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朴元淳市長の性暴力容疑、「ソウル市の調査が必要」要求強く

被害を訴える人の連帯者「ソウル市で職場内位階的性暴力発生、ソウル市が責任を持って調査しろ」

パク・タソル記者 2020.07.10 15:09

[出処:ソウル市]

故朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が亡くなる前日、 職員への性暴力の容疑で訴えられた事実が伝えられ、 今後政界がこれをどう収拾していくのかに関心が集まっている。 朴市長が死亡しているのが発見され、該当告訴事件は「公訴権消滅」で処理される展望だが、 職場内性暴力事件が発生した時に加害者に対する非寛容原則を主張したソウル市だっただけに、 ソウル市がこの問題についても調査すべきだという声も大きい。 さらには民主党内で権力型性暴力問題が立て続けに起きた以上、 これを不問に付すことはできないという主張にも力付けられる。

現在、SNSでは「#朴元淳市長を告発した被害者と連帯します」というハッシュタグが広がっている。 ハッシュタグ運動の参加者は、故朴元淳市長の死が残念でくやしい死とされることは、 被害を訴える人に対する2次加害につながることを憂慮している。 また、性搾取文化の中で被害を訴える人がやっと勇気を出したのだから、 性暴力事件に対する徹底した調査をすべきだとも主張している。

該当ハッシュタグを掲げた多数のツイッタリアンは、 「職場内で起きた位階的性暴力なのだから該当機関のソウル市庁が適法な責任を持って被害者を保護し、 被害を救済することを願う。 また被害を黙認したソウル市関係者も、抜本的に根絶しなければならない」という文を共有している。

FaceBookでは「ソウル市職場内性暴力事件被害者を支持する会」を作れという提案も出てきた。 ドキュメンタリー監督のイ・ソニ氏は支持する会の提案と共に、 ソウル市に民願を入れようと主張した。 イ監督は「職場内性暴力事件が発生した時に 加害者に対する非寛容の原則を主張したソウル市の原則によって該当事件を処理し、 被害者支援のためのソウル市庁内の運営規則によって 被害者への法律的・精神的・経済的な支援を要請します。 事件処理と対応を被害者の要求と保護の下に透明に進めることを要請します」という民願文を共有している。

ソウル市と民主党、パク市長性暴力容疑には口を塞ぐ

しかしソウル市と民主党は、 故朴元淳市長関連の 性暴力告訴事件についての言及を敬遠する雰囲気だ。

7月10日にソウル市長権限代行になったソ・チョンヒョプ行政1副市長は、 ソウル市の立場をブリーフィングして 「安全と福祉を最優先とする朴元淳市長の市政哲学により、 中断することなく強硬に続けなければならない」と明らかにした。 質問の時間に性暴力で訴えられた事実について市が追加調査をするのかという質問が出ると 「被害に関する事項は知らないので、(追加調査は)検討できなかった」と答えた。 マスコミはこれに対して別途の調査がないものと推測している。

この日、ソウル市長公報特別放送も出入の記者に 「故人が特に言葉を残さず全てを抱えて命を終えた以上、 それに対する報道は全て推測にならざるをえない」とし 「故人と遺族に拭うことができない傷を与える推測性報道は自制してくださるよう 切にお願いする」というメッセージを送った。

公報特別放送は、朴市長の性暴力疑惑に対しては何も言及しなかった。 ただし「故人は一生を私利私欲なく、 公共に対する献身で一貫してきたが、 政治家-行政家の道に入った後、 弾圧と陰湿な攻撃に苦しみ続けてきた」とし 「故人が社会的弱者が本当に保護される暖かい世の中を作るという一生の夢を未完に残したまま亡くなった状況で、 もうゆっくりお送りしたい。 空が崩れるような衝撃と悲しみに浸った遺族に、 もうひとつの苦痛を与えないように協力をお願いする」と訴えた。

