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青年アルバイト労働者、「私の話を聞いて」

[ワーカーズ]不穏なインタビュー

イ・ジョンホ(前民主労総未組織非正規職室長) 2018.01.23 10:57

ソウル市が昨年4月、ニューディール雇用の一つとして 「アルバイト青年権利守備隊(以下守備隊)」62人を選び、 先月まで20か月間、自分たちの労働人権を守る事業を繰り広げた。 彼らは地域の労働組合や労働団体で働きながら、 青年アルバイトが働く中小事業場の労働実態調査と街頭キャンペーン、 オンオフライン労働相談活動を行った。

守備隊62人が20か月、自分の活動をまとめた本「知らせて、変えて、共に作る世の中(『アルバイト万歳』)」を出した。 本を企画した守備隊マネジャーのパク・ミギョン(50)氏は、長い放送作家の経験を生かしてすばらしい目次を作った。 この本にはオヤジ労働者とソウル市と教育部、雇用労働部官僚が 銘記すべき言葉が珠玉のように溶けている。

▲2016年11月18日建国大前商店街で開かれたアルバイト労働権益キャンペーン[出処:イ・ジョンホ]

アルバイト実態調査で体験したこと

62人の守備隊は、ソウル全域の中小事業場で働くアルバイト青年と会い、 2016年には1502部、2017年には1220部の労働実態調査質問を受けた。 2017年にはオンオフライン労働相談だけで1064件に達した。 アルバイト権利守備隊のウジョン(27)氏が書いた以下の手記は、 ソウル市と雇用労働部公務員が銘記すべき内容だ。

「ここまでではいけませんか?」と尋ねるやっと20歳を越した女性アルバイトに、 私は「回答を作成しなければアンケート調査拒否事業場リストに上がることもあります」といった。 このように話すべきではなかった。

彼女は質問用紙3ページのうち1ページを作成中で、自分より高い職員が来ると言って質問を中断しようとした。 「自分より高い人」には私が説明すると説得した。 「高い人」が来たが、彼は私が差し出した案内状を熱心に読んだ。 その上、彼は私を捕まえて「週休手当ての条件が週所定勤労15時間『以上』なら、 15時間も該当するのか」と尋ねた。

その日の午後、そのカフェ店長から電話がきた。 店長は週15時間は週休手当てがないと思って、 すべてのアルバイトを15時間ずつ雇用していた。 店長は5人以上の事業場使用主が払うべき加算賃金、年次休暇などについて聞いた。 私は「知らずに払わなかったので、これからきちんと払う」という言葉を予想した。 ところが彼は私に「14時間契約して5人以上を使うのが有利なのか、 15時間以上契約して労働者数を5人以下に減らすのが有利なのか」と尋ねた。

誰に有利だというのだろうか? 当惑した。何かが誤っていた。数時間後また店長から電話がきた。 彼は私に「現在常時5人事業場だが、これから4人にするべきなのか悩む」と独り言のように通知した。 私がやっと店長に言った言葉は 「労働者にも配慮して、良い方向で考えてほしい」というのが全てだった。 私は無能だった。

もちろん、そのカフェは5人以上事業場なので「不当解雇救済手続き」も可能だが、 法は遠く、拳は近い。 そのアルバイトが救済手続きに行き着くまでには九万里だ。 就業規則と勤労契約書を几帳面に検討して、違反を確認して、同僚を説得して、証人や参考人を探す。 却下されないように、きちんと救済申請書を作成する。 労働委員会に提出する。 出席調査に応じたり、追加書面と立証資料を出す。 被申請人の答弁書をめぐって書面攻防を繰り広げる。 週15時間の雇用を守るため、若い労働者は路上で60日の時間と努力を注がなければならない。

15時間の雇用の重さはどうか。 週休手当てを除く彼女の1か月の賃金は40万ウォンほどだ。 その金なら私は七月の通信費を払い、2か月の昼食を払う。 地下商店街で1万ウォンのワンピースを買おうか買うまいかを悩む自分にも、 少なくない金だ。 彼女はもうひとつの40万ウォンのために、コンピュータの前で求人サイトをさ迷わなければならない。 カフェの収益性向上のために、彼女は解雇の危機に処した。 しかし私も、世の中も、法も、彼女を守ってやれなかった。 彼女が質問中断を望んだ時、強要するべきでなかったのだろうか。眠れなかった。

申し訳ない思いと自己恥辱感にまたカフェを訪れた。 ひょっとして、本当にひょっとして、私が手伝えることがあるかと思って。 願望のまなざしを覚悟してカフェに入った。 ところが彼女と、彼女より「高い」彼は笑いながら私を歓迎した。 彼女より「高い」彼が言うには、店主は自分が間違っていたことにあわてただけで、 それほどのクズではないといった。 幸いだった。本当に幸いだった。 私と電話した店主は、長く労働者生活をして、職員を人件費だけで考えてはいない。 加盟費と賃貸料に打って、そのもたくさん骨を折ったかも分らない。

水シャトル、菓子シャトルの「巨大な赤ん坊」

20歳のルルが書いた 「水シャトルに菓子シャトル... 退社を祝ってください」は、胸が痛い青年労働者の日常だ。 ルルの目に写った多くのオヤジたちが一回ぐらいはこの文を読んでほしい。

19歳、特性化高校3年の時に担任の期待通り製薬会社に就職した。 勤労契約書には8時30分〜17時30分になっているが、 いつも出勤は8時、退勤は本当にたまに18時30分だった。 普通は19時30分に退勤した。 夜12時を過ぎて翌日退勤することもあった。

