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青年の日、来年は大統領が青年に労組を薦めよう

[青年×労働組合]青年の日をむかえて

チョン・ナウィ(民主労総組織部長) 2020.09.21 13:18

青年基本法施行と青年の日

先週土曜日の9月19日は第1回青年の日だった。 文在寅(ムン・ジェイン)大統領はこの日、青瓦台で記念行事を行って BTSを招き「青年たちを応援」した。 続く記念祝辞で文大統領は 「政府は『機会の公正』のために最善を尽くす」とし、 「機会の公正の土台の上に夢を広げて挑戦できるように、 青年の目の高さで、青年の心を抱き、政府政策を推進」すると明らかにした。

▲19日に青瓦台で開かれた第1回'青年の日'記念式[出処:大韓民国青瓦台]

「青年の日」は今年の8月から施行された青年基本法によるもので、 毎年9月の第三土曜だ。 青年基本法は、政府と地方自治体の青年政策と支援などに関する法で、 青年を「19歳以上34歳以下の人」と規定した。 この法はまた、青年の権利と義務を明示しているが、その内容は △青年基本権尊重、 △青年差別禁止、△青年の社会意志決定参加権だ。 これ以外にも政府が5年ごとに青年政策を樹立すること、 この過程に青年の参加を保障すること、 青年実態調査と研究事業などを推進すること等を含んでいる。

大統領が37回叫んだ「公正性」

この日の文在寅大統領演説のキーワードは「公正性」だった。 15分間続いた演説で「公正性」は37回出てきて、大統領は、 △採用不正根絶のための公共機関採用実態全数調査、 △大学入試公正性強化のための教育改革を強調した。 それと共に「時には一つの公正が別の不公正を招くこともある」とし、 公共機関正規職転換の議論を意識しているかのような発言もした。 多数の公共機関の正規職転換の過程で、最近の医師ストライキで 「公正性」は「青年の話題」になり、 政府もまたこれを青年問題の本質と見ているようだ。

ここで議論される「公正性」は事実上「就職過程の公正性」だ。 大学や企業など、どこかの集団に入るためには試験を経なければならず、 その過程を通過した人だけが公正になる。 この価値が壊される危機に直面し、一部の医大生は 「全校一等医師」と「成績不足医師」を対比させて公正性を叫び、 一部の公共機関正規職労働者は 「公社に入るためにスペックを積んで勉強した就職準備生、現職者は何の罪か」と絶叫した。 この言葉の結論は「くやしければ試験を受けて勝者になれ」につながる。 問題はこの主張に「試験を通過できなかった人々」の立場はないということだ。 試験は少数の勝者と多数の落伍者を生産するが、 落伍者がいかに低い賃金を受けても、 いかに劣悪な条件で働いても、 社会には責任がないということだ。 彼らの労働条件に社会が責任を持とうとした瞬間、それは「不正」と「不公正」になる。

だから今、社会で繰り返される「青年が望む公正性」とは、 公正性の実現ではなく落伍者の生産と排除の連続でしかない。 これをとても新しい問題であるかのようにひたすら争点化して、 彼らの不満と挫折感に頼って落伍者から最低の権利まで奪うことは、 青年問題の解決ではなく深化だ。 「青年が未来」という既成世代のレパートリーに照らしてみても 「成績の公正性」を強化して少数の勝者だけに良い雇用を与えることは 青年問題の解決とは程遠い。

来年青年の日には違うメッセージを

フランチャイズのパン屋でパンを作る30歳のミナ氏は 「5年働いたが男の同僚だけが昇進するのが腹が立ち」労組を作った。 完成車工場で2次下請業者所属で働いていた29歳のテフン氏は 「服から休憩時間、賃金まですべてで差別されるのが理解できず」労組に加入した。 公共機関で非正規職として働いた34歳のミンジ氏は 「名節の贈り物さえ差別されるのに耐えられず」労組を訪れた。 一部の言論が労働組合を「公正性の価値を傷つける集団」、 「正規職転換だけを主張する集団」と罵倒するのと違い、 この3〜4年の間に民主労総に加入した青年たちは、 自分の職場で「不公正」な事件を体験し、これを変えるために労働組合を訪れた。 労働組合が自分の権利を取り戻す組織だということは、 30年前の既成世代にも今日の青年世代にも同じように作動する。

文在寅大統領は 青年の日の演説で「青年が主人公」だと何度も強調した。 青年基本法も意志決定の過程と法・条例の制定過程での青年当事者の参加を明示した。 では大統領が、政府が、働く青年に労働組合を薦めてみてはどうか。 薦めるだけでなく、青年労働者がもっと簡単に労働組合を理解し、 もっと当然労組をする権利を享受できるようにしてはどうか。 どうせ政府の悩みも「青年問題は青年が動かなければいけない」というところまで来ているのではないか。 では抽象的に迂回的に話すのではなく、言葉だけで「権利の主人」と話すのではなく、 青年たちが自分の職場で権利を行使する方法を具体的に提示してみてはどうなのか。

「青年たちはこれから働く日が多いだけに、その未来を変える権利があります。 青年の皆さん、労働組合を訪れてください」。 来年の青年の日には今年と違う大統領のメッセージを期待する。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-09-27 06:08:52 / Last modified on 2020-09-27 06:08:54 Copyright: Default

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