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名古屋コラム

郵政首切り20年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 米国同時多発テロに思う

 

 世界最大のテロ国家である米国のペンタゴン(武力)と貿易センタービル(金力)に対して、9月11日、残虐非道なジェット旅客機の激突テロがなされた。死者・行方不明者は、約80ヵ国の6729人(9月24日現在)にものぼる。家族友人の悲しみと怒りは測り知れない。下働きの労働者を含め何の罪の無い人々が、またもや犠牲になった。シアトルの反グローバリズム行動の主軸を担ったAFL−CIOの組合員千人以上の人命も奪われた。

 無差別テロは、本来手を取り合って共に進むべき米国民衆を殺し、敵の側へ追いやってしまう。彼らは、勝利することはできないし、また誰も、この人権無視の彼らを指導部とする未来社会を望まない。世界民衆の国際連帯こそが、米政府の同様な残虐テロに勝つ道だ。この世界の真実の対立軸は、国家対国家や民族対民族ではなく、米政府を中心に連携する諸国の政府支配層対連携する諸国の人民だ。国際連帯は遠回りではなく、唯一の近道なのだと思う。

 今回のテロに対する悲しみと怒りを共有すると同時に、この何万倍・何百万倍の殺傷をし続けている米政府のテロに対する悲しみと怒りを共有する。国際連帯は、冷徹な戦略であると共に、ハートフルな感情と意識でもある。

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 オサマ・ビンラディン(95年の米連邦ビル爆破事件の際にも犯人と断定され宣伝されたが、後に、米国内過激右派白人の犯行と判明)が「米の同盟国も同じくテロの対象だ」と言えば、ブッシュ大統領も「犯人だけではなく犯人を隠した奴にも報復だ」と言う。ブッシュはビンラディンに似ている。金と武力の脅しでパキスタンに寝返りを迫ったり、米の言う「ならず者国家」と手を結んだり、この無節操・仁義無き戦争」に、号令一下、諸国政府を追従させ世界を巻き込んだうえ、「善と悪の闘い」と自らを美化する。

 米政府は半世紀以上に及ぶイスラエルの侵略を支援、ガザ地区西岸の失業率は50%、人々を絶望の淵に追いやり自爆テロへと追いやる。化学兵器のテロを恐れる米政府は、宣戦布告無しのベトナム侵略戦争でダイオキシン枯葉剤テロをし、且つ大量の爆弾で300万人を殺した。83年グレナダ、86年リビア、91年イラク、99年ユーゴ等で多数の子供・市民へ爆弾・ミサイル・劣化ウラン弾を撃ち込んだ。エシュロンによる全世界的盗聴網など含め、世界最大の情報操作力を持つ米政府は、これらを「平和のための戦争」と描きだす。

 また米国は世界最大の武器商人でありテロ工作国でもある。敵指導者の暗殺も内戦や軍事クーデター工作もやり放題。米政府が主犯というビンラディンも、元々は米CIAと協力関係にあり、米国とサウジから2兆円以上の金と武器を援助されていた。米テロ政府がテロ組織を育んだ。「臭いニオイは元から断つ」なら、「テロ撲滅」を叫ぶ米政府が自らを撲滅すれば、その望みはかなう。

 本来イスラムは多元主義的普遍主義で平和主義であり、イスラム復興主義(原理主義)は少数派で、その中でも暴力容認は更に少数派だ。石油利権等をめぐる米ロ等の長年のパワーゲームと、中東諸国(イスラム政府等)の非民主的な腐敗政府との結託、これらの人権抑圧・穏健派弾圧による絶望が、復興主義暴力派の基盤を培う。そして極端なタリバーンという勢力を作り出す。

 米本土自体が戦場となったことはなく、ベトナム以降は身の安全を保障された上空等から「陽気に」ハイテク攻撃をしていた米兵士。今回のテロ報復戦では、この兵士=若者たちに生命も捧げよと、米政府は扇動する。そして確実にアフガンの一般市民が多数殺される。米国では銃と防毒マスクの売れ行きが急増中だが、アフガン国境では家も捨てた難民が万余も新たに生まれている。

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 小泉首相はこの時ばかりと、諸法を無視して護衛艦出動など、戦争のできる国造りに突き進む。米軍の出撃基地があるだけで十分「参戦国」であるのにも飽き足らず、テロ対象国へと立候補する。「日本を守る」ためという日米安保が戦争を引き寄せる。

 米では、テロ防衛を口実に、情報制限や盗聴拡大や外国人への別件逮捕などが始まっている。日本でも、例えば、原発テロ防止などを口実に監視・管理社会が強まる危険がある。原発テロを防ぐ一番簡単な方法は原発を無くすことなのに、そして、湾岸戦争の際に表立った悪さはしていない日本が調停・提案・平和憲法的方向での提言などなせる位置にあるのに、そして、アフガンをはじめ中東諸国の貧民・難民への援助がテロの基盤を消失させていくことになるのに、小泉純一郎はこれに気が付かない。

 ブッシュもビンラディンも小泉も、更に、狂牛病の農水省もサリンの麻原尊師も、更に更に、4・28で首切りした郵政官僚も全逓本部も、皆、同じ穴のムジナなのだ。他方、マスコミ報道は少ないが、米でもイスラエルでも日本でも、世界各地で「報復戦争反対」の取り組みがなされている。反戦と人間愛とそして国際連帯の詩「イマジン」が、米最大ラジオ局の放送禁止一時指定にもかかわらず、世界に響いている。      

2001年9月26日 名古屋哲一(4・28免職者)

郵政九州労組・郵政近畿労組大阪北「機関紙9月末号」掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


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