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名古屋コラム

郵政首切り20年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 「連中」を告発するフランス音楽グループ

 「すべてがうまくいっていたのに!」という歌が、フランスのグループ「JOLiE MOME」のアルバムCDに収録されている。数人の男女の歌声は皮肉っぽい響きをおびて、延々と「連中」を告発し続ける。

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そう 2001年9月10日だ。

この日にはまだ すべてが上手くいっていたのに!

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株の持ち主は 何もしないのにひと財産を築き

さらに左翼の価値観は 人道主義に取って代わられ

連中は巧妙な禁輸政策で 人々を飢えさせ

連中は戦車や大砲やロケット砲を売買し 私腹を肥やしていた

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 日本では久しく聞いていない実に率直な物言いで、フランスの文化土壌や運動情勢の高まりが思い浮かぶ。他に「マクド(ナルド)のマック・ストライキ」という歌もあり、この2曲のみに訳詞が付いている。・・・「フランスの文化土壌」と今ボクは書いたが、もちろん、読者は筆者の教養レベルを勘案しながら読む必要がある。筆者は、ハリウッド映画にはチト真似ができそうもない「奇人たちの晩餐会(98年)」や「8人の女たち(02年)」という、こってりとしたユーモアと風刺が効いたメチャ面白いフランス映画を見たことがあるという程度なのだから。

 収録されている歌は皆悪くはないが、ほとんどの歌のバックにアコーデイオンらしき音が流れ、人それぞれの好みによるのだが、「ロックギターでギンギンにやってもらった方が良いのに」といった感じが残る曲も多い。お薦めは11番目と12番目の曲で、2曲が一つながりになり、アコーデイオンではなくシンセサイザー等がバックに使われている。

11番目の曲。メロデイーは無く、爆弾の炸裂する音のもと、男が一人、語り 訴え叫び続けている。そのまま12番目の曲へとつながっていく。哀調をおびた静かな美しいメロデイ−から始まり、続いて曲調が一転、頭をもたげ胸を張り、抵抗とか抗議とかを思わせる力強い歌声となって、最後にまた爆音のもとでの男の訴え叫びが挿入される。ハーモニーも綺麗だ。

 この曲の歌詞と題名を少し紹介しておきたい。ボクがフランス語訳に挑戦するのは生まれて初めての出来事だ。だが、「ボンジュール」も「ジュテーム」も「マドモアゼル」も、つまりボクの知っているフランス語は一言も出てこなかったので、一言も翻訳ができず全く内容を紹介できない結果となってしまった。誠に残念。

 しかしこの曲が飛び抜けてGoodと思う。ボクは歌詞を大切にする方なのだが、でもやはり音楽は音の響き(胸の琴線の共鳴)なのだろう。昔々、中学生の時にビートルズが登場してきたが、英語など解らないまま皆ビートルズにイカれてしまったのだった・・・ついでに言うと、歌詞の内容が「正しい」かどうか、とりわけ「政治的立場が正しい」かどうかの視点から曲(芸術)を評価する人もいるが、こういう「プロレタリア芸術論」というのはスターリニズムの最悪の遺産に他ならない。

*        *       *         *

 このCDは、9月13日の「グローバル・ピースマーチ(No War! No WTO!)」の時「アタック・ジャパン」のテントで3000円で買った。このテントには、電通労組と共に郵政の仲間(伝送便、郵政全労協、4・28ネット)も少数ながら参加、池田実免職者らが今年訪仏して「SUD(郵政)」と交流した報告パンフ(只今200円で販売中)等も置かせてもらった。国際連帯は楽しい。

                             名古屋哲一(4・28免職者)

郵政九州労組「機関紙9月末号」掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:41:03 / Last modified on 2005-09-29 06:44:52 Copyright: Default

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