アジア地域で加速する新自由主義グローバル経済に反対するシンポジウム、「大企 業と大国によるアジア統合に異議あり!」が6月17日、東京都の文京区民センターで 行われた。シンポは、政財界エリートの「世界経済フォーラム(WEF)・東アジア会 議」(6月15、16日・東京)への対抗フォーラムとして開かれた。「脱WTO草の根 キャンペーン」が中心となり、日本の団体だけでなく韓国、タイ、フィリピンの活動 家も招いて、問題意識の共有と意見交換の場となった。また、会場ではタイの女性た ちの作成した衣服も販売され、来場者の目を集めていた。 シンポでは、来日した3人の活動家から、FTAを梃子とする自由貿易体制によって 生じる各国の被害について、具体的な数字を挙げての詳細な報告があった。労働、食 料、農業、軍事分野などで起きている問題が、アジア全体への影響という観点から説 明された。こうした問題への実践行動として、韓国のピョン・ジョンビルさん(韓米 FTA阻止汎国民運動本部)は、「新自由主義グローバル化という大きな波に対抗す るためには、アジアレベルで運動の共同戦略・共同行動を練り上げていかなくてはな らない」と訴えた。会場からは「これまで日本の運動はグローバルな問題になじみが なかった」との声も出たが、今後日本も含めアジアの運動が密接な情報交換のメカニ ズムを作っていく必要性があると確認された。
ダボス会議として知られる世界経済フォーラム(WEF)の地域会 合の一つ。経済同友会が創立60周年の記念事業として共催した。 自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)による自由貿易の促 進と経済連携作りを目的としている。