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「法外労組」事件大法院公開弁論...全教組-労働部が激突

4年3か月ぶりに開かれた公開弁論...4時間以上続く

パク・タソル記者 2020.05.21 07:22

朴槿恵(パク・クネ)政権の時期の 全国教職員労働組合(全教組)に対する法外労組通知処分が適法だったかどうかを争う 公開弁論の席で全教組と労働部側が互角に対抗した。

5月20日午後、大法院は昨年、全員合議体に回付された全教組の法外労組通知処分取り消し訴訟に対する公開弁論を開き、該当事件を審理した。 大法院に受け付けられてから4年3か月目で、大法院長と大法官全員が参加した。 予定された2時間を超えて4時間15分かかった今回の審理では、 3つの争点をめぐり労組と労働部側が激突した。 公開弁論はYouTubeなどを通じてリアルタイムで中継され、 数百本の「法外労組取り消し」を要求するコメントがつけられた。

この日の審理の争点は3種類だった。 ▲法外労組通知の根拠になった労働組合法施行令第9条第2項の 「教員労組法施行令」の条項が法律の委任なしで憲法上の団結権などを侵害するのか、 ▲全教組が教員ではない者の意志加入を認め、 労組法第2条第4号ラ目(勤労者ではない者の意志加入を認める場合は労組と見ない)の 「消極的要件」に該当しても、実質的に自主性を維持している以上、 適法な労働組合と見られるのか、 ▲法外労組通知が全教組だけに過度に苛酷で、裁量権が逸脱および乱用されたかどうかだ。

全教組「法外労組は法治に反する」

まず全教組側は法外労組通知の根拠になった施行令が法律の委任を受けておらず、 法律留保原則に反すると主張して、 これは憲法に明示された委任立法にも背くと明らかにした。

民主労総のシン・インス法律院長は 「憲法は国民の自由と権利は法律で制限するとなっている。 だがこの事件で労働部は是正要求で全教組に義務を賦課し、 法外労組通知で権利を制限したが、根拠法律がない。 行政権を発動しようとするなら必ず法律根拠がなければならない」と話した。

法務法人ヨヌンのカン・ヨング弁護士は 「勤労者でない者の意志加入を認める場合には労働組合と見ない」 という労組法第2条第4号ラ目を労働部が形式的に解釈したと指摘して、 この法が労組の自主性保護を目的として実質的な労組の自主性を確かめるべきだと主張した。

カン・ヨング弁護士は 「全教組は正規教員だけでなく、期間制教員も加入している。 だが期間制教員には休み中には契約せず、学期中だけ契約する『分割契約』が一般的だ」とし 「教員と非教員を周期的に繰り返しているが、 労働部側の主張のように形式的に労組法を解釈すると1学期には加入を認め、 休み中には脱退処理して、また2学期に加入を認めるということを繰り返さなければならない。 6万人の組合員を保有する労組がそのたびに確認して、脱退処理するのは現実的に不可能だ」と話した。

シン・インス弁護士もこれに対して 「労組法第2条4号は労組に関する『定義規定』だ。 定義規定を解釈して適用する所は裁判所であって、 行政府は執行命令の根拠とすることができない」とし 「実際の具体的事件で裁判所の判決に従うのが法治主義と法理主義の原理」と強調した。

全教組側は全組合員のうち解職教員の割合が0.015%に過ぎないのに法外労組を通知したことで、 残りの99.985%の団結権を侵害しているのは行政庁の裁量権の逸脱・乱用で、 これは比例原則にも反すると主張した。 全教組にだけ唯一苛酷な措置がなされたということだ。

シン・インス弁護士は 「他の労組が労組法第2条4号ラ目に違反していても、 ただ全教組だけに法外労組を通知した。 同じように法律違反をしても法外労組通知をするかしないかを決めるのは労働部の裁量権という解釈が可能だ」とし 「同じようなものを違うように扱うのは比例、平等原則に反する」と話した。 実際に労組法施行令違反で法外労組が通知された事例は全教組しかない。

シン弁護士は文在寅政府の労働部に対する二重性も指摘した。 「2019年に労働部主管で政府は教員労組法改正案を発議した。 労組員資格を『教員として働く人で労働組合規約に定める人』に拡大したが、 全教組の解雇者も加入させるという条項だ」とし 「他方では法外労組通知の正当さを主張しているのに、 一つの政府が互いに違う二つの行動をできるか」と批判した。

この日、質疑応答の時間に李起宅(イ・ギテク)大法官もまた労働部に似た質問を投げた。 文在寅政府が 先制的に全教組法外労組問題を解決できるのに、 裁判所に判断と責任を押し付けているのではないかという趣旨だ。