同日、共に民主党のイ・ヘチャン代表も、朴市長の性暴力疑惑に関する民主党の対応計画についての質問が出ると 「それは礼儀ではない」とはっきり話した。 李代表はこの日の午後12時頃、民主党の指導部とともに朴市長の遺体安置所が設置されたソウル市鍾路区のソウル大病院葬儀場を訪れて弔問した後、 記者と会った席で「故人に関する疑惑に党次元で対応するのか」という質問が出ると、 「それは礼儀ではない。 そういうことをこの場で話すのか。 少なくとも場所というものがある」と敏感に反応した。

性暴力を幇助した政界批判の声も高く

一方、女性団体はこれまで共に民主党が性暴力を幇助してきたと批判してきた。 朴元淳市長死亡直前の 7月9日にも「安熙正(アン・ヒジョン)の側近による2次被害、 大韓民国国会は彼らを抱きしめる所なのか」という糾弾声明を発表し、 性暴力を幇助して庇護した共に民主党と国会を批判した。 安熙正の補佐陣A氏と 安熙正の家族B氏が 被害者に対する憶測、非難、悪態などの2次被害をオンオフラインで主導したが、 彼らは処罰されるどころか民主党内で補佐陣として働き昇進をするなど、 常勝疾走しているという批判だった。

韓国性暴力相談所、ソウル女性労働者の会など9つの団体は 「性暴力加害者を幇助・庇護して被害者に対する2次被害を量産した人々を任用して昇進させてきた大韓民国国会を、共に民主党を、該当議員室を糾弾する」とし 「反省しない権力は、別の被害を量産するだろう。 いつまで性暴力問題の解決に無関心でいるのか? いつまで被害者の保護ではなく、被害者を攻撃する者たちを保護するのか?」と 性暴力犯罪を容認する国会と民主党を叱責した。

続いて「民主党では安熙正を当時、即刻除名すること以外に深刻な2次被害を制止する努力がなかった。 ほとんどの機関が性暴力事件を処理する時、 被害者の不利益防止、2次被害予防をするだけでなく、 事件に対する事後教育や再発防止、被害者保護をしていたとすれば、 この程度まで深刻な2次被害は起きなかった」とし 「性暴力2次加害者を5級秘書官に採用し、 被害者と対策委が問題を提起したが、 共に民主党のキム・ミンソク議員は消極的な回答を出して、 『性暴力など性被害に関する事件は地位を問わず非寛容の原則を守る』という 民主党も沈黙している」と批判した。

民主党は4月に性暴力を犯した呉巨敦(オ・ゴドン)前釜山市長に対しても、 党倫理審判員会議で20分で除名懲戒し、難なく尻尾を切ったという批判を受けた。 2018年3月、秘書を性暴行したという暴露が提起された民主党所属の 安熙正忠南知事に対しても、 暴露当日、党除籍・除名する手順を取った。 被害者に対する保護と支援は何もなかった。

一方、正義党の柳好貞(リュ・ホジョン)議員は政治家としては非常にめずらしく、 被害を訴える人に言及して 「あなたが一人ではないことを知ってほしい」という文をFaceBookに残した。 柳議員は映画「グッドウィル ハンティング」のせりふの 「君の誤りではないよ。(It's not your fault)」を引用して 「尊敬する人の地位のために抵抗できず、嘲弄の対象になったあなたが、 治療と回復のために必要な精神科相談を受けてやっと告訴を決心できたあなたが、 すでに始まった『2次加害』と『個人情報さらし』で胸をぎゅっと押さなけはれば 詰まった息ができないあなたが、 一人ではないことを知ってほしい」と明らかにした。 続いて故朴元淳市長に対する弔問の計画はないとし、 「遺族の方々に深い慰労の言葉を伝えます」と締めくくった。

朴元淳ソウル市長の5日葬、 ソウル特別市葬に反対する声もあがっている。 7月10日、青瓦台国民請願掲示板には 「朴元淳氏の葬儀を5日葬、ソウル特別市葬ですることに反対します」という請願が上がってきた。 該当請願に同意する人は急速に増加しており、 午後2時23分には6万6600人以上の人々の同意を受けた。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-07-11 00:12:44 / Last modified on 2020-07-11 00:12:47 Copyright: Default

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