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名古屋哲一のコラム

 

郵政首切り20年・名古屋哲一の月刊コラム NO.2

  矛盾はバブル乱造された

 「この矛(ホコ)はどんな盾(タテ)でも突き破りまっせ」「この盾はどんな矛でも突き破りませんのや」と売り口上を述べて「矛盾」という単語をこの世に残した、大昔の中国商人のシンプルさが、可愛らしくさえ見える今日この頃です。

 昨年5月30日の4党合意案の国労本部受入れ以降、矛盾は矛盾を呼び、そして今年1月27日「戒厳令下の国労大会」での承認を経て後、矛盾はバブル乱造され錯綜し絡み合い、複雑奇々怪々・摩訶不思議とあいなった。このほんの一部だけをご紹介。

 寺内新書記長。「4党合意を承認した以上、もう全面解決要求はなくなった」と当初は「理論的には正しく」述べていたのに、大会文書では解決要求が唱えられていた事など批判にさらされてすぐに前言を撤回、「要求堅持」を公言した。そして彼は、前言との矛盾を説き明かしてはくれないのだ。更に、組合の執行部が組合の要求に関して何も解っていない、この目茶苦茶矛盾についてさえ、何も説明してくれていない。不親切過ぎやしないかい?

 3月15日には、与党3党と社民党の4党が国労本部から意見聴取をした。この4党や国側にしても、もう国労本部の2枚舌はいい加減にしなさいと、水面下非公然話合いを拒否してのヒヤリングだった。何せ、大会4回目にしての機動隊千人との「共闘」によってしか4党合意承認が実現せず、しかも肝腎の闘争団解体はできていない。こんなはずではなかった。これは不信感を抱くほうが正しい。

 「JRに法的責任はない」ことと「解雇撤回の最高裁提訴という追加方針」を同じ大会で決めたわけだが、これは矛盾しているのではないかと、4党側は「正しくも」質問してきたわけだ。「追加方針」は大会乗切りのための方便であることは十分承知してはいるのだが。それで本部は「矛盾を責任持って解消していく」と答えたのだった。

 それでそれで、翌日からの本部による北海道闘争団オルグ。手ぐすね引いて待ち構えていた闘争団からの追及に対して「訴訟は解決時までは降ろさない」と田中副委員長。「訴訟の判断は、社民党との折衝過程で、解決のメドが立ったと判断したとき」と高嶋委員長。「2人の話は矛盾している」と追及されても、本部は矛盾を解消する答えを言えなかったのだった。

 一方、4党協議会座長・自民党の甘利明氏も矛盾のるつぼにはまっている。記者会見の席上「訴訟をやっているのは中労委であって、国労が取り下げるわけにはいかないのでは?」「中労委が『JRに法的責任あり』と提訴しているのに、国会議員が中労委の顔に泥を塗るというのは?」「甘利さんは元労働大臣。労働省の機関である中労委の機能まで否定する?」という質問に、「そういう理屈論じゃなくて」云々と、理屈を無視することを要求したのだ。さすが、という他ない。理屈に合わないから矛盾というのであって、その理屈を無視しちまおうって言うんだから、これはもう究極の矛盾脱却法だ。

 真に矛盾から自由なのは「闘う国労闘争団」だけ。そして、この原則を貫く人々が存在するからこそ、様々な矛盾が明らかにされている。でなければ、糞味噌ごちゃ混ぜに闇の中へ葬り去られていただろう。

 ILO第2次勧告の是正を求めジュネーブ派遣団を送って成果をあげたり、独自事務所準備や独自ビラまきをしたり、3月30日には「支援の総結集を呼びかける集会」を組織したり。「国労一家主義」の矛盾から自らを解き放つ闘いを進め、胸を張り自立した活動へ踏み出している。支援戦線も再編過程のなか、心ある人々の幅広い参集が見えてきた。各地域での新たな支援づくりが課題だ。この広範な結集の実現は、国鉄闘争だけではなく、労働運動総体の新たな再生の核となっていくだろう。

        *   *   *

 4・28免職者の全逓本部からの91年首切りは、「10・28労使協調確認」から10余年、現場組織を基本的に押さえ付けてからの裏切り・弾圧であり、現場との力関係や共闘の存在など、国鉄闘争とは異なっていた。

 98年末の最高裁勝利決定を受け、組合員資格を奪い返した原告4人との交渉でも、全逓本部は「貴方たちには謝る必要はない。裁判所の慰謝料10万円支払い命令に従っいもう決着済みだからだ。悪いことはしてないからだ」と、激烈な矛盾を口にして平然としていた。「悪いことをしたから慰謝料を払ったのでしょ。慰謝料ってのは謝る料金と書くんでしょ」と、懇切丁寧に説明してあげても「謝らない。矛盾していない」を繰り返していた。このことをビラにしても、現場の人は皆とうの昔に全逓本部のダメさ加減を熟知していたので、表立った反応はほとんどでなかった。

 とはいえ、本部による首切りから10年弱、郵政全労協や現場・地域の仲間の支えで、4・28闘争は健在し続けられているし、毎年4月28日の全逓本部抗議申入れ時には、全逓会館は書記さんも含め全員がモヌケノ殻、逃げ惑うしかない姿を晒すという矛盾のなかに、本部は居続けている。

 4月27日(金)、4・28反処分22周年全一日行動<総決起集会:午後6時30分・文京区民センター>への参集をどうぞよろしく。

 名古屋哲一(四・二八免職者)

 


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:41:14 / Last modified on 2005-09-29 06:44:53 Copyright: Default

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