本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:[インタビュー]職権免職中に定年を迎える全教組キム対外協力副委員長
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 001703
Status: published
View


共に雨に降られたくて解雇の道を選んだ

[インタビュー]職権免職中の今年8月に定年を迎えるキム・ジェソク対外協力副委員長

キム・ヒョンテ記者 2016.07.08 16:03

全教組の専従34人がが学校に復帰しなかったという理由で職権免職になった。 そのうち、今年の8月が定年のキム・ジェソク対外協力副委員長と会って、さまざまな感想を聞いた。

まず職権免職状態で定年を迎える所感を聞くと、キム副委員長は全教組が法外労組だという一番苦しい時に一緒にできて、むしろ幸せだという。 シン・ヨンボク先生の言葉のように「共に降られる雨」に参加できて、個人的に光栄だとまで言う。 「戦争する人は戦場で死ぬことが一番幸せだという言葉のように、 全教組が不当に弾圧されているこの時、 専従をしていた私にとって教職を美しく終わらせる良い機会」と話す。

▲写真/ナムヨンジュ

解雇の道を覚悟する専従をそのままにして 一人で復帰することはできなかった。

彼も職権免職について対立と悩みは多かったという。 去る1月21日、高等法院の法外労組の判決以後、定年まで6か月を残す状態で、 ずいぶん考えざるをえなかったという。 みんな学校に復帰して、子供たちの中で退任することを薦めたし、 キム副委員長もそれが自然だと考えたという。 特に定年まで6か月を残して解雇の道を選ぶことが、 あるいは全教組が年を取った人まで解雇に追いやる組織だという声を聞くのではないかと心配したという。 しかし一方ではまだ定年まで10年、20年以上残る多くの専従が、 容易ではない解雇の道を覚悟するのを見て、 一人でこっそりと学校に復帰することはできなかったというのが、彼が残った理由だ。

教育運動家の人生がそうであるように、彼の人生もまた平坦ではなかった。 一生を独立運動をするように、なぜ「教育運動家」として暮らしてきたのか? もっと楽な人生を生きることもできたのではないかという質問に、彼は 「維新時代に緊急措置違反で投獄されるなど、独裁に対する抵抗と社会民主化闘争の道を歩んできた。 卒業後、全教組活動をして、学生時代の初心を失わずに教育運動ができた」とし 「一貫して孤独な人生を営んだのは、ある意味では幸運だった」と話す。

それで苦労しただけの成果があるのかと尋ねたところ、 「教育民主化、正しい教育運動をして多くの変化を実現した。 特に『ソウル市学校給食条例制定運動本部執行委員長』になって、 学校委託給食を直営給食に変えたこと、 『学生人権条例制定ソウル本部共同執行委員長』になってソウルで学生人権条例が制定されたことが最大の成果」と明るく笑う。

定年を迎えるにあたり残念な点はなにかという質問には 「私が必ず言いたい言葉は子供たちに『すみません』と丁重に謝罪することだ。 今考えてみれば若かった時、意欲にあふれるあまり、生煮えな考えを注入して説得しようとしていないのではないか、そんな反省をしている」と回顧した。 良いことを与えようとしたが、学生には負担として作用したかもしれないと思うことがしばしばあるという。 また彼は「そして年を取って専従と解職で、学校にいる時間よりも教壇の外にいる時間のほうが長く、 子供たちの前で省察する時間をあまり持てなかった。 今でも子供たちの前に立てば 「私は君たちの先輩に申し訳ないことをしたと言いたい」とし、 「中年になった昔の教え子たちにもう一度心から謝罪の言葉を伝えたい」と話した。

どんな学生が最も記憶に残るかという質問には、87年度に中3を担任していた時、片足が不自由な障害学生が経済的な理由で手術ができなかったので、 彼が動いてさまざまな人の助けを受けて大学病院で手術できるようにしたという。 その後、99年にその教え子と会ったが、先生のおかげで自信がついて正常な生活ができたと言うのを聞いて大きな達成感を感じたという。

後輩への頼みを話してくれと言うと、 「私は全教組結成の時から毎年休まず役職について、ある意味では競走馬のように前だけ見て駆け続けた」とし、 その中で「省察の時間と再充電の時間を殆ど持てなかった」とし、 「後輩たちはぜひ省察と再充電の時間をかけることを願い、 全教組も活動家にそんな時間を必ず保障すべきだ」と力説した。

彼は、これからの期待としては、教員労組法改正などさまざまな改革立法が20代国会で早く通過してほしいという。 率直に、簡単そうではない。 これに対して彼は「与小野大の国会が少し助けになって、政権が変われば全教組合法化の可能性がさらに大きくなるだろうが、 根本的な解決は教育主導者と国民が目覚めて力をつけ、 それに基づいて政治的・社会的な変化が起きなければ不可能」と展望する。 「改革立法の中でも公教育改編の核心である特権学校の廃止や大学公共性強化関連法案は、 国民の強い力がなければ一歩も進まない」と強調する。

最後に定年以後の計画について、 「教員の労働基本権保障闘争を支援しなくてはね。 退職組合員の会もあって、教育団体を通じてもできる。 何よりもこの8年間してきた教育革命大長征などの公教育改編運動は、当分参加し続けたい。 入試廃止、大学平準化はそれ自体が目的でもあるが、私たちの正しい教育の核心的な中身であり、社会再編の基本だ」とよどみなく話す。 9月になれば全教組本部に出勤することはないが、休むことなく仕事を続けるという彼の話を聞きながら、 彼はまちがいなく「教育運動家」だと感じ、自ずと尊敬の気持ちがわく。(記事提携=教育希望)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2016-07-17 21:58:32 / Last modified on 2016-07-17 21:58:33 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について