本文の先頭へ
LNJ Logo 名古屋コラム06
Home 検索
 


名古屋コラム

郵政首切り20年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 世の中マジックだらけ

 マジックが嫌いだ。見ていて、種が解ってしまうと面白くないし、種が解らないと悔しい。それなのに、TV番組を録画しておいてスロー再生などし、2回も3回もスロー再生し、この忙しいのに、10分のマジックを30分もかけて見ることになってしまう。そんな事をしているから時間が無くなるのだとお思いかもしれないが、それはともかく、そういう訳でマジックが嫌いだ。

 それに何もわざわざマジック番組を見なくても、この世の中、毎日毎日がマジックのようなもので満ち溢れているのに・・・。

 1) 今年4・28反処分22周年行動日の前々日のこと。ボクは郵政事業庁の窓口担当官へ電話をし、「申入書の検討結果をFAXで知らせるという約束が守られていない」と抗議した。「そんな約束はしていない」と居直るので、「明後日の昼そちらへ行くからちゃんと対応を」と言ったところ「エッ! こちらではなく総務省の方へ行くのでは?!」と担当官は、あわてふためいた声をだした。ボクも、平静を装いつつもちょっとあわてた声で「行くのは省だが、庁も総務省の外局なのだから、あなたから省へちゃんとした対応をと具申できるでしょ」などと取り繕ったのだった。

 そして当日。ボクは仲間のSさんに「今日の抗議先は庁ではなく省だよ、間違わないでね、と仲間へ宣伝していたボクでさえが担当官との電話の際に間違えたのだから、きっと何人かは間違えて庁へ行くと思う」と、庁の方へ案内役で行ってもらった。庁から戻ってきたSさんの報告。「間違えて庁へ来た人は誰もいなかった。つまり、間違えたのは名古屋さん一人だけ。その代わり、庁は、鉄門を閉め守衛を多数配置して今来るか今来るかと待ち構えていたよ」。ボクとSさんは笑ってしまった。あの担当官は「省へ行く」というボクの言葉を、信じてはくれなかったのだ。

 「何気ない」ボクの一言が庁を動かす絶大な力を秘めていた。これはマジック? それとも只の不信感とトンチンカン? 来年も試みてやろうと思う。

 2) 三多摩ピースサイクルは、7月18日、初めて「米軍多摩サービス補助施設」という米軍基地へ行って中を見学した。ゴルフ場・野球場・乗馬場・射撃場・キャンプ場等々、米軍関係者のみが使える、多摩丘陵内のとてつもなく広大な福利厚生施設だ。権力中枢にいた自民党政治家の「思いやり予算」の一言で、つまり法律で決められたわけでもないのに、この快適なレクリェーション施設はボクらの税金で維持されているらしい。庁を動かしたボクの一言などは、屁のようなものだ。マジックは大掛りになるほど、種は単純だという。

 郵政労働者・日本労働者の福利厚生施設は? 沖縄でこの何百倍・何千倍もの思いやり予算が投入されて、その基地に隣接する人々の生活と被害は? 日本の侵略戦争により死者2千万人をだしたアジアの人々の戦後補償は?・・・「米軍多摩サービス補助施設」は、戦中8年間、日本帝国陸軍の火薬製造所だった所で、ここで作られた爆弾が侵略戦争に使われた。しかも、朝鮮人数百人がこの火薬製造所の土木工事に動員され、苛酷な労働を強いられ、死者もだしている・・・戦後から今日に至るまで半世紀以上も米軍が「占領」し続けている「おかげ」で、乱開発される事無く、緑と自然と、そして戦争遺跡も残され、ボクらはそれを見学することができたのだった・・・。

 「新しい歴史教科書をつくる会」の連中は、ズルでもって教科書の市販本を出すなどした後の7月2日、「3年半の東京裁判」記述は間違っていたと「2年半」へ訂正した。東京裁判は「自虐史観」の出発点として、巨費を使い何年間もの大キャンペーンをしてきた目玉商品だ。こういう、致命的な、即ち、命を落とすような痛手を何回繰り返しても、彼らは全然傷付かない。マジックだ。普通なら、とことん恥じ入ってしまうはずなのに、全く大威張りのままだ。これは、「どうせ自分は恥の上塗り人生さ」と、とことん自虐的になっている人にしかできない芸当だ。「自虐史観」に反対する自虐人間。マジックだ。

 自転車で全国をつなぎ、8・4〜5六ヶ所村、8・6広島、8・9長崎(8・8平和を考える長崎集会)へと向うピースサイクル。こんな一銭にもならない汗だくの旅ネットワークを、千人もの老若男女がかかわり実現する。産経の資金援助も無しに!

 これは「つくる会」の連中から見れば、マジックだ。

2001年7月 名古屋哲一(4・28免職者)

郵政九州労組・郵政近畿労組大阪北「機関紙7月末号」掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:41:15 / Last modified on 2005-09-29 06:44:53 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について