本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:会社は職場内いじめ、勤労福祉公団は治療終結
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 1614311514638St...
Status: published
View


会社は職場内いじめ、勤労福祉公団は危重患者の治療終結

[寄稿] 12年間薬で粘る夫、「被害者はいても、加害者はいない」

ハン・ミソン 2021.02.23 19:23

私は蔚山現代尾浦造船で働くキム・ソクチン労働者の妻です。 夫は1987年から労働運動に身を置きました。 そのうちに1997年、不当な事由で解雇され、これに対して8年間、 解雇無効確認訴訟をしました。 そして2005年8月、地方法院、高等法院、大法院まで3審ですべて勝訴して復職することになりました。

復職後も夫は以前と同じように労働運動をしました。 8年ぶりに戻った現場はさらに劣悪でした。 労働組合に加入できず、労働三権の死角地帯で働く社内下請労働者がとても多かったのです。 絶対に見過ごせない現実で、彼らの処遇改善のために努めました。

夫は社内下請労働者に不法派遣および賃金未払い問題が生じたり、 労災死亡事故のような重大災害が発生するたびに 下請社長と元請社長(現代尾浦造船代表)に対して強く抗議しました。 それでも解決しなければ直接地域の市民・社会・労働団体とともに労働部を訪問し、 抗議面談をしたりもしました。 下請労働者たちの劣悪な労働環境に責任を問うために、 元請社長を告発するなど下請労働者たちと一緒に連帯してきました。

復職後に続いた夫のこのような動きは、 会社の立場としては非常に気に障ることでした。 資本の聖域を壊す行為だと感じたのでしょう。 そのためか、会社は夫をそっとしておかないようになりました。 会社に同調する周辺の同僚まで結集して困らせ始めました。 彼らのいじめは次のようです。

▲キム・ソクチン現代尾浦造船労働者を誹謗する横断幕

  1. 夫が出勤する現場事務室の建物と周辺に 夫を誹謗する内容を含む横断幕3枚を夫の作業同僚チーム名義でかけました。
  2. 夫の固有業務を排除させました。
  3. 昼休みのたびに上級者が同行しました。 同行と言っても監視の形態で同行するのでした。 昼休みは勤労基準法で定められた休憩時間なのに 強制的に上級者が同行するのは監視と見るほかはありません。
  4. 出退勤時に会う同僚が夫と対話する姿が見えると、 その同僚は上級者に呼ばれ、夫とどんな対話をしたのかを追及されたといいます。 その上、退勤後、退勤バスで会った同僚と対話したことさえ問題になって、 その同僚は追及されたといいます。 文字通り夫と言葉も交わせないように同僚までを密かに監視したも同然です。
  5. 出勤して会社の正門から現場事務室まで行くたびに、警備隊員が夫に付いて回りました。 付いてくる理由がないのにいつも付いて回りました。 これは監視目的としか言えません。
  6. 会社のいじめは会社の外でも行われました。 早朝から私が暮らすアパート周辺に 労務管理者と夫のチーム同僚が交代で監視しにきました。
  7. その上、夫が外出をすれば、会社の車が夫の車をいつも尾行しました。 こうしたことが頻繁にあり、 私は二人の娘に対して大通りを通り、夜遅く出歩かず、 いつも注意して歩けと言いました。 娘の私生活までが侵害されるという不安感があったためです。
  8. その後、夫が勤労福祉公団に労災療養申込書を提出すると、 夫のチームの同僚は夫の労災療養許可に反対する内容の署名用紙を集団で作成し、 (勤労福祉公団委員長様に差し上げる文)勤労福祉公団に提出することさえしました。

上記のほとんどの事実は1次労災療養承認当時の 勤労福祉公団調査報告書にも記載されているので確認できます。

夫は2009年から神経精神科に通い始めました。 2011年勤労福祉公団に労災療養申請をて 「中重度鬱病エピソード」という病名で労災療養の承認を受けました。 だが長く続かず勤労福祉公団は夫の健康が十分に回復しない状態で 1次労災療養を終結しました。

夫は薬品に依存する状況でも生計のためにまた出勤しなければならず、 1次労災療養の終結後は薬品の後遺症で、社内だけで 1)社内作業車両との衝突事故 2)作業中の転倒による肋骨骨折傷 3)作業中の転倒による足首打撲傷と、 3回の事故性労災事故にあいました。

夫は事故がおきるたびに労災療養を申請し、勤労福祉公団から承認が出ました。 しかしこうした状態ではさらに大きな重大災害が予想されるので、 こんなからだの状態できちんと会社で勤務ができないと判断しました。 それで夫は「中重度鬱病エピソード」という病名で2次労災再療養を申請し、 勤労福祉公団から承認を受けました。

▲現在キム・ソクチン現代尾浦造船労働者が服用している薬

だが療養をしても、この病気がすぐ良くなるわけでは絶対にありません。 私は病院治療の外、あらゆる他の治療方法を探して夫と共に歩き回り、 1年経てば良くなるか、2年経てば良くなるかと、 いつも時間が経てば良くなるだろうと信頼してきましたが、思い通りにはなりませんでした。 夫は1次労災療養の時よりもさらに多くの薬を飲まなければならず、 薬品に耐性がついてさまざまな副作用を体験しています。

事実がこうなのに、勤労福祉公団はさらに積極的に治療すべき重い患者を2021年1月31日付で、 症状が固定したという理由で労災療養を終結させました。 2月現在、夫は会社への出勤が難しく、一か月間個人休暇を使っています。

私は病院と勤労福祉公団にまださらに治療が必要な状態だと説得して、 勤労福祉公団のこのような決定に問題提起をし続けましたが、戻ってきた返事は冷たかったです。 残念だが仕方がないというのが勤労福祉公団の回答でした。 それで私はわらでもつかむ心情で、 勤労福祉公団に私が作成した陳述書だけで異議申請をしている状態です。

国家と政府に要求します。 政府はこの問題に関係する機関と事業体(勤労福祉公団、現代尾浦造船)の これまでの行政処理に問題がなかったのか、徹底的に調査をしなければなりません。 そして特に、現代尾浦造船内で夫に加えられ反倫理的な職場内集団いじめについて 徹底的に調査して、 この事件にかかわった加害者とこれを傍観した使用者側に厳重な責任を問うべきことです。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-02-26 12:51:54 / Last modified on 2021-02-26 12:51:56 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について