李起宅大法官は 「現行法が望ましくないとして政府自らが法律改正案を提出し、 法改正の努力をしているのに、 そのような点を考慮すれば法外労組通知の効力を政府が最後まで維持しようとするのが 正しい態度なのかわからない。 少なくともその法律案を提出した時期には法外労組通知の効力を取り消すか撤回する方法で効力をなくした後、 法律改正の推移、国民世論などを見守りながら、 後続措置として何ができるのかを検討する方法でこの事件を円満に解決してはどうかと思う」と話した。

また「正常な政府なら自ら法を解釈して執行する過程で、 政府措置が法に違反すると主張する国民がいるのなら、 事後的にそのような政府の措置に対して司法府統制を受けるのであって、 司法的判断を受けた後に(政府が)必要な措置をするというのは変だ」 と苦言を続けた。

労働部、「全教組がその気になれば法外労組の回復は可能」

労働部側は法外労組通知をするまで、3回も是正命令を出すなど十分な時間があったとし、 全教組が自ら法的保護から離脱したと反論した。 また全教組はその気になれば法内労組の地位に回復できるのに、 これまでの団結権が制限されたと被害を訴えるのは誇張だとした。

政府法務公団のキム・ジェハク弁護士は 「3年7か月の間、規約是正命令を出し、他の手段をすべて動員して 規約の是正を引き出そうとしたが、 全教組が立場を固守したため法外労組通知に至った」とし 「(全教組が)赤信号で渡るから保護してくれと要求するようなものだが、 赤信号で渡らなければ良い。 青信号に変えられる権限もあり、全教組がその気になれば回復できるのに、 団結権の制限だと言うのはちょっと制限的にすべきだと思う」と話した。

キム・ジェハク弁護士は法律の委任を受けない施行令行政だという主張に対しては 「法外労組通知は憲法75条が認める執行命令の一種で、 新しい賦課や義務が発生するものではない」とし 「労組法により教員労組ではないとする以外の選択は存在できない」と主張した。

全教組が主張した比例原則違反について労働部側のソル・ドングン弁護士は 「ほとんど是正命令をする場合、一般組合では是正されると理解している」とし 「単純に規約があって、直ちに通知したのでもなく、 是正命令によって是正する機会を付与して誘導したので、 全教組にも十分に恩恵が行く処分をした」と話した。

国家情報院文書について全教組は「青瓦台-国家情報院の労組破壊工作」 vs 労働部は「そんなことはなかった」

全教組側は最近、マスコミの報道であらわれた MB国家情報院の全教組抹殺企画も深く見なければと裁判所に訴えた。

シン・インス弁護士は「(李明博(イ・ミョンバク)-朴槿恵(パク・クネ)政権時期に) 国家情報院の主導で政府関係部署が総動員した反憲法的労組破壊がこの事件の本質」とし 「自主性の確保という名目で全教組の自主性を抹殺しようとする国家情報院主導の 労組破壊工作の結果」だと主張した。

しかし労働部側のソル・ドングン弁護士は 「国家情報院事件に関連して、労働部は(そのことを)認定できず、そんなことはなかった。 全教組が今でも違法行為を続けているのに、規約是正を拒否し続けているのではないか。 労働部は一部裁量の要素があると法外労組を通知し、 全教組に最大限有利な点を提供した」と反論した。

しかし、全教組法外労組通知事件は「梁承泰(ヤン・スンテ)司法府」の 司法行政権乱用疑惑とも関連が深い。 朴槿恵政権当時、 梁承泰司法府は 全教組法外労組通知処分効力停止仮処分申請を使って青瓦台と「裁判取り引き」をした疑惑を受けている。 これに関してイム・ジョンホン前法院行政処次長などに対する1審裁判がソウル中央地法で続いている。

先立って全教組は解職教員9人を脱退処理しろとの是正命令を受け入れなかったという理由で去る2013年10月雇用労働部から法外労組通知を受けた。

これに全教組は「憲法が保障する団結権と職業選択の自由を侵害された」とし、 効力停止申請と行政訴訟を出したが、 仮処分申請を除き行政訴訟の1・2審ともに敗訴した。 裁判所は「雇用労働部の法外労組通知が比例原則に違反すると見られない」と判断した。

大法院は公開弁論でやりとりされた内容を基礎として3〜6か月間の審理を経た後、 今年中に判決を出すと予想される。 金明洙(キム・ミョンス)大法官は 「今日の弁論が長くなったのは、この事件の争点が簡単ではなく、 社会全般に与える影響が大きいため」とし 「多くの人の関心を受ける側の事項について慎重に結論を出す」と明らかにした。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-06-04 22:37:34 / Last modified on 2020-06-04 22:37:35 Copyright: Default

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