本文の先頭へ
LNJ Logo 木下昌明の映画の部屋・91回
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
Document 20100330
Status: published
View

会員関連サイト

more...

●映画「桃色のジャンヌ・ダルク」
明日の「正攻法」では遅すぎる 「ゲリラ」で今を生きるオンナ

「桃色ゲリラ」を見たことがありますか。ある時は渋谷の駅前、ある時は銀座のどまん中、またある時は日比谷の集会で、神出鬼没かどうかは定かではないが、天真らんまんでスキャンダラスに、ビキニスタイルでさっそうと─。

 3年前、筆者は国会議事堂前でビキニの彼女が何やら大声で叫んでいる3分ビデオを見たことがある。大胆なパフォーマンスに警官たちはオタオタしながら必死に止めようとしていた。その彼女─画家の増山麗奈を撮った鵜飼邦彦監督の「桃色のジャンヌ・ダルク」が今度公開される。

 今週は「戦場」の爐瓩らまし畚僂妊ぅ鵐船戦争の実態を見えなくさせる「ハート・ロッカー」に対抗して、日本人の撮った大長編記録の「アメリカ─戦争する国の人びと」(公開中)を取り上げたかったが、どうにも「桃色」が頭にひっかかっていたので紹介することにした。といってもこの映画、傑作というより爛吋奪汽瓩良類に入る。

 映画はゲリラのリーダーで2児の母でもある増山の活動と生い立ちを描く。34歳になる彼女は女である自らの肉体をアートの素材として衆目に晒し、戦争反対を訴える一方、その半生をイメージシーンを使って語っている。彼女の原点はチベットやネパールで医療に従事していた父に連れられ広い世界を垣間見たことだ。高校でチアリーダー、東京芸大ではボディーペイントで自己表現の手法を学び、あちこちで反戦パフォーマンスをくり広げるようになる。岡本太郎の現代賞も取って。戦争のさなかイラクにも飛んで。

 映画の彼女の奔放な活動と私生活を見ていて、ふと、親は泣くに泣けないだろうなあ、とも思ってしまう。

 しかし、就職氷河期の時代、声一つ上げられない若者たちにとって、世間から顰蹙を買おうと、思いたったら声を上げる彼女のバイタリティーは刺激となろう。(木下昌明/「サンデー毎日」2010年3月30日号)

*映画「桃色のジャンヌ・ダルク」は東京・渋谷のユーロスペースで3月27日からレイトショー(全国順次公開)


Created bystaff01. Created on 2010-03-30 17:07:07 / Last modified on 2010-03-30 17:13:24 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について