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3年ぶりに出てきた警察改革法案、人権団体反応は冷ややか

人権団体批判声明「民主的統制、警察権限分散もなく…法案撤回を」

パク・タソル記者 2020.09.08 17:26

3年間の警察改革議論過程を経て政府与党の警察法改正案が出てきたが、 人権団体の反応は冷たい。 これまで必要性が提起されてきた独立した外部統制機構の構想や、 実質的な権限分散もないばかりか、 労組破壊などに介入して公憤を買った情報警察などがそのまま維持される法案だからだ。 人権団体は該当法案を撤回し、「民主的統制」と「警察権限分散および縮小」を実現する 新しい警察改革法案を改めて発議しろと主張している。

人権団体と警察暴力被害者団体は9月8日、 「警察法全部改正法律案」に対して批判声明を発表した。 該当法案は8月4日、共に民主党の金栄培(キム・ヨンベ)議員が代表発議したもので、 警察改革に関する国家捜査本部の新設と一元化された広域単位自治警察制導入などの内容が含まれている。

これらの人権団体は警察改革法案に対して 「『これから本当にしっかりやるから信じてくれということ』以上でも以下でもない」 とし、「『民主的統制』に対する悩みが全くない」と評価した。 2018年に警察改革委が「警察委員会実質化」と「外部統制機構設置」を勧告したが、 該当法案で話される「国家警察委員会」は諮問機構でしかない現在の警察委員会活動水準と大きく違うものではなく、 独立した外部統制機構に対する構想もないということだ。

これらの人権団体は 「大統領を頂点とする13万人にのぼる警察力が服従体系で上司の命令に作動する状況で、 警察力は常に政権の目標と意志により動くことになるが、 これを断ち切る制度改革がまさに『警察委員会の実質化』」と強調し 「警察委員会は人事権と予算配分権、治安政策樹立と内部管理監督機能を遂行することにより、 警察内部の民主的統制機構の役割を期待できる」と説明した。

▲昨年12月政府ソウル庁舎の前に作られた韓国馬事会ムン・ジュンウォン烈士焼香所で警察が焼香を妨害する場面。この日、警察はレッカー車を動員して霊柩車牽引まで試みた。労働者、市民はこれを防ごうと警察と長い間の対峙を続けた。[出処:チャムセサン資料写真]

人権団体はまた、改正案に含まれる警察の権限分散についても 「単一の組織構造を維持して、実質的な権限分散はしなかった」と指摘した。 警察は検察から1次捜査権と捜査終結権を得ることになり、 国家情報院からは対共捜査権とその人員を委譲される予定で、 その権限はさらに強化される予定だ。 これについて、警察は地方分権に合わせて自治警察制を全面化し、 警察権力を分散させると宣伝したが、 人権団体は自治警察制による権力分散は詐欺でしかないと見た。 先立って党・政府・大統領官邸は7月30日、 国家警察と自治警察を別個の組織にする二元化モデルで 自治警察の身分を国家職にして、事務だけを分離する一元化モデルに合意した。

人権団体は 「警察に対する民主的統制は何もない状態で、 国家警察、国家捜査本部、自治警察、市道警察委員会のような複雑な指揮体系をならべているだけ」とし 「国家捜査本部や試み警察委員会に一定の指揮権限を付与するが、 最終人事権は警察庁長官、青瓦台が持つ構造だ。 結局、複雑に分れた指揮体系を通じて警察権限が分散しているように見えるだけ」と批判した。

情報警察の存続問題も問題になった。 すでに元警察庁長官3人が関連した裁判を受けている状況だ。 趙顕五(チョ・ヒョノ)元警察庁長官は「コメント工作」に情報警察を動員した容疑で裁判を受けていて、 姜信明(カン・シンミョン)元庁長と李哲聖(イ・チョルソン)元庁長もそれぞれ 政治関与、不法査察に情報警察を動員した事実があらわれて裁判中だ。 人権団体は情報警察問題について 「政府与党法案は『治安情報』の概念を『公共安寧に対する危険予防と対応』に変更し、 情報警察を存続させる意志を明確にしている」と指摘した。

人権団体は警察の人権侵害と暴力が極右保守政権だけの問題ではないことを強調した。 人権団体は「労働者のスト権、賃借人と地域住民の生存権、 集会デモの権利は公共安全と秩序、 国策事業と国家安保論理、企業と建設資本の利益論理に今も踏みにじられている」とし 「5月にTHAAD追加配置を防ごうとする星州住民に対し、 警察は密陽と同じ暴力を行使した」と話した。

一方、今回の声名には警察暴力被害団体をはじめ、 公権力監視対応チーム、ソンチャッコ、人権運動ネットワーク・パラムなど、 20余の団体が参加した。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-09-14 23:40:44 / Last modified on 2020-09-14 23:40:46 Copyright: Default

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