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非正規法が作った『悪夢』

イーランド事態、期間制限が全て無力化された非正規法が原因

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年07月20日16時44分

「使用理由制限」が抜けた非正規法が非正規職保護?

今回のイーランドグループ所属非正規職労働者の戦いは、すでに予想された戦 いだった。非正規職を保護すると言って作られた非正規法の施行がその予告だった。

▲昨年11月末国会を通過した非正規法はすでに悪夢を予告していた。/チャムセサン資料写真

非正規法が『法案』だった時から、民主労総をはじめ労働界と学界、市民社会 勢力は、『使用理由制限』がぜひとも必要だといっていた。非正規職労働者を 使用者が使う時、やむをえず一時的かつ短期的な業務だけに使えるように理由 を制限しなければならないということだった。しかし結局非正規法は期間制限 だけを残して国会を通過した。結局すべての領域とすべての業務で非正規職 労働者を使用可能にしたのだ。

これに対して7月13日、労働部と韓国労総、経済人総連が『非正規職保護法の 定着のための労使政合意文』を発表し、その時に労働部の李相洙長官は「使用 理由制限を導入すれば、もっと大きな混乱が発生する」、「社会的に受け入れ 不可能で、合理的な主張でない」と話したことがある。

こうした政府の立場は、労働部の李相洙長官も「レジ係業務は必須な業務なの に、外注化はやり過ぎ」と話したニューコア、ホームエバーのレジ係労働者の 外注化と大量解雇に戻った。ニューコアでは、外注化で約350人の非正規職労 働者が解雇され、これによって正規職も転換配置されるなど雇用不安に包まれ ることになった。使用理由を制限しなかった結果だ。

▲チャムセサン資料写真

期間制の限度無力化、差別是正は職務給制度で回避

また、期間制限も問題になっている。非正規法で政府は非正規職労働者の使用 期間を2年と規定したことについて「非正規職労働者が2年以上勤めれば正規職 に転換」するとし、これを根拠に非正規法が非正規職『保護』法だと宣伝した。

しかし結果は2年になった非正規職労働者、2年になる前の非正規職労働者の 集団解雇だった。ホームエバーの場合、21か月になる非正規職労働者を解雇し、 2年以上の非正規職労働者の雇用は保障できないといった。

会社側は、2年以上勤めた非正規職労働者の『正規職化』を回避するために、 『職務給制度』を持ち出した。ホームエバーは2年以上働いた非正規職労働者 約千人のうち521人を『正規職化』したと宣伝した。しかしこれは正規職化で はなかった。職務給制度に応じる非正規職労働者は、これまで働いた期間が認 められないばかりか、再採用の方式を採択して、チーム長と店長から推薦され なければ職務級への転換は不可能だった。異なる賃金体系を持つもう一つの 『職群』でしかない。

これは金融圏を始めとする公共部門に広がる『分離職群』の一形態だ。これは 経済人総連をはじめとする使用者団体が非正規法の差別是正条項を避ける方法 として広く知らせている方法でもある。経済人総連は「2年後に正規職で転換 される非正規職の勤労条件については何の規定もない」と話し、職群分離を広 報した。先日発行された『経済人総連賃金研究・夏号』では、『職務級体系の 設計と運営』という文章で職務級設計と運営方法について載せた。

労働部の李相洙長官は分離職群について「問題は正規職でありながら一定の業 務形態を職業でまとめ、そこに属する人には少ない賃金しか払わないような場 合」とし「それでも非正規職を正規職化するのは容認されると思われ、『若干 の変則手段』は理解しなければならない」とも話した。

▲イ・スヨン経済人総連会長、労働部の李相洙長官、イ・ヨンドク韓国労総委員長(左側から)が合意文を読んでいる。[出処:労働部]

結局、自ら『若干の変則手段』と認めたように、ホームエバーで行なわれてい る職務給制度は『変則』だ。使用者が反則をしているという意味だ。こうした 使用者の反則のために、ホームエバーで、ニューコアで、非正規職労働者たち は生命を維持する雇用を奪われた。

しかし職務給制度はさらに広がる展望だ。7月13日、労働部と経済人総連、韓 国労総が発表した『非正規職保護法の定着のための労使政合意文』では、「労 使政は共同の努力と負担を通して非正規職勤労者の雇用安定と処遇改善がなさ れるように相互に努力し、職務にふさわしい賃金体系改善などに積極的に協力 する」と明らかにしている。労使政が合意したという合意文でも職務給制度を 容認して、むしろ拡散させることに『合意』したのだ。

▲チャムセサン資料写真

「保護法なのに施行される日に非正規職解雇?」

こうした問題点のために非正規法の問題点を提起する世論が高まっている。

民教協、教授労組、非正規職教授労組、学術団体協議会は今日、共同記者会見 で「真に非正規職保護法なのなら、なぜそれが施行される場所で、その日にイー ランドグループの非正規職労働者が大規模に職場から追い出されたのだろうか」 とし「われわれは非正規職を保護するどころかむしろ量産するだけの非正規職 保護法は、廃止すべきだという労働界と市民社会の主張が正しいと思う」と指 摘し、「非正規職で雇用する時、その理由を制限するべきであり、同一労働・ 同一賃金の原則などをたてることが必要だ」とし「同じ時間、同じ仕事をして も、差別されるのは不当だからだ」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-07-22 02:59:38 / Last modified on 2007-07-22 02:59:38 Copyright: Default

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