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イーランド労使交渉が難航する理由

[イーランド事態の解決法はどこに](1)会社側の約束破棄、不誠実交渉事態の長期化を呼んだ

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年08月02日16時51分

昨日(1日)もイーランド労使の交渉が進められたが、互いに立場を確認した だけでこれと言った成果なく終わった。

ニューコア労組とイーランド一般労組が占拠座り込みを始めた後、7回の交渉 が行われたが、進展はなかった。ではイーランド労使の交渉が進展しない理由 は何だろうか。

▲イーランド労使の交渉が7回進められたが妥結の兆しは見られない。/チャムセサン資料写真

イーランド労使信頼破壊、会社側の一方的な約束破棄が原因

とにかくイーランド労使間信頼は崩れるだけ崩れた状態だ。労使間の信頼がこ われた原因には、会社側が労組との約束を何度かを破ったことが大きい。

労組側が初めて売り場占拠に入った6月30日、労組側はホームエバー上岩店で 宣伝戦を行い、出てくる予定だった。初めから占拠座り込みは計画されていな かった。そのため労組は宣伝戦を行いながら、会社側に営業中断を要求し、 「営業を中断すれば宣伝戦を中断して売り場から出て行く」と約束した。する と会社側は労組に「営業を中断する」と約束した。この約束を信じて労組は売 り場から出たが、1時間もたたずに会社側は労組との約束を一方的に破り、 営業を再開した。その後、労組は占拠座り込みという最後の選択をした。

結局、占拠座り込みという極端な戦術を労組に選択させた主な原因は会社側の 一方的な約束破棄にあったのだ。しかし会社側は占拠座り込みを呼んだ原因を 考えるどころか、労組側に『座り込み解除』だけを要求した。

▲労組側が占拠座り込みをしたのは会社側の一方的約束破棄のためだった。/チャムセサン資料写真

交渉過程でも座り込み中断と言論プレイだけに力を注いだ会社側

こうした会社側の行動は交渉の過程でも現れた。労組は交渉のあいだ、会社側 の「言論プレイ」を問題にし続けた。最大の事件は、1次占拠座り込みに公権 力が投入される直前の7月18日に開かれた交渉で起きた。交渉が始まった直後、 イーランドグループのチェ・ソンホ広報理事が記者控室に来た。チェ・ソンホ 理事は、交渉再開直後「会社は今日が最後の交渉で、追加交渉はない」とし、 「今夜12時までの期間を設定し、会議を中断せずに交渉を進める」と語った。

しかし交渉に入った労組はこの事実を知らなかった。結局マスコミの報道で労 組は会社側の立場を確認した。これに対して労組は「これまで会社側の広報チー ムは事実と異なることをマスコミに公開する方式で言論プレイをしてきた」と し「交渉場所で話せないことをまずマスコミに流し、労組がこれを守らなかっ たので交渉が決裂したという論理を作るための会社側の言論プレイだ」として 交渉が中断した。

会社側は交渉の間中ずっと、自分たちの立場を労組に正式に詳しく説明して誠 実に交渉せず、交渉での話をまずマスコミに流し、交渉をさらに難しくさせた。 交渉は、最低限、互いの案を十分に説明し、理解し、聞くことから合意案を作 る場だ。しかし会社側は交渉に臨む最低の礼儀も守らない。こうした会社側の 一方的な態度は労組の不満を積もらせるだけだった。

会社側の不誠実な交渉態度は、公権力により1次占拠座り込み強制解散後に再 開された交渉でも現れる。強制解散後に再開された交渉で、会社側は代表理事 が参加しないまま「委任状を受けた」として実務陣だけしか参加しなかった。 労組側は、中心的な幹部が拘束されている状況で、なんとか代行体系を整えて 委員長が参加したが、会社側は実務者しか参加しなかったのだ。そのため再び 交渉は決裂し、労組は2次占拠座り込みに突入した。2次占拠座り込みに参加し た組合員たちは、口を揃えて「会社側の不誠実な交渉態度のために」占拠座り 込みをせざるをえなかったと説明した。2次占拠座り込みが公権力により再び 強制解散されてから、代表理事が交渉に参加した。

こうした会社側の態度は、占拠座り込みという極端な方法を労組が選択しなけ れば、会社側の代表理事は交渉に出てこないという事実を確認させてくれた。 そのため労組は絶えず占拠座り込みをせざるを得ない状況だ。

労組側交渉委員はほとんどが拘束、組合員通帳仮差押さえ...「退路がない」

交渉内容でも争点は狭まらない。しかしさらに大きな問題は、会社側が交渉は しも組合員への損賠仮差押さえ、告訴告発などを止めず、労組の退路までふさ いでいるということだ。イーランド会社側は組合員49人の通帳を仮差押さえし た状態で、1口座あたり1億百万ウォンの損賠仮差押さえをかけた状況であり、 警察は交渉委員として出てくるべき労組幹部のほとんどを拘束している。

▲警察は労組側交渉委員のほとんどを拘束させた。去る31日強制連行されたチェ・ホソプ ニューコア労組事務局長/チャムセサン資料写真

現在拘束収監中のイーランド一般労組のキム・ギョンウク委員長は、交渉の場 で「委員長として組合員を説得できる案を提示しなければならないのではない か」とし「座り込みを解除すれば数十億の損賠仮差押さえと懲戒、そして解雇 が目前に迫っているのに、どうして私が組合員たちに座り込みをやめようとい えるか」と苦しい心を表わすこともした。

普通、労使紛糾が起きた事業場では、交渉の過程で互いを認めて配慮するとい う意味で、告訴告発措置や損賠仮差押さえを取り下げるのが一般的だ。しかし イーランドは最後まで「法の通りにする」という立場を曲げず、労使が要求案 に接近しても損賠仮差押さえに対する会社側の態度が変わらなければ、交渉は 合意点を見出すことが難しい。

結局、残った問題は、会社側が事態解決意志を明確にして、誠実に交渉に臨み、 労組の要求案に対して真剣に接近することだ。

▲ニューコア-イーランド労組組合員たちは"はやく現場に帰って働きたい"と叫んでいる。/チャムセサン資料写真

一日で700人を解雇...「奴隷のような暮しはできない」

イーランド事態は、一日に700人ほどの非正規職労働者が集団的に解雇された ことで始まった。会社側の立場では、「効率性を考慮した仕方ない措置」とい う。だが、一日で生命線を切ることは、これまでイーランドのために1日10時間、 トイレも行かずに働いた労働者たちには、青天の霹靂のような話でしかなかっ た。

労組側は先月31日、交渉が中断された後に声明で「同僚が現場から不当に追い 出されるのを静かに見ているだけではない」とし「これ以上獣のような、これ 以上奴隷のような暮しはできない。これ以上やられてばかりはいられないから 闘争を続ける」と発表した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-08-06 00:25:11 / Last modified on 2007-08-06 00:25:15 Copyright: Default

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