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古い新しさを作り、解いていく青少年運動

[小笑な年代記]青少年人権行動アスナロの10年

ミョンスク 2016.09.09 10:11

「中高生運動が1986年、87年から始まり、94年まで続いた民主化運動の脈絡にあった運動だとすれば、 青少年運動は2000年代初期の青少年人権問題に焦点を合わせた運動でしょう。 もちろん、当時、中高生運動をしていた団体が青少年運動にきたりもしましたが。 青少年運動は90年代後半から頭髪自由運動『ノーカット運動』のオンライン署名運動から出てきたと言えます。」

[出処:アスナロ]

2006年から青少年人権行動アスナロ(アスナロ)の活動を始めたコンヒョン活動家が語ったそれまでの運動との差だ。 2004年の下半期に全国中高生連合で活動していた人々、そして慶南晋州の「行動する青少年」や「青少年の力で」で活動した人たちが青少年運動を発展させるために 「青少年人権研究フォーラム アスナロ」を作った。 研究フォーラム アスナロが青少年人権行動アスナロに変わったのは2006年だ。

「青少年運動をして20歳を越え、そうなると青少年ではないので直接青少年運動ができないので支援しようというので作ったのが研究フォーラムです。 青少年運動の発展が難しいのは、運動をしていた青少年が年を取ると青少年運動をしなくなるから。 3〜4年周期で団体がなくなると言われるほどでしたから。 そのまま青少年運動を続けさせるにはどうすればいいのか悩みました。 青少年と非青少年を区分しない全国組織を作ろうという意味に転換したわけです。 私もアスナロは10年は続けなければならないという悩みで今まで続けています。」

青少年運動の特性上、時間が経てば生物学的年齢が青少年ではなくなる時、躊躇させるという現実的困難がある。 アスナロの出発はそこにあった。 そして青少年のほとんどが学生で、学校での人権侵害が多いため、アスナロは頭髪自由、体罰などの学生人権問題を多く取り扱った。 学生人権条例がさまざまな地域でできて体罰が法的に禁止されたが、まだ消えたわけではない。 「古い新しさ。 変化するというよりも、古い議題が累積して拡大しているというか。 初めは頭髪自由、体罰の問題で時間が過ぎて、強制夜間自習や0時間目のようなものへと…」。 コンヒョン活動家は、頭髪自由、体罰、強制夜間自習廃止などの青少年議題は続いているが、解決されたと言うのは難しいと話をつないだ。

「昨日も大田にある学校で、学生に屈伸をさせ、殴って問題になりました。 頭髪や体罰は地域の偏差が激しいです。 例えば学生人権条例がある所とない所では違います。 事実、体罰は教育庁の意志があれば止められる問題だが、手をこまねいています。 先生が教えるには殴ってもいいという態度だから。」

保守勢力の攻撃対象になったアスナロ

学生人権条例は、これまで散在していた学生人権の議題を集め、制度的に解決する試みだ。 条例があれば学生人権が保障されるわけではない。 その上、2008年のBSE(狂牛病)疑惑米国産牛肉輸入反対キャンドル集会に参加した時、 2013年の「お元気ですか」壁新聞を書いた時、 2014年のセウォル号リボンを配った時、 学校が青少年を懲戒したように、学校は青少年の実践を遮っている。 2015年にも大田にあるアスナロの中3活動会員が学校の頭髪規制と体罰を批判するビラを配り、教師の命令不履行と「学生を扇動して秩序をみだした行為」で校内奉仕懲戒になった。 アスナロが発行する「最近のこと」に学校で起きた人権侵害をのせると学校の名誉を失墜させたとし、 教務室に呼ばれるのが常だ。 特にアスナロは2010年、東亜日報、朝鮮日報に「全教組をせきたてるアスナロ」という文章が掲載され、 アスナロの活動は保守勢力の攻撃対象になった。 2010年の一斉試験反対運動を積極的に全教組が展開することを促そうという会議録がカフェに公開に書き込まれたことを保守言論が知って批判した。 この時に青少年の政治活動が問題だという社説が出てきたりもしたので、自然にアスナロは「進歩的で左派的だ」と連想させる。

コンヒョン活動家は、アスナロの活動が2008年、2010年、2012年に問題意識の大きな変化があったと言う。 2008年にキャンドル集会に参加して、会員が大幅に増え、 青少年保護主義に対する問題意識が活発になった。 青少年の集会参加を禁じる学校や集会に参加した学生を保護するという集会参加者は珍しくなかった。 2010年には一斉試験反対や教育監選挙に参加して、政治と制度に対する悩みが始まった。 当時、進歩教育監を支持するだけでなく、「記号0番青少年教育監候補」に立候補もした。 一斉試験反対運動は、教師や保護者団体と共に展開した運動で、 小学校の一斉試験廃止という成果をあげたが、 高校の模擬試験は廃止できず、入試中心教育制度を揺さぶるまでは進めなかった。 また、一斉試験廃止運動で教育運動に対する青少年の接近が保護者や教師とは違うということを感じた。

2010年10月、全国で初めて京畿道が学生人権条例を公布・施行した後、ソウルでも「学生人権条例制定のためのソウル運動本部」を作り、学生人権条例住民発議運動を始めた。 この時、アスナロの会員は路上を歩きまわり、住民発議署名を集めた。 学生人権条例が制定された後の2012年と2013年には、条例の実効性を上げる活動が主になった。 2010年いくつかの学校の公開された学則を調査して、学生から事例を集める方式で進めた「恋愛弾圧実態調査」が学生人権条例の制定以後は性的自己決定権に対する運動につながった。 さらに青少年性少数者、移住民、障害者などの少数者と差別問題は、アスナロをはじめとする青少年人権運動の課題になった。 「十代セクシュアリティ人権の会」のような団体もできた。

持続可能な活動に対する悩み、事務室と専従

アスナロは今年「学習時間削減」に力を入れる。 教育問題を学生の立場から解くわけだ。 実際、学生が過度な学習をしている現実なので、学習時間を減らさなければ違うことも不可能だ。 「2次的には時間がなければ、運動もできず、学校の外でどんなことがあるのか情報も得られません。 それでなければ青少年運動もできないのではないか」という問題意識だ。 もう一つの軸は、青少年会員を増やす計画だ。 アスナロは、ソウル、水原、光州、蔚山、釜山、大邱に支部がある全国組織だ。 活動会員に対する規定はやや難しいが、さまざまな地域に支部を作ろうとしている。 そのためには安定した活動をする専従も置く計画だ。 事務室を作って6年になるが、専従はいない。 寄付を集めて活動費を少しでも作る計画だ。 アスナロ活動の持続可能性のための基盤作りの悩みが専従をおこうというところまで来た。 アスナロは保護主義と年齢主義のような青少年人権の根本的問題や法制度に対し、本能的に問題提起する活動を続けていくだろう。

付記
ミョンスク-人権運動サランバン常任活動家、人権運動で出会った人々の話を記録している

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-09-20 20:30:18 / Last modified on 2016-09-20 20:30:19 Copyright: Default

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