本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:金属労働者の全面ストライキ闘争は正当だ
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1182632746051St...
Status: published
View


[論評]金属労働者の全面ストライキ闘争は正当だ

政府の見えすいた脅しと言論の扇動は危機意識の跋扈

チャムセサン/ 2007年06月22日11時00分

全国金属労組が、韓米FTA阻止全面ストライキ成功のために力を集めている。 金属労組は25日から27日までそれぞれ湖南圏、首都圏、嶺南圏地域別ストライ キを経て、28日に4時間、29日6時間の全面ストライキを行う予定だ。政府は労 働部、法務部、産業資源部の3部長官の共同談話文を発表してストライキを強 行すれば労組の執行部はもちろんストライキ主導勢力は非寛容の原則に従って 不利益を受けるようにすると明らかにした。労組がストライキ計画を撤回しな ければ、民事・刑事上の措置が不可避だという脅迫だ。

金属労組の韓米FTA阻止全面ストライキの決定は、4月25日の第19次代議員大会 で形成された。在席代議員460人中271人が賛成したことにより、韓米FTA妥結 に反対する金属労働者の意志が確認された。また韓米FTA妥結以後、賛否の議 論が広がる中で形成された金属労働者の全面ストライキの決定は、乾天の恵み の雨のような知らせだった。金属労組は19日の記者会見で「"労働者の雇用と 労働権を守り、国民の未来を守るための韓米FTA締結阻止闘争を、労働者とは 無関係の政治ストライキだと罵倒することは認められない」と明確に語り、 全面ストライキ闘争の意志を表明した。

こうした金属労組の全面ストライキの決定と推進は、これまで展開してきた韓 米FTA阻止闘争の文脈から見れば格別な意味を付与できる。まず韓米FTA阻止の 戦いの過程で労働者の実践が不足していたという評価を克服する契機になる。 たしかにこれまでのFTA阻止の戦いの実質的な動力が農民だったとしても言い 過ぎでなく、汎国本の主な動員闘争でも、労働運動は概して期待に沿えない状 態だった。遅い感もあるが産別労組初の政治ストライキとして韓米FTA阻止を 掲げ、これを成功させるためにすべての支部支会が努力しているということに 対して惜しみない拍手を送る。

しかし、現場の全面ストライキの熱気はあまり高くない状況だという。現代車 支部が21日に代議員大会を開きストライキ宣言をあげたというが、使用側の妨 害工作と新労働連合など右翼の反発などが、ようやく韓米FTA阻止に乗り出し た労働者の歩みに冷水を浴びせている。マスコミは代議員1-2人とごく少数の 組合員で形成された新労働連合の声をまるで現場組合員の声のように喚いてい る。このように、政府の脅迫とマスコミの扇動は、現場の全面ストライキ闘争 の準備状況をみれば、実に過剰針小棒大と言わざるを得ない。

資本は、韓米FTAは外国為替危機以後、韓国経済が味わい続けてきた過剰重複 投資による低投資-低成長の構造的問題を解決できるという漠然とした信頼と、 これを機会として産業構造の高度化、規制の先進化、労働柔軟化を同時に試み ることができると計算している。そのためこれは労働の再編を土台に社会全般 に効率と競争体制を強要し、社会構成員一般の犠牲を前提としている。だから 問題なのだ。韓米FTAの交渉結果をめぐり、一部の産業被害と自動車繊維など での利益を語る、いわゆる交渉成果論はまだ何も検証されたものがない。たと え一部の産業で利益が予想されるにしても、これは資本の利益であって社会構 成員のすべてにその恩恵が戻るという保障はない。したがって特定産業の被害 の規模や影響評価問題を別として、社会構成員の中核である労働者が韓米FTA 阻止のために行うさまざまな闘争は、すべてが正当だ。

したがって今準備している金属労組の韓米FTA阻止全面ストライキ闘争を名分 のない政治闘争だとか、賃団闘を意識した労働者利己主義のためだというよう な資本とマスコミの扇動はすべて歪曲だ。金属労働者が韓米FTAを阻止する闘 争を行うことと臨時団体協議を準備する闘争は、すべて自分自身の生と生存の ための実践だという点で違うところはない。韓米FTA阻止は、近い未来に到来 する構造調整と労働柔軟化、そして社会の全部門に強要される反社会的競争体 制を拒否するという正当性を持ち、臨時団体協議はまさに労働者として人生を 営む最小限の要求をめぐり行われる資本との退くことができない戦いだ。した がって、韓米FTA阻止闘争がまるで労働者の経済的利益だけのための政治闘争 だと誤って誘導したり、韓米FTA阻止が労働者の利害と無関係な政治的懸案だ という主張は公権力を背景にした反社会的、反労働者的僭主扇動に過ぎない。

ストライキ手続きを守らなかったと言う攻撃する論理も誤りだ。産別労組の金 属労組が民主的な意志決定過程を経て決めた全面ストライキ闘争を不法ストラ イキだと罵倒するのは、産別労組の政治活動自体を否定することにほかならな い。韓米FTAの推進過程が最低限の民主的・法的手続きも踏まないまま形成さ れたという点を思えば、ストライキ手続きの不法議論は滑稽だ。

全面ストライキ闘争の熱気が高くないのはすでに予想されていたことだ。韓米 FTA阻止全面ストライキと産別中央交渉課題を遂行するにあたっての指導部の 現実的困難も少なくない。何よりもたった一度の全面ストライキ闘争で政府と 資本が執拗に推進してきた韓米FTAを阻止できないということは、金属労働者 すべてがよく知っている。こうした状況から推察して、政府の見えすいた脅し とマスコミの過剰な扇動は2種類の危機意識の表出と見られる。一つは金属労 働者が韓米FTAに対する集団的な抵抗を具体的な日程に上げ、政治全面ストラ イキを成功させることにより、今後も持続的な労働者の闘争につながりかねな いという点で、必ず出鼻を挫かなければならないという意志、そして全面スト ライキ闘争の正当性を傷つけることにより、賛否世論を有利に率いるという意 志がからんでいる。盗みがバレるかと思って戦々恐々でたらめにしゃべる、政 府と資本の危機意識の跋扈である。

金属労組は韓米FTA阻止全面ストライキ闘争と産別中央交渉を別に対応するこ とで、今回の全面ストライキ闘争過程と今後予想される資本の攻勢を防ぐのに 知恵と力を集めなければならないだろう。チョン・ガプドク指導部は内外のさ まざまなかく乱要因を把握し、産別労組初の政治ストライキの勢いが崩れない ように内部の団結を高め、全面ストライキ闘争を成功させるために最善を尽く さなければならない。困難な今回の金属労働者の全面ストライキ闘争が韓米 FTA阻止の戦いの新しい起爆剤になるように汎国本などすべての主導者も共同 闘争を作っていかなければならないだろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-06-24 06:05:46 / Last modified on 2007-06-24 06:05:48 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について