ボクの発明した食事法
名探偵ともなると、チラと他人様の台所を覗いただけでお箸やご飯茶碗の数などから、何人家族だとか何人で食事をしたとかを見抜いてしまう。だがしかし、一人住まいのボクの台所では、洗い桶の中に6膳12本の同じお箸や3つのお茶碗があり、一人住まいの一人での食事とは思い及ばないだろう。
これは何も名探偵の頭を混乱させるためにやっているわけではない。6膳あれば6回の食事で1回洗いものをすれば良いという、素晴らしい創意工夫の結果なのだ。では何故お茶碗は6つではなく3つなのかと疑問を持つ人がいるかもしれない。それは、日本ではカップ麺だとかパンだとかスーパーマーケット閉店直前のお弁当半額だとかが容易に入手できるからなのだ。
3月末と言えば引越のシーズン、一人住まいを始める人もいるだろう。そういう人のために、長年の自炊歴を誇るボクから大サービス、6膳のお箸と3つのお茶碗など、料理本等々には書かれていない高級テクニックをご伝授したいと思う。しかもこれは、もしかしたら食文化に一大変革をもたらすかもしれないのだ。
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まずは、カレーライス。ボクがご幼少の頃は、お皿のにご飯をよそってその上にカレーをかけていた。中学生か高校生の頃、お皿の半分にご飯をよそってその横にカレーを添える新方式が登場し、どういう訳かその方がスマートなように感じられて我が家でも新方式へ移行していった。社会人になってから更にずっとずっと経って、ご飯とカレーを別々の容器に入れるという新新方式があるのを知ったが、食器洗いが2倍にもなる新新方式をボクは全くためらわず不採用にした。
ちょっと深めのお皿にレトルトご飯を載せその上に(または横に)レトルトカレーを垂らしラップしてチンする。習慣の力は恐ろしいもので、ボクはずっとずっとこうやってきた。だが昨年、ハタと気付いたのだった。カレーを先に垂らした後、その上にご飯を載せればラップにカレーが付くことはない! この発見は更に進化する。ラップではなくもう一枚のお皿をかぶせれば、ラップ代もかからずゴミも出ない!
「そんなこと、とうの昔からやっているわ!」という人は、ボクを見下すのではなく自分を誉めるという方向を選択してほしい。お互いの幸福のために。
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次にも、カレーライス。カレーライスの右端に醤油、左端にソース、真ん中には何もつけず、こうすると3種類の味が楽しめる。ちなみに、まず最初の一口は何もつけずに食べてみるというのが料理人への礼儀だと言うが、礼儀を欠く人が大多数だ。
食べ終わったならば、ティッシュでお皿を拭くと洗剤や水道代の節約になるし下水も汚さない。だが、ティッシュ代と洗剤・水道代とどちらが安いのだろうか、ティッシュ=パルプ消費と(日本人はアジア・アフリカ等の森林を砂漠化している)、下水浄化と(21世紀は水争奪戦争の時代になるとも言われている)、どちらが環境に優しいのだろうか? この難問は、お皿をペロペロなめることにより一挙に解決する。このペロペロは本には書かれていないボクの発明だ。
想像してみてほしい。ファミレスで、高級レストランで、老若男女全てがペロペロやっている美しい光景を。日本の廃棄食料の数百万トン(?)だけで世界中の飢餓がクリアーできるという。食べ残したりペロペロしない人は恋人から袖にされてしまう、逆にお皿を交換してペロペロし合い親密さを増していく恋人たち、こんな新しい人間関係=社会を出現できたらと思う。そのためのペロペロ文化革命、この革命推進のためにはフロンティアが必要なのだが、奥ゆかしいボクとしてはこの先駆者としての栄誉を他に譲るので、皆さん頑張ってほしい(断っておくが、恋人にペロペロ実践を提起して別れることになっちゃったとしても、当方は一切関知しない)。
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最後には、これまたカレーライス。5月初旬頃お届けする「4・28ネット物販」のカタログ掲載のカレーを注文してペロペロすると、地球環境にばかりではなく4・28免職者にも、とてもとてもとても優しい行いになる。
名古屋哲一(郵政4・28免職者)
「郵政ユニオン九州地本機関紙」及び「大阪・吹田千里支部機関紙」にも掲載
*タイトルはレイバーネット編集部