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●映画「ビルマVJ−消された革命」

武器はハンディーにケータイ 軍事独裁を「可視化」した映画

 ビルマ(ミャンマー)といえば、軍事独裁国家で、旧首都ヤンゴンには大きなパゴダ(仏塔)があって、民主化運動のアウンサンスーチーを長年自宅に軟禁している、世界に窓を閉ざした国──そんな印象しかない。映画も、2年前にスイス人が観光用PRと偽って撮った「ビルマ、パゴダの影で」があるぐらいだ。

 そういう中で、2007年9月の反政府デモに焦点をあてた「ビルマVJ─消された革命」が公開される。日本でも大きなニュースになったAPF通信社の記者、長井健司さんがビルマ兵士に銃殺される衝撃的なシーンも出てくる。  撮ったのはビルマのVJことビデオジャーナリストたちだ。「ビルマ民主の声」という映像通信社を立ち上げ、本部を国外のオスロに置いて地下活動をしている。何人かでチームをつくり、肩かけかばんにカメラを仕込んで、現場に潜入して隠し撮りをする。

 主人公として登場するのは爛献腑轡絅↓瓩般召里觴禺圓如∩粘蕕聾せないようにしている。彼は秘密警察に一時拘束されたことから、タイの隠れ家に逃れ、そこからインターネットやケータイで現場のVJたちに指示する。ニュース映像(隠された現実)は編集して本部に送信され、世界のメディアに配信される。この映画は、デンマークのアンダース・オステルガルド監督らが、ニュース映像を柱にしてそこにVJたちの緊迫した状況の再現映像などを重ねて構成したものだ。

 圧巻は、ヤンゴンの大通りを柿色の衣をまとった裸足の僧侶たちが黙々と行進していくシーン。日を追うごとに僧侶と市民が一体となって通りは埋まり、非暴力で軍隊に立ち向かっていく。♪人々が恐怖から解き放たれますように……貧困から解き放たれますように……といった祈るような歌声が胸に響く。

 これは知られざる国の人々の叫びをハンディーカメラで内側から「可視化」してみせた貴重な作品だ。(木下昌明/「サンデー毎日」2010年5月2日号)

*映画「ビルマVJ─消された革命」は5月15日から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでロードショー、全国順次公開


Created bystaff01. Created on 2010-04-30 11:51:17 / Last modified on 2010-04-30 14:31:07 Copyright: Default

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