行ってみた。玉川上水のすぐ 脇にある学校は、それほど大きくはないが、立派な建物だった。  中に入ると、当たり前のことだが、朝鮮語と日本語が入り交じっ て飛び交っている。どうも学外からの訪問者も、ほとんど在日朝鮮 人のようで、日本人は少数のようだった。学生が出店を出している のは、日本の大学の学園祭と変わらないが、売っているものが、キ ムチ炒飯だったり、朝鮮風冷麺だったりするのは、おもしろかっ た。

   

 グラウンドの中央に作られた舞台では、チマ・チョゴリのファッ ションショーをやっていた。チマ・チョゴリも現代風にアレンジさ れたものが、たくさんあるようで色合いもデザインも多彩で、これ もまたおもしろかった。チマチョゴリのウェディングドレスまであ るのだ。こんな衣装が学校にあるのはヘンだな、と思っていたら、 在日朝鮮人向けの結婚衣装レンタル業者があるそうで、そこから借 りてきているとのことだった。在日朝鮮人同士の結婚相談所なども あるそうだから、そうしたものがあってもまったく不思議ではない のだが、あまり考えたこともなかったから、それもまたおもしろ かった。ファッションショーの次は、テッコンドー部の演舞だっ た。テッコンドーを間近で見るのは初めてだったが、口にくわえた タバコを回し蹴りで落とすなどの切れ味の鋭い技には圧倒された。 最近、ユニクロのCMで若い男がテッコンドーをしているのがある そうで、その男性はこの学校の卒業生であるとのことだった。司会 者は、日本語と朝鮮語両方で進行していた。観客どうしも朝鮮語と 日本語のチャンポンで会話をしており、本当に楽しそうだった。私 は朝鮮語がわからないので、ちょっとした疎外感を持ったほどだっ た。

 活き活きとした朝鮮民族の民族意識を見ることができて貴重で楽 しい一日だった。

 しかしながら、日本国家と日本人が在日朝鮮人へしてきたことを 思うと、私は気が重くなってしまう。現在も、永住外国人にたいす る地方参政権を付与する法案がつぶす動きと同時に永住外国人にた いする日本国籍取得緩和法案が出されている。「選挙権が欲しけれ ば日本国籍をあげるから、さあ日本人になりなさい」というわけ だ。一日本人として、こういう恥ずべき状況を変えていかねばなら ないと、あらためて反省しながら、「それにしてもタコキムチ炒飯 はなかなかうまかった」などと思い出しながら帰途についた。

追記:最近読んだ朝鮮関連の本で考えさせられた本を以下に紹介し ておきます。

 金石範 『新編「在日」の思想』 講談社文芸文庫

 徐京植 『分断を生きる』 影書房

河添 誠

(写真は高幣真公さん提供)


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:40:41 / Last modified on 2005-09-04 20:46:39 Copyright: Default

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