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私たちがゼネストに立ち上がった理由?

[ワーカーズ23号/イシュー]公共部門ゼネスト、参加者の声を入れる

パク・タソル記者 2016.10.10 11:57

「貴族労組」、「鉄鉢」、「飯を食べて腹がいっぱい」、「わが国の危機と社会混乱を加重させる集団」。 政府から、保守言論から、あらゆる侮辱を受ける公共部門の労働者たち。 彼らの闘争はしばしば利己主義と言われ、「国民を担保にする」横車だと侮辱された。 そんな公共部門労働者たちが「成果年俸制(成果退出制)」を撤回させるために、9月27日にストライキに突入した。 彼らは声を合わせて「成果退出制廃止!」を叫ぶ。 成果年俸制は、政府が死活をかけて公共機関を圧迫し、5か月で全面導入した制度だ。 その過程で労使合意を経ずに理事会の議決だけを経るという無理を強いることもした。 断固たる態度でストライキに対応する政府が果たして手を上げるかとは思うが、退けない理由はストライキを決心した理由ほどに多い。

▲写真/ジョンウン

「私たちが正しい」確信にみちた公共労働者たち

今回のストライキは二大労総の公共部門労働者たちが共に立ち上がった史上最大のストライキに進んでいる。 9月29日には民主労総公共運輸労組14の事業場、6万2000人がストライキに参加した。 政府が何の対話の意志も見せず、2週間目を迎えたストライキはさらに長びく可能性が高い。 公共運輸労組は路上宣伝戦、総力闘争大会、キャンドル集会、抗議訪問等を通じ、自分たちの声を知らせている。

2回目まで進められた総力闘争大会は、全国で5万人、3万人が集まった。 組合員たちは勝利に対する確信でぎっしり埋まった。 健康保険労組所属のチョン・ナヒョン(仮名)氏はまだ「新入」と言われる入社2年目の社員だ。 入社していくらもたたないうちに、労組の同意なく賃金体系が改編されたという知らせを聞いた。 十分に説明する時間も、説得しようとする努力もなかった点が一番腹が立つという。 「無労働・無賃金でしょう。 それを甘受してストライキに出たのです。 皆、成果年俸制を防ぎたいという気持ちが強いです。 今年の入社者以外は、みんな出てきたそうです。」

政府は鉄道労組だけを見る

政府は特に鉄道労組のストライキを「不法」と規定して、ストライキをした労働者たちを職位解除でしばろうとしている。 政府と鉄道労組の長い悪縁は、2013年の水西発KTX民営化をめぐる23日という最長期のストライキをした後、さらに深化した。 保守言論も鉄道労組が名分のない争いをしていると攻撃するのが常だ。 大規模公共機関がストライキをしているのに、政府は唯一鉄道ストライキに注目するのは、こうした歴史と無関係ではない。 政府が一番警戒する鉄道労働者と会った。 鉄道労働者たちは、鉄道のように各職務が協業で動いている所に競争を導入すれば、破局をむかえるほかはないと主張する。 主要な要職を占めている既得権勢力に対し、ゆがんだ忠誠をする可能性も高いと見た。

9月30日の集会の現場で組合員の世話をしている鉄道労組ソウル本部のキム・スンシク連帯事業局長に、成果年俸制が与える影響について尋ねた。 彼はある話を聞かせてくれた。 「インターン社員から正職員になった人がこんな表現をしました。 『成果退出制は一生インターン制だ』。 なぜなら評価を受け続けなければなりませんから。 私はそれが正解だと考えます。 4か月で正規職なり、これで競争は終わったと思ったのに、また競争しろというわけでしょう。 いったい何の競争をするのですか。 競走をするのですか?」

鉄道機関士は99%を越えるストライキ参加率を示す。 鉄道公社は代替要員を選ぶと募集広告を出すなど、せわしく動いているが、 現業に従事する機関士の代替をするのは容易ではない。 十分な訓練なしで投入されれば大事故に発展しかねないからだ。 機関士のチェ・ジョンシク氏は、成果年俸制が派閥づくりになるほかはないと説明した。 「もし成果年俸制が来年1月1日から施行されれば、管理者が付ける点数が絶対的評価基準になるでしょう。 管理者にかわいがられるためにお世辞を言う職員もいるでしょうし、 本人の権利を捨てて病気でも痛くても列車に乗り、休息時間を削ってさらに長く列車に乗ろうとするでしょう。」

幹部から始めた成果年俸制を見る

切符の発売を助けて機器を管理し、ホームの安全を点検する駅員にも成果年俸制が及ぼす影響は否定的にならざるをえないという。 特に、評価のために職務とあまり関係ない数値が重要になると予想した。 駅員として働く鉄道労組のチャン・ヨンダル永登浦支部長は、2010年から1、2級の幹部に導入された成果年俸制で、すでに問題が発生していると話した。 さらに高い年俸のために、良い役職につくために、過度な実績競争をしているという。 チャン支部長によれば、ソウルのある駅長は不正乗車の摘発件数で職員を圧迫している。 「私がその駅長さんに、すでにここは成果年俸制を導入したのかと聞きました。 その駅の駅員がまともに勤務できず、不正乗車の摘発だけに血眼になっています。 私たちが気を遣うべきことは乗客の安全とサービスでしょう。 あまりひどいので、その駅長さんに『組合員のお金でも十匙集めて一食集めて差し上げるから、職員をそんなに絞り取るな』と話しました。」

高速車両を管理するキム・ヒョンギュン教宣部長は10月4日、2次ゼネスト総力決意大会に参加するために釜山からきた。 彼は言いたいことがたくさんあるようだった。 財閥を救うために労働者が犠牲になっていると憤激を放った。 「深刻な経済危機の状況で、財閥を救済するための金がたくさんかかるのでしょう。 労働者を費用と見るので、民営化の形態で、構造調整の形態で、非正規職化の形態で労働者をほとんど焦土化しています。 成果年俸制はこうした情勢では労働者が絶対避けられない戦いです」。 キム部長は今回の公共ストライキには、民主労組の運命もかかっていると見た。 「労働者たちは団結が命なのに、成果競争は労働者を根元から壊すプロジェクトです。 ここで押されれば韓国の民主労組運動はすべて破壊されます」。 彼はストライキを率いる指導部に対する要請も忘れなかった。 「国会に度々期待するようになるのは、戦いの成果をそちら側に譲り渡すことです。 政界に頼らず、労働者自身が切り開いて行かなければなりません。 たとえ負ける場合があっても、また戦わなければならず、 私たちの力で勢力化して力をつけていかなければならないのに、 昨今の状況は心配です。」

「労働者の権利を守るために」、「国民の安全のために」、「民主労組死守のために」、 公共労働者たちがストライキを決心した理由は多様だった。 彼らが望んでいるのはまず対話だ。 誰が正しいのか、正しくないのか、直接比べてみようということだ。 直接交渉であれ、討論であれ、自信があるという。 公共労働者たちは成果年俸制が間違った制度だということを立証する準備ができている。〈ワーカーズ23号〉

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-10-17 14:44:13 / Last modified on 2016-10-17 14:44:16 Copyright: Default

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