原発がなくて本当によかった〜能登地震の被災地を訪ねて | |||||||
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堀切さとみ
能登地震から4か月。被災地は今どうなっているだろう。 地形が変わっているので、カーナビではなくグーグルマップを使うようにと言われ、まずは宿泊を受け入れてくれた「正福寺」(珠洲市)をめざす。 【浄土真宗のお寺で】 「一番欲しいのは、お金でもモノでもなく、情報だった」と住職の妻、賀奈子さんが言う。「いつになったら水がでるようになるのか。東北の地震の時はどうだったのかと思いながら、自分を鼓舞していた」と言うが、「福島では湧水があるから断水することはなかった」と鵜沼さん。地域によって弱点は違う。そこに合わせた防災が必要なのだ。
能登では一昨年は震度6弱、昨年は震度6強、そして今年は震度7が起きた。今回の地震で「まさか自分の町でこんなに被害が出るとは」という能登の住民の声を新聞で読み「三度目なのにナゼ?」と思ったと話すと、住職は「去年も一昨年もあったからこそ、もう大きいのは来ないだろうと思ってしまうんですわ」。なるほど。人間とはそうやって、自分を保つものなのかもしれないと、被災経験のない私は思った。 能登半島の北端にある珠洲市は、輪島市に次いで犠牲者の多かったところだ。 全壊した家屋は多いが、解体作業はこれから。公費で解体してもらえるが、新しく家を建てる場合の補助金は600万円。しかも、同じ場所に建てる場合に限るとのことだ。
【珠洲市の避難所で】 石川県は子どもだけでも疎開させることを推奨し、金沢に行った子が多いそうだ。同じ石川県でも金沢市は被害が少なく、子どもを地元に残すか逃がすかの選択を親たちは迫られた。金沢に行った子どもたちはそのまま馴染んで、珠洲には戻ってこないだろうと言う人もいた。人口減少に直結する問題だ。 炊き出しの人たちに、避難先の埼玉で作ったホウレン草を鵜沼さんが届ける。 【隆起の激しさ】 ここに珠洲原発が作られようとしていた。予定地は高屋地区と寺家(じけ)地区の二カ所。どちらも住民の力で中止させた。
珠洲原発に反対した北野進さんに、自宅で話を伺うことが出来た。
【輪島市 朝市通り】 輪島市は漆塗りで有名な観光名所だ。その伝統工芸に惹かれて移住した人も、地震による火災で命を落とした。 【志賀原発のある町】
人口18000人というから、福島第一原発がある双葉町と大熊町を合わせたのと同じくらいだ。「双葉はまだ避難する道路があった。ここで事故が起きたら、住民は逃げられないだろう」と鵜沼さん。 【志賀原発】
もし志賀原発を動かす時が来たら、日本は能登半島を切り捨てたことになる。そう思いながら原発の写真を撮っていたら、後からパトカーが追いかけてきて職質されてしまう。鵜沼さんは「福島の原発事故で避難生活を続けている者です。今回の地震で被災地はどうなっているのか、心配で見に来たのです」と説明した。行く先々で能登の被災者の人たちと心を分かち合う鵜沼さんにとって、当然のことだった。事務的に職務を遂行する警官は、この地域を何から守ろうとしているのだろうか。 正福寺の住職の「人の力ではどうにもならないことがあるのです」という言葉を思い出す。自然の力、地震も津波も、人間にはどうすることもできない。ただ、乗り越えるために人はつながっていく。 「来てくれるだけで嬉しい」と行ってくれる北陸の人々は、温かくて力強かった。道のりは険しくても、能登は必ず復興するだろう。 Created by staff01. Last modified on 2024-05-08 16:38:01 Copyright: Default |