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名古屋コラム

郵政首切り20年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 笑顔は昔のままだった

  まったく思いがけずに「同窓会」をやってしまった。チャーミングな女性5人との「同窓会」・・・2月初め、重度身体障がい者50人ほどが暮らす都立日野療護園の近くで、まず1年ぶりに会う通称「オカーサマ」と落ち合った。それから15年ぶりだかになる「志野のバッチャン」のアパートへ歩いて行った。71歳のバッチャンは、日野療護園に居るとき自治会運動を支えたり、他の入居者らと共に「おちかわ屋」という有期野菜などを売る店を園の傍に創ったり していた。10年以上前に退園し、今は介護保険のヘルパーさんらの介助で地域での自立生活を送っている。

 そこへナント、数年ぶりの「ユッコ」と30年ぶりの「コモちゃん」が来て、「ノリちゃん、久しぶりだね〜」とか言うのだった。「ノリちゃん」と可愛らしい呼び名で呼ばれた人物は、哲一と書いてノリカズと読む名前をもつ、呼び名にふさわしく可愛らしいボクであった。ご一行は昼飯を食べに外出、そして食堂へ駆けつけた約30年ぶりの「悦ちゃん」ともご対面できたのだった。善人を絵に描いたような人をホットさせる笑顔は昔のままで、そして他の人も皆昔のままで、何かホットしたのだった。

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 1972年9月18日から74年6月5日までの1年9ヶ月、都庁玄関前にテントを張って座り込みを続けた「府中療育センター移転阻止闘争」が闘われた。これだけ長期間昼夜を共にしていれば・・・テント闘争前後を含めればもっと長い・・・障がい者も支援学生の健常者も、皆兄弟姉妹のようになっている。山奥の「多摩厚生園」へ在所者の意思など100%無視して強制移転しようとした東京都に対し、「隔離は嫌だ」と障がい者自らが声をあげ・・・当時とても画期的なことだった・・・交渉を実現させ、署名運動をして、遂に第一庁舎前でテント闘争へ突入、障がい者自身のハンスト、73年9月の美濃部革新都知事への直訴などを経て、都議会議長の斡旋でテントをたたみ、その後交渉など様々な経緯をたどって、81年7月に日野療護園が入居者の人権に配慮するものとして開設、支援者の何人かも職員になった(また、テント闘争を共にした「おキヌ」は支援の「ヘイ太」と結婚、国立市で「ワンステップ・かたつむり」という会を創り、障がい者の地域自立生活のための活動を続けている)。

この闘いは単に「強制移転」だけを問題にしたものではなかった。都への要求項目の中には施設での「外出・外泊の自由化」や「面会の自由化」や「入浴の同性介護」等があるように、人間らしい生き方や主体性などを奪われ尽くしている事へのすべてを投げ打っての反逆だった(影書房「施設と街のはざまで」日本社会臨床学会編96年発刊2884円のオビには/「障害者」の自立をめぐって・・・「府中テント闘争」の意味=日本における脱施設・反施設運動の起点/と記載されている)。

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 「ノリは今どうしているの?」と聞くので、「4・28から」と毎月のこの投稿文(レイバーネットや郵九労等機関紙掲載文)を手渡した。チラシの有効活用だ。皆も、地域福祉権利擁護事業や障がい者施設に勤めて活動していたり、高次脳機能障害問題に関わっていたり、日野療護園を退職して「バッチャン」と一緒にNPO法人「やまぼうし」の理事さんをしていたりだった。昼食後、「やまぼうし」の運営する重度知的障害者生活寮「わんど」を見学し、心身障害者通所授産事業「交流サロン・べらもんと」で紅茶を飲んだ(ここに勤務している元「光の家」争議当該のMさんとも15年ぶりくらいに再会した。何だ、世間は狭いのだ)。風邪ひき中なのに、その後2人と夜遅くまで赤提灯に居座り続けてしまったが、これは仕方の無いことだ。

テント闘争の友人たち。裏切りとか足を引っ張るとか利己主義とか寝技とかに無縁な人々の珍しい集団。彼/彼女らがいけないのだ。闘う人々は皆こんな人ばかりだと勘違いしてしまった若いボクは、その後、支部役員らまでも含む全逓活動家の変節に当初アッケにとられるばかりでヤラレ放題になってしまったのだった(日野療護園の自治会と労組には、「免職者の再配置問題」で81年犠救給与停止時にチリ紙交換をしていた際助けてもらった。また労組の人とは何年か前の多摩ピースサイクルで一緒に走ったし、4・28物販でも大変お世話になった)。

名古屋哲一(郵政4・28免職者)

郵政九州労組・郵政近畿労組吹田千里支部「機関紙2月末号」掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:41:05 / Last modified on 2005-09-29 06:44:52 Copyright: Default

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