私たちの事務室には14個の植木鉢がある。 植木鉢の中の植物を育てるために、私が死ぬ思いだ。 3個は小さいが、11個は大きな植木鉢で、持ち上げることもできない。 仕事をしながら時々ペーペーの私がすべての植木鉢に水をやらなければならない。 常務はある時は「何度もやれ」と言い、ある時は「なぜそんなにしょっちゅうやるのか」と言う。 分かりながらも分からない。 常務は植木鉢の枝刈りをして、枝と葉を床にそのまま捨てて、私はそれを拾いに付いて回る。 待望の木の葉拭きがある。 葉一枚一枚、すべて拭けという。 植木鉢2個拭いただけでもすぐに1時間が過ぎる。 その時、間常務は自分の席で眠っている。

ある日は常務が私を呼んで、自分の部屋のカレンダーをはがして、床に落ちた紙切れを片づけてくれといった。 はがしてそのままにして置けば金具についているはずだが、 あえて床に紙くずを落として片づけてくれ、です。 その上、シャープの芯も取り替えることができず、私を呼んでやらせます。 一人では複写もできない「巨大な赤ん坊」だ。 最近になって菓子が食べたいのか、菓子を買ってこいといって、 菓子保管用のかごを作り、いつも菓子をいっぱいにしておけという。 植木鉢の水シャトルに菓子シャトルまで。 今はさらに何のシャトルをさせられるのか恐ろしい。

不満を話したが一つも変わらず反省の兆しも見られない。 この潰れる製薬会社を10月10日に退社する。 製薬会社には絶対行かないと決心もする。 退社を一緒に喜んで、応援お願いします。

仕事をさせる時は会社員、金を払う時は学生

冠岳区で暮らす20歳のジミン氏の文は、 教育部の官僚が必ず読まなければならない。 金相坤(キム・サンゴン)教育部長官をはじめとする教育官僚が金科玉条のように持ち上げる「現場実習」が、 本当の現場ではどんな醜い姿にねじ曲がっているのかを赤裸々に見せる。

高3の8月、税理士事務室に現場実習をしに行った。 契約書を書く時、一日7時間で、金は8時間勤務の最低賃金125万ウォン合わせるとし、 その代わりに月給から食費は会社に返却しろといった。 法人カードで昼を買って食べて、領収書を持ってきて、税理士本人の通帳に入金しろといった。 食費を返却せず、弁当を持ってくると言うと、そのまま食費を払ってすっきりと115万ウォンで働けといった。 結局、7時間勤務で税込み115万ウォンで契約した。 一日8時間勤務は基本で、夜を明かしたりもしたが手当てはない。 税理士に話すと 「金をもらって塾に通ったと考えろ」と言う。 仕事をさせる時は会社員で、金を払う時は学生だった。

大学に行きたかった3人の友人は、就職率の奴隷になった担任から強引に保険会社に現場実習に行かされたが、 とても通えないから大学に行くというと 担任はFBに名前まで公開して 「誰々は裏切るという話が聞こえるが君はちゃんと通っているのか?」と尋ねた。 この前、学校に行って担任と会った。 担任は腕をつねりながら「なぜ辞めたか?」と尋ねた。 私は親切に答えて差し上げた。 担任に115万ウォンしか受け取れないと話すと担任は 「教育庁の報告に115万ウォンは少なすぎるから、最低賃金を受け取っていると報告する」と言った。 そんな担任に何の話をするべきだろうか。

現場実習に行った友人が問題を学校に話しても、学校と担任はすべて無視した。 そうして学生が辞めると就職率だけを問題にする。 大学に行く学生を「背信者」という担任は 「望んだ大学に行けば、学校の就職率と後輩のためにアルバイトでもして四大保険に入れ」と言う。 1月まで四大保険に入っていれば、大学に進学しても統計には就職と分類される。

実習に行った友人はすべて退社した。 彼らが商高出身だから忍耐力がない怠け者で遊び人だから? 現場実習は就職率ではなく本来の趣旨のとおりに再構成されなければならない。 これ以上、後輩が現場実習に行って傷を受けないでほしい。

本当の「月給泥棒」と共に送った3年

20代の女性、ヘソン氏の文は「神の職場」と呼ばれる韓国の公共部門正規職が胸深く刻んで聞かなければならない金言だ。 ヘソン氏は「ちょっと化粧をしろ」という正規職部署長の下で、 契約職として3年働き、1か月144時間の残業をしなければならなかった。

私は初めての職場を辞めた。 インターンから始めて、3年粘った職場だ。 私に残ったのは、軽い退職金と空虚、消耗した感情だけだった。 青年の覇気と情熱はそれほど長くは続かなかった。 同僚と商社によるストレスと、1年ごとに再契約するのがとても苦しかった。 私が働いていたところは大学内機関だった。

正規職の上司は席をいることがめずらしかった。 彼は本当の「月給泥棒」だった。 私は上司に電話がくれば言い逃れる方法をまず学んだ。 あのように必要ない人が早く消えていれば、私と同僚は契約職身分ではなかったかもしれない。 2年先に入った先輩は、怠慢な上司の見本だった。 私の成果はその先輩の成果に化けた。 年次休暇を使うのも、事由を書いて評価されなければならなかった。 正規職の先輩は風呂場で倒れて、足首に怪我をして病暇を出したが、 翌日ハイヒールを履いて出勤し、映画のような場面を演出した。

逃げたところも楽園ではない。 月給は減って、相変らず契約職だ。 公共機関の契約職だが、部署長は同期の女子職員に 「ちょっと化粧しろ」、「いい服を買って着ろ」と放言をする。 1か月に144時間の残業をしても、48時間分の手当しか出ない。[ワーカーズ38号]

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2018-01-31 01:22:50 / Last modified on 2018-01-31 01:22:52 Copyright: Default

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