本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:[ワーカーズ イシュー]IMF外国為替危機以後の社会指標
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 20170905
Status: published
View


20年間、世の中はこのざま

[ワーカーズ イシュー]IMF外国為替危機以後の社会指標

キム・ハンジュ、パク・タソル、ユン・ジヨン記者 2017.09.04 15:55

薄くなった財布ほどに小さくなる菓子

1997年、エビセン一袋の価格は500ウォン。 20年経った今、エビセン一袋は1200ウォンと、2.4倍上がった。 価格は上がったが幸い容量は守った。 驚く程小さくなったり、袋を質素に満たす菓子と較べれば、かなり初心を守ったといえる。

交通費も同じように上がった。 交通費値上げは国民の抵抗が大きいのでそれなりに抑制されたという面も大きい。 1998年までは500ウォンだったバス代は、現在現金なら1300ウォンだ。 最近はほとんどが交通カードを利用するので、大企業の会長ではなくても正確な交通費を知らない人は多い。

とにかく20年経った今でもエビセンやバス、地下鉄は私たちの手に届く所にある。 だが江南のアパート価格は天上知らずに沸き上がり、手の届かないあの世に行ってしまった。 一戸が取り引きされるたびにニュースの種になる江南の「銀馬アパート」を見よう。 20年間の相場変動は一つのドラマを彷彿とさせる。 1997年、銀馬アパート31坪型の相場は2億ウォンを少し上回った。 そのうちに投機ブームにのって2007年には11億6000万ウォンまで沸き上がった。 10年で9億ウォン上がったわけだ。 現在の相場は11億6000万ウォンから12億水準。 家の主人は首を長くして再建築を待っている。 住民が49階もの超高層アパートに再建築すると頑張り、ソウル市がひじ鉄砲を食わせたという恨みの知らせも聞こえる。 もし再建築に成功すれば、銀馬アパートの価格はまた一度高空飛行をするようになる。

ベルトを締め直して貯蓄王を夢見た時期

資本主義社会では「貯蓄」と「勤倹節約」は最大の徳性に選ばれる。 私たちも一時、金ができればベルトを引き締めて銀行に駆けつけた時期があった。 1997年当時の定期預金利子は約10%。 外国為替危機直後の97年12月から翌年6月までは利子が何と14%に上がり、現金金持ちが輝かしい時を送った。 だが金利はすぐ落ち始め、家計貯蓄率も同伴してまっ逆さまに下がった。 2002年に床を打ち、騰勢を取り戻したが、1998年の半分にも至らなかった。 家計貯蓄率とは税金と利子などを除き個人が使えるすべての所得(処分可能所得)のうち、 消費支出に使って残った金の割合を意味する。 暮らしが苦しいという証拠は、低下する家計貯蓄率として現れたりする。 この渦中で家計の負債はますます増えていった。 家計の借金は連日最高記録を突破して、自分自身との戦いを繰り広げている。

政府が不動産対策を出すと脅せば、人々はベルトを引き締めて銀行に駆けつける。 以前は貯蓄をするためだとすれば、今は融資をするためだ。 ハウスプアの悲しい話も今は旬が過ぎた流行歌のようだ。 われわれはもう1400兆に達する莫大な借金の上で破産直前の家計を作り出している。

非正規職襲撃事件

非正規職襲撃事件が広がったのは外国為替危機直後だ。 1997-98年以後、「整理解雇制」と「非正規職化」に代表される労働市場柔軟化政策は、 逆らえない大勢になった。 企業は正規職労働者を整理解雇して、その場を非正規職労働者で埋めた。 非正規職の規模については政府と労働界の間で差はあるが、 その規模が増えているということには誰も文句をつけることができなかった。

歴代政権は非正規職対策を机いっぱいに整えたりした。 非正規職の劣悪な処遇を改善するとして「非正規職差別禁止法」などが作られたりもした。 だが何よりも重要な賃金差別は、並大抵なことでは防止できなかった。 賃金格差は最近になってさらに悪化する形だが、 昨年の正規職賃金を100とすれば非正規職賃金はせいぜい53.5程度でしかなかった。 差別禁止法制定から10年が過ぎたが、差別は減っていない。 非正規職撤廃の声が当然なものに聞こえる理由だ。

労働基本権に向かう Run to you

整理解雇、非正規職量産などで労働条件が後退し、労働者たちの武器であるストライキも増えた。 1997年の労使紛糾件数は78件程度だったが、どんどん増えて2004年には462件と頂点を打った。 昨年にはストライキ規模を示す勤労損失日がこの20年間で最高を記録した。 勤労損失日は0日に近いほど労使関係が安定していることを意味するが、 2016年には203万5000日を記録した。 成果退出制反対を掲げた公共部門のストライキをはじめ、 節度ある労組の長期ストライキが連鎖的に起きたことも影響した。

民主政府で始まった損賠仮差押え問題は、 李明博(イ・ミョンバク)、朴槿恵(パク・クネ)政権になって深刻になった。 2000年には21の事業場で190億ウォンの損害賠償が請求された。 その後、規模は雪だるまのように増えて、 2003年10月まで51の事業場に575億ウォンもの損害賠償がかけられた。 今年上半期までに集計された損害賠償請求額は、1876億6415万ウォン。 いつのまにか2000億ウォンに近づいている。 損賠仮差押えによる自殺と生活苦が増加しているが、 立法による制度改善ははるかに遠い。

ここは自殺、凶悪犯罪の国ですか

12年間、自殺率だけはOECD会員国中1位を守っている。 だが統計に反映された公式な自殺は一部だけ。 非公式的に自殺をして、自殺未遂をして、自殺を考える人まで合わせれば全人口の5%になる。 10代の死亡の原因のうち、自殺が1位だという事実は代表的ヘル朝鮮の指標だ。 エミール・デュルケームの言葉のように、彼らの死は社会的他殺だ。 私たちの社会のあちこちの積弊が、彼らを極端な自殺に追いやってきた。

凶悪犯罪も頻繁になった。 刑法犯罪は外国為替危機前までは似たような水準を維持していたが、 1998年に増加幅が高まり、2000年代初期には急激に上昇した。 もちろん「特定犯罪加重処罰などに関する法律」などが刑法犯罪に含まれた側面もあるが、 その後も刑法犯罪率は少しずつ増加しており、 性暴力と暴行、窃盗のような重要な犯罪も増加した。 特別法犯罪が刑法犯罪に含まれた後から2015年まで、 性暴力は約3倍、窃盗は約1.4倍増加した。 暴行は2.4倍近く増えた。 犯罪の威嚇と自殺の危険に陥った国民は、必然的に不安だ。 統計資料集「2016世界の中の大韓民国」によれば、 韓国の「生活の質指数」は10点満点の4.95点で、全調査対象61か国のうち47位に留まった。 特に他の国と較べて、社会、労働、生活の質に関連する指標が大幅に低い。 高い労働強度にも補償は充分ではなく、劣悪な雇用まで、不安定な雇用の指標は低い生活の質に帰結している。

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2017-09-14 11:09:22 / Last modified on 2017-09-14 11:09:31 